ウソダトイッテヨ
1話を読んでない方向け
・ネトゲのオフ会になぜか姉がいたでござる
・同じゲームで同じギルドとかありえねー
・同じギルドってことは俺の痛いチャット見られてた!?
・これから俺の自己紹介。キャラ名言いたくねえ(-_-;)←イマココ
それではどうぞ
結論から言おう!
俺は無事に自己紹介を終え、そして今俺のとなりには俺が尊敬してやまなかったエリナさんが座っている。そして周りからはヤジやら冷やかしやらが飛び交い、このままの勢いで付き合っちゃたら?くらいの雰囲気が出来つつあった。
うん、ここだけ見ると、もう俺がオフ会に来た目的200%くらい達成してるように錯覚しちゃうね!
え?まるで達成してないかのような言い回しだって?では詳しく説明しよう。話は自己紹介の場面に戻る。
今から30分程前、いよいよ俺の自己紹介の番が回ってきた。ここに来る前は色々と受けそうなやつとか、大爆笑間違いなしな紹介とかを色々考えてたんだけど、まさか姉貴がいる前でそんなこと出来るわけもなく、俺は急遽極めてオーソドックス(ふつう)な自己紹介に切り替えた。
俺「えー、黒部真司と言います。使用キャラ「ダークマスター」です。よろしくお願いします。」
団長「よ!黒を制する男!」
俺「やめて!その黒歴史やめてあげて!」
お姉ちゃんも見てるのよ!なんで俺こんな名前にしたんだ(ノД`)
と、そーっと姉貴の反応をうかがってみる。
なんか、ポカーンと口を開けて俺の方見てるんだが・・・。
「え?あんたダークマスター?正直ちょっと恥ずかしいんだけど・・・」みたいな感じなのか?むう、これは姉貴に弱み握られたか・・・・Orz
そうこうしてる内に姉貴の自己紹介の番がやってきた。そういやあいつのキャラなんなんだ?まあ、あいつの性格からして「暴れん坊●軍」の異名を持つネルザあたりが有望だろう。ていうか、ギルドチャットで痛い発言とかしてるキャラであってくれ!そうすれば俺と師匠のラブラブギルドチャットと言う、醜態も相殺できるから!
姉「えっと、あの、く、黒部里奈と言います。よろしくお願いします!」
ペコリと頭をさげてそのまま座る姉。
いやいやいやいや、お前自分の名前だけ言って座るとか、全然オフ会の意味ないよ?これじゃ単なる合コンだよ?
団長「里奈さん里奈さん、これじゃ合コンだよwww」
団長の一言で盛り上がるオフ会&顔真っ赤にしてる姉。さすが団長。俺と同じこと考えてるwww
姉「あ、あの、やっぱり使用キャラも言わなきゃダメ?」
姉を除いた全員が「?」マークで埋め尽くされるオフ会会場inカラオケ屋。使用キャラを言わないで、どうやって楽しくオフ会をすると言うのだろうかうちの姉君は。
あー、読めた。姉貴のやつきっとギルド内で、毒舌キャラな奴じゃないんだろうか?
「ヒールはもっとマメにして下さい!」とか「ちゃんとステータス異常確認してます?」とか、「敵の情報くらい前もって調べてきてくださいよ・・・」とか、あきれ口調で言ってみたりしてたんじゃね?
そういえば、今の全部オレが駆け出し初心者の頃に言われたやつだ・・。軽くブルーになってきたぜ・・・。
団長「恥ずかしいのはわかるけど、オフ会だし、ね?さあ、勇気を出して告白しよう!」
再びどっと盛り上がるオフ会会場inカラオケ屋。告白ってなんだよwwwとか、私も告られたい~とか、声が聞こえてくる。さすがにここまで盛り上がってきたら言わないわけにはいかないと思ったのか、ようやく続きの自己紹介を姉貴が語りだした。
姉「えっと、使用キャラは、え、え、え、・・・」
うちのギルドには「えええ」さんなんて居ませんよ!なんだよその、RPGの主人公に適当に名前つけましたみたいな感じは・・・。
姉「え、え、エリナです!」
「ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっつ!」
飲んでたジュースを盛大に吐き出してしまった。とっさに誰もいない横方向に吹き出した俺を誰か褒めてほしい。
うんまあ、思考が止まってたね。数十秒は止まってるように感じたね。実際は数秒だったと思うが、まわりの盛り上がりで我に返った俺は、気づけば隣の席の人から「大丈夫?」とか言われつつ、盛大にこぼしたジュースを慌てて拭いたりした。
俺の姉貴が憧れのエリナさんでした。
まじ帰りてえ・・・・Orz
だって、だってさ?俺、知らなかったとはいえ、ギルドチャットでお姉ちゃんとキャッキャウフフしてたんだぜ?ありえないよ?嘘だと言ってよお姉ちゃん!
そしてその後、オフ会の連中から席を隣同士にさせられ、勝手に周りで盛り上がられ、二人して顔面蒼白になって俯いてるのを「ふたりとも緊張してる~♪」とか言われ今に至るわけです。
姉「ねえ、ちょっと」
なんでこうなったんだろうな~とか一人でぽけーと考えてると姉貴が話しかけてきた。
姉「ちょっと、なんでこんなことになってんのよ!」
俺「知らねーよ!俺が聞きたいよ・・」
姉「大体あんたがなんでこのゲームやってるのよ!」
俺「大輝にむりやり誘われたんだよ。一人じゃ怖いからって」
姉「・・ああ、あの子ね・・。で、今日はあいつ来てないの?てか、どのキャラ使ってるの」
俺「あいつなら、3日くらいで飽きたってやめた。」
姉「(-_-;)」
団長「お、二人共ちょっとは打ち解けてきたかな?」
そんな会話を姉貴と二人でこそこそとやってると、団長がニヤニヤしながらやってきた。
俺「いや実はですね、エリナさんて俺の姉・・モガモガっ」
俺が実は姉弟だと言おうとしたら、急に姉に止められた。
姉「いやー、ダークのお姉さんに似てるらしいですよ私^^」
団長「へー、ダーク姉ちゃんいるの?今度紹介してよwww」
とか言いながら、今度は別のグループへ突撃していく団長。
俺「おい」
姉「何よ?」
俺「なんで姉弟て隠すんだよ」
俺としては早くこのおぞましい誤解を説いて開放されたいんだ!
姉「あんたねえ、あんたと私がギルドチャットで、その、ど、どういう会話を今まで繰り広げてきたか考えて見なさいよ!」
若干顔を赤くしながら、怒り気味に俺に言う。今までのゲーム内における会話?
んー・・・
ダーク「エリナ師匠!今日はまた一段とお美しい!」
エリナ「あら?さすが黒っち!今日は黒っちの為に気合入れてきたの(*ノェノ)」
ダーク「師匠!(〃∇〃)」
団長「いや、いつもと変わらんからwww」
とか、
エリナ「黒っち、今日の黒っちすごくカッコ良かった!私がモンスターに囲まれた時、体張って守ってくれて・・・><」
ダーク「ふっ、当たり前じゃないか!俺はエリナの為だったら、なんだって出来る!」
エリナ「黒っちカッコいい><」
団長「はいはい、ごちそうさまwww」
・・・・・・・うん、あれだ。姉弟ってのはとりあえず黙っておこう。そう固く心に誓った俺だった。




