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foolish fondue   作者: ゆぅ
1/3

明日になれば、世界は終わる。

誰かがそう言った。

予兆なんてものは感じられないくらいいつも通りの一日・・・。

お化けや宇宙人やサンタクロースなんて誰かの空想の中の怪物であって、実際に存在するわけがない。

人間が新しい発想をし、世界へ浸透したとしても、それはただの偽物なのである。この世は偽物で成り立っているのだ。

世界の始まりがあったのだから、必ず終わりがある。

それが・・・明日である。

無限台数という桁がありながら、終わりというものが存在する。そもそも、この世界には始まりというものがあったのだろうか?必ずしも終わりなんて訪れるのであろうか?


僕は疑問に思う。


明日の世界の終わりを、この目に焼き付けよう。




6月22日

天気は快晴、じりじりと日本を焼き始めた太陽は私の肌を赤く染めていく。

「今日も日焼け止め忘れちゃったよー。」

「寛和は美白だからいいじゃない!私なんてすぐ丸焦げにされちゃうんだからね~。」

午前8時

じめじめした空気を思いきり踏み込んむようにペダルを踏み、坂道を上る。

「あっつーい」

だらだらと流れ落ちる汗が背中を伝っていくのが分かる。汗はなおも額から溢れてくる。

三十度ほどの気温とじめっとした空気は、私たちの体力を蝕んでいくようだった。


約20分ほどで学校へ到着。駐輪場の屋根が日陰になっていて、少々涼しい風が吹き込んでくる。

体のあらゆるところから噴き出した汗をハンカチでぬぐいとり、昇降口へと向かう。


「今日の数学って、いど・・」

突然、脳みそが縮んでいくような感覚が頭の内部でおこり、視界は何重にも重なってぼやけていく。体が言う事を聞かない。私はその場に倒れこんだ。


「・・明日の正午、この世界はなんの予兆もなく爆発し、一瞬にしてなくなるだろう。」

太くて低い、安定した男の声が、耳元で聞こえてきた。息が右耳ににかかり、ぞわっとして瞬時に目を開けた。自分の意志ではなく、瞬発的なものであった。

顔を右に向けると、大きな男の顔がかなり近い距離に横向きにおいてあった。

私がびっくりしていると、その男はニカっと笑った。

私は自分がベッドに横になっていることに気付く。男はその状態のまま、更に続けた。

「君、幽霊見たことある??」

目を覚ましたばっかりで、現在ここにいる状況を理解していない私に男は不似合な質問をしてきたのだ。

私はもちろん、

「なんで私、こんなところにいるんですか?ここ、一体どこですか?私、なんで倒れたんですか?」

「・・・」

男はちょっと不機嫌そうな顔をした。私は顔の近さに限界を感じ、ゆっくりと体を起こす。頭にじんじんとした痛みが走ったが、その痛みはすぐに治まった。

「あなたは誰?」

「三年五組、花本信治|≪はなもとのぶはる≫。・・・急に変な質問しちゃったな。ごめん!俺はいつもこの保健室で授業さぼってる、受験生サボり魔だよ。俺がここ来たときには君がベッドで寝てたから、気になって」

「あ、あぁ・・・そうですか」

意外とすんなり答えてくれた花本先輩。

花本信治・・・その名前がどこかでひっかかる。

「君は?」

一瞬脳内に浮かんだ姿がすっと消え去る。気のせいだったのだと我に戻る。

「あっ二年三組、浅木寛和|≪あさぎかんな≫です。あんな言い方してすいませんでした・・。てっきり頭のおかしい電波さんかと思っちゃいました・・」

そう言って苦笑いをしながら花本先輩の顔を見ると、その眼から、強い訴えかけのようなものを感じた。その眼差しは、私の視線を釘付けにする。

「・・・明日、世界が終わるってさ。」






難しい内容ですが、読んでいただけると幸いです。

連載を続けていきたいと思いますので、応援よろしくお願い致します。

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