殺意(200文字小説)
寒いからストーブを独り占めしないでほしい。
ただでさえ浅い眠り 効かない睡眠薬
親父に途中で破られた夢 俺は殺意をおぼえた
仏頂面は見飽きた 俺は完璧に覚醒した
ハンマーを持ってきて
いつものようにだらしなく寝そべりながら
NHKを見ている親父の後ろから
忍者のように忍び寄り脳天に一撃を加えた
ガギーンという音がしてハンマーが跳ね返された
親父は振り返り「ああ、鋼鉄のカツラを入れたんだ」
どおりで頭の固い奴だと思った
俺と親父は乾いた笑い声をあげた 眠いから二度寝した