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双子兄妹の悪魔学園記  作者: 黒雨みつき
 第7章 決戦
140/239

2年目12月「思い、残し」


 戦いから一夜明けた。


 あの後、いったいなにが起こったのか、唯一蚊帳の外にいた俺たちにはさっぱりわからない。

 ただ、昨日の戦いが勝利で終わったものの、なにか別の問題が発生したらしいということだけはわかった。


 俺はすぐに悪魔狩りの医者による治療を受けたが、その間、神村さんや緑刃さんが姿を見せることは一度もなく。治療が終わり夜が明ける直前になってようやく、疲れきった様子の緑刃さんが俺のところを訪れ、ひとまず帰宅するように言われた。


 もちろん俺も質問はしたが、組織内の問題だから気にしないでくれとだけ言われ。

 緑刃さんのあまりの憔悴っぷりにそれ以上の質問することもできず、そのまま帰されてしまったわけである。


「……しかし大したもんだな。悪魔狩りの医療技術ってのは」


 家に帰ってからまた少し眠り、俺が次に目を覚ましたのは翌27日の昼過ぎだった。


「そうなの?」


 と、雪がサンドイッチと牛乳を乗せたトレイを持ってくる。


「ああ。骨にヒビが入っているなんて信じられねーくらいだ」


 脇腹の痛みは一晩ですっかり引いていた。

 しばらくは無理をしないようにと言われているが、長距離マラソンとか懸垂でもやらない限り痛みは気にならないぐらいだ。


 そんな俺の顔を不思議そうに見て、雪が言った。


「ふぅん? じゃあ長距離マラソンとか懸垂とかしなければ大丈夫だね」

「……」


 なぜ俺の考えていることが――いや、もはやなにも言うまい。


「いいお天気だね」


 サンドイッチをガラステーブルに置いて、雪が窓際に歩いていく。


「だな。せっかくだし、あとで唯依の様子でも見に行くか」


 さっそくサンドイッチをほおばりながら俺はそう提案してみた。


 唯依はあの後、緑刃さんの部下数人に手伝われ、目を覚まさない亜矢たちとともに悪魔狩り管轄の病院へと運ばれた。

 それぞれ体に大きなダメージはなさそうだったが、念のための検査と、おそらくこの1ヶ月以上の記憶が抜け落ちているであろう亜矢たちへのフォローのためである。


 その辺、上手くやったかどうか気になるところだ。


 ただ、雪はそんな俺の提案には否定的で、


「うーん。でも、少しそっとしておいてあげてもいいんじゃないかな?」

「そんなもんか?」

「うん。唯依くんならきっと心配ないよ。それにユウちゃんだって2~3日は安静にしてないと。痛くないからって無理しちゃダメ」

「ん。まー……それもそうか」


 俺自身はケガ人だという自覚があまりないのだが、肋骨にヒビが入っていることは紛れもない事実である。

 痛みがないというのも、それはそれで考えものなのかもしれない。


 結局、雪の意見を受けいれて、唯依のことは当面放っておくことにした。

 もし必要があればあいつのほうから電話かなにかで連絡があるだろうし、しばらく音沙汰がないようなら、そのときに訪ねてみればいい。


 サンドイッチを食べ終え、なんとなくテレビをつける。

 番組表を見ると年末に向けての特別番組が多くなっていたが、この時間はまだ面白いものはやってなさそうだ。


 適当にチャンネルを回してリモコンをテーブルに置いたところで、電話が鳴る。


 さっそく唯依からかかってきたのかと思ったが、


「はい、不知火です。……あ、うん。私。雪だよ」


 電話に出た雪の反応を見ると、どうやら違うようだ。


「うん。あ、じゃあ代わったほうがいいね」


 どうやら俺に用事らしい。


「ユウちゃん。歩ちゃんから」

「ああ」


 なるほど。

 こちらの様子が気になって早速電話してきたというわけだ。


 ソファから身を起こし、あくびをしながら電話台へ向かう。


「おぅ、歩か。代わったぞ」

「あ、優希さん。お久しぶりー」

「久しぶりってお前、そっち行ったの昨日だろーが」

「でも……なんか久しぶりみたいだよぅ」


 歩はちょっと泣きそうな声をしていた。


「えっと……あ、あのね。私と瑞希お姉ちゃん、無事にこっちについたから」

「お、そうか」


 察するに、すぐ近くに瑞希がいるのだろう。だから突っ込んだ聞き方ができないのだ。

 そこで俺は少し声をひそめて言ってやった。


「こっちはひとまず片づいた。少なくともお前らが戻ってくるまで失踪することはないから心配すんな」

「あ、うん。……安心したー」


 受話器の向こうでホッという安堵のため息が聞こえた。

 よほど気になっていたのだろう。


 変にしんみりするのも嫌だったので、俺はいつもの調子で、


「で? お前ら、いつごろ戻ってくんだ?」

「うん。瑞希お姉ちゃんとも相談したんだけど、お正月前に戻ろうかと思って」

「あ? なんだ、年明けまでいるんじゃなかったのか?」

「あ、優希さん、なんかイヤそー……」


 不満そうな声が返ってくる。

 別に嫌なわけではなく単に予想外だっただけなのだが、まあここはそういうことにしておこう。


「そりゃ嫌に決まってんだろ。正月のご馳走の分け前が減るからな」

「あはは、子供じゃないんだしー……あ、宮乃おばさんのご飯もおいしいよー」

「知ってるっつーの」


 俺がその料理に何年世話になったと思っているのか。


 そして俺はふと、歩と宮乃伯母さんがもともと顔見知りだったという話を思い出した。

 それは瑞希の知らない話なのでここで話題に出すことはできないが、どんな再会だったのかと想像しつつ。


「えっと、じゃあ……あ、瑞希お姉ちゃんに代わろうか?」

「いや、代わらなくていい」


 俺がそう答えると同時に、受話器の奥から『別に話すことないわ』なんて憎まれ口が聞こえてきた。


 まあ、そりゃそうだろう。

 感覚的には歩の言うようにずっと前に思えるが、実際には彼女たちと別れてから1日も経っていない。

 なにも知らない瑞希にしてみれば改めて話すことなどなくて当然だし、たった1日なのにこうやって嬉々として俺としゃべっている歩の態度のほうが不思議に違いない。


「ま、ともかく。正月前に帰ってくるなら雪のやつにも言っとくぞ? 正月の準備も人数が違えば色々あるだろうからな」

「お願いしますー」


 それから二言三言、適当に言葉を交わして俺は電話を切った。


 正月前に帰ってくるとはちょっと想定外だが、まあ俺の怪我もこの様子ならばれることはないだろう。

 目立つところに大きな傷がなくて幸いだ。


 とにもかくにも、こちらはこれで一件落着。

 またいつもの日常が戻ってくる。


 ゴロンとソファに寝転がると、さすがに無造作すぎたか脇腹に鈍い痛みがあった。


 雪は台所でなにやらごそごそやっている。

 今から夕食の準備は早すぎるから、例によって菓子でも作るつもりなのだろう。


 大きく息を吐く。


 ……さて、唯依のやつはどうしていることやら。

 俺はそんなことに思いをめぐらせながら、冬の太陽の温もりに再びウトウトし始めたのだった。




-----




 その唯依は今、とてつもない違和感と戦っていた。


「病院ってなんか暇だよね。トランプでもしよっか。大富豪とかでいい?」

「あ、ああ……うん。別にいいよ」

「いいですね。じゃあ唯依さんが負けるたびに1枚ずつ脱いでいくということで」

「嫌だよ、そんなの……」


 病室では懐かしの光景が繰り広げられていた。

 学校が休みでなにかと遊びを探そうとする真柚と、唯依をからかうことに全力を注ぐ舞以。


 亜矢はまだ昨晩から目を覚ましておらず、隣の病室で眠ったまま。


 ……なにかおかしい、と、唯依は思っていた。


 昨晩、悪魔狩り"御門"の管理するこの病院に連れてこられた後、唯依は3人がベッドに寝かされたのを確認するなり、自分も別の病室のベッドを借りてそこで眠りにつくことになった。


 興奮して寝られないかと思っていたが、それ以上に体が休息を求めていたらしく、10分もすると深い眠りに落ちていた。


 亜矢たち3人にはおそらくここ1ヶ月ほどの記憶がないだろうと予想されたため、悪魔狩りや病院と示し合わせ、その言い訳を用意していた。事故で1ヶ月ほど意識がなかった、という単純な言い訳だ。


 もちろん無理があるのはわかっていたが、少なくとも悪魔の存在すら知らない亜矢以外のふたりに本当のことを言うわけにはいかなかったし、実際に1ヶ月もの記憶がないのだから最終的には納得せざるを得ないだろう、という算段だった。


 そして太陽が昇り、一番早くに目を覚まして。

 続けざまに覚醒した真柚と舞以のふたりに、その言い訳をしてみせたのがほんの2時間ほど前のこと。


「それって舞以ちゃんも負けたら脱ぐんだよね?」

「いいですよ。どうせ負けませんし」

「う……私は自信ないし、唯依くんと舞以ちゃんのふたりの勝負ってことにならない?」

「だから脱がなきゃならないなら僕はやらないってば……」


 そしてこれが、今の彼女たちの様子である。


 不自然だと思ったのは至極当然だろう。


 彼女たちは唯依の言い訳に疑問を抱くどころかあっさりと受け入れ、しかもいきなりこのテンションに戻っているのだ。1ヶ月も意識を失っていたと聞かされれば、普通はもっと深刻そうにするものじゃないか、と、唯依はそれが疑問で仕方がなかったのである。


 そして唯依は真柚に問いかけた。


「……ねぇ、真柚」

「あ、ダメダメ唯依くん! そんな顔しても私は脱がないよ! お姉ちゃんこう見えても結構ウブだからね!」

「いや、そうじゃなくてさ……」

「え、違うの? じゃあなに?」


 と、真柚が笑顔を向けてくる。

 いつもの彼女のようだったが、やはりどこか微妙に違う気もした。


「なんかさ。……不自然じゃない?」

「なにが?」

「いや。なんていうか……変にテンション高いっていうか。特に真柚の」

「え、そうかなあ」


 首をひねる真柚に、舞以も不思議そうな顔をして言った。


「真柚さんがバカ、いえ、テンション高いのはいつものことではありませんか?」

「……あれ? 舞以ちゃん今なにげにヒドいこと言わなかった?」

「唯依さん。なにか気になることでも?」

「そこスルーしちゃうの!?」

「……いや、やっぱ気のせい、だったかな」


 結局いい言葉が思い浮かばず、唯依はいったん口を閉ざした。

 が、もちろん胸には疑惑が浮かんだまま。


 窓の外に視線を向けると、外は太陽が出ているにもかかわらず雪がチラついていた。


「そろそろ少しぐらい積もるかなぁ」


 その視線を追った真柚がそうつぶやく。


「かもね。先週も結構降ったけど結局は積もらなかったし」


 そんな唯依の返答に、真柚はうんうんとうなずきながら、


「そうそう。水曜日だったっけ。雪だるま作れるかと思って期待したんだけどなぁ」

「……」


 唯依が無言で真柚を見る。

 舞以は顔を伏せ、こらえきれない様子で笑っていた。


「え?」


 そんなふたりの反応に、わけがわからないという顔をした真柚だったが、一瞬の後。


「……あ」


 自分の失言に気づいたようだ。


「あ、ち、ちがくて! 1ヶ月前の先週の水曜日のことだってば!」

「……まだぜんぜん降ってないよ、そのころは」

「真柚さん。観念しましょう」


 おかしそうに笑いながら舞以がそう言った。


「いずれにしても隠し通すのは無理ですよ。真柚さんの頭では」

「またひどいッ! ってか、唯依くん! 引っ掛けるなんてちょっとズルくない!?」


 そう言ってプクッと頬をふくらませる真柚。

 しかし、唯依はそんな彼女たちのテンションに付き合える状態ではなかった。


「……どういうこと? ふたりとも記憶があるだけ? それとも……」


 不安が表情に出る。


 もしかして自分は失敗したのだろうか。

 目の前にいるふたりは真柚と舞以ではないのだろうか、と。


 だが、舞以はそんな唯依を安心させるように微笑んだ。


「唯依さん、心配なさらないでください。私は舞以です。ただ……唯依さんはメリエルに、私のお母様に情けをかけてしまったのでしょうね」

「……どういうこと?」


 メリエルの名が出たことに唯依は動揺したが、舞以はなんでもないことのように続けた。


「メリエルもミレーユも、私たちの中に少しだけ残ってしまったようです。たぶん唯依さんが情けをかけてしまった、その分だけ。だから私も真柚さんもいくらかの記憶を持っています。お母様の記憶の一部と、この1ヶ月のこと。ところどころ欠けてはいますけども。……それでも私は間違いなく白河舞以ですし、それは真柚さんも同じです」

「……」


 無言で真柚を見ると、彼女も力強くうなずいてそれを肯定した。


 数秒の空白。


「……そうだったのか」


 唯依は深く息を吐いて、つぶやくようにそう言った。


 そしてすぐに、そういうことがあってもおかしくないかもしれない、と思った。

 唯依がメリエルやミレーユに対し、その存在を抹消してしまうことをためらったのは事実だったのだ。


「……実は私たち、唯依くんが寝てる間にいったん目を覚ましてたの。それでふたりで相談して、このことはなかったことにしちゃおうって。唯依くんがショックを受けるだろうと思って」


 そう言ってから真柚は不本意そうな顔をする。


「なのに唯依くんってば、あんな詐欺みたいなことでお姉ちゃんの優しさを台無しにするんだもん」

「だからすぐにバレると言いましたのに」


 舞以は楽しそうだった。


 おそらく舞以のほうは本当に隠し通せるとは思っていなかったのだろう。

 下手をすれば、こうしてショックを受ける真柚を見たくてとりあえず賛同したという可能性さえある。


 ただ、唯依は暗い表情のまま視線を落として言った。


「……ごめん。ふたりとも」


 なんでもないことのように振る舞ってはいるが、つまり主導権が移っただけで元には戻っていない。

 彼女たちは今、ふたつの人格と記憶が混在したままの状態なのである。


 それがどういう感覚なのか、唯依にはわからない。

 ただ、ふたりが今までのふたりでいられなくなってしまったことだけは確かだった。


 しかし、舞以はそんな唯依の言葉に不可解そうな顔をする。


「なぜ謝るんです?」

「だって僕のミスだ。ためらっちゃいけないって、そう自分に言い聞かせてたのに」


 唯依としては当然の謝罪だった。

 が、しかし。


「謝る必要はないですよ、唯依さん。……いいえ、むしろ感謝したいぐらいです」

「そうだよ、唯依くん。私たち、本当にこれでよかったと思ってるんだから」

「……え?」


 唯依はびっくりして顔を上げ、真柚を見る。


「だって、そのおかげで本当のことが知れたんだよ? 私たちのお母さんのこと。それに唯依くんが私たちを助けるのに一生懸命になってくれたことも。ね?」

「……」


 舞以を見ると、彼女も小さくうなずいていた。


「私たち自身も、私たちの中のメリエルとミレーユも、唯依さんには本当に感謝しています。ですから謝る必要なんてこれっぽっちもありません」

「でも……それで平気なの?」


 それでも唯依が不安そうな顔をすると、舞以は再びおかしそうに笑って、


「大丈夫ですよ。私も真柚さんも、ビックリするぐらい母娘でそっくりの性格していますから。実際ほとんど違和感はないんです」

「……えー、そうかなぁ。メリエルは少なくとも舞以ちゃんみたいなドSじゃなかったと思うけど」

「誤差の範疇です。でもミレーユは真柚さんと同じぐらいに能天気でしたね」

「母娘まとめてバカにされたッ!? ……ちょっとメリエル! あなたの娘でしょ! ちょっとは手綱押さえときなさいってば!」


 と。

 そんな舞以と真柚のやり取りに、唯依は思わず笑ってしまっていた。


「……ありがとう、ふたりとも」


 それが正しいことだったのかどうかはわからない。

 しかし、以前とほとんど変わらないそのやり取りに心が軽くなったことは事実だ。


 そしてなによりも。


「……父さんもきっと、こうなることを望んでいたんだ。だから」


 また目の奥が熱くなる。

 声が震える。


「できればメリエルさんもミレーユさんも、もちろん君らふたりも、みんな一緒に幸せになって欲しい。それが父さんたちへの供養にもなると思うから」

「唯依くん……」


 つられて真柚が泣きそうな顔をする。


「……そうですね」


 舞以も同調してうなずいた。


「それにはまず、重婚できるようにこの国の法律を変える必要があります。担当は曜日ごとの振り分けでどうでしょう? もちろん私が月水金の3日担当で」

「舞以ちゃんアグレッシブすぎ! いい雰囲気ぶち壊しだよ!」

「はは……」


 苦笑する唯依。

 そうしんみりする必要もないのかもしれない、と思った。


「それは置いとくとして、唯依さん」


 と、舞以が急に真剣な顔をする。


「私と真柚さんはそれでいいのですが、亜矢さんは……アイラはどうなっているでしょうか。それが少し心配なところです」

「……そうか。亜矢にもその可能性があるんだ」


 真柚と舞以のふたりは、母親に主導権を握られていたときから両方の人格が残っていた。

 だからこういう状況になってもそれほど違和感なく過ごしていられるのだ。


 しかし亜矢の場合は違う。

 亜矢だったころもアイラだったころも、互いの人格や記憶にまったく影響されない状態だった。


 もし真柚や舞以と同じように融合してしまったのだとしても問題があるだろうし、最悪、主導権が亜矢に戻っていない可能性も考えなければならない。


 舞以は考え込みながら、


「……唯依さん。アイラの様子はどうでした?」

「どう、っていうのは?」

「唯依さんと戦ったときの様子です。彼女は私のお母様……メリエルやミレーユ、ユミナと比べても、一番あなたのお父様に依存していましたから」

「ああ……」


 最後のアイラの言葉を思い出す。


「そういえば僕の父さんのこと、自分にとっては太陽のようなものだったって言ってたっけ……」


 彼女が抱えていた強烈な想い。

 それはあるいは、亜矢との間でとてつもない競合を起こしてしまうかもしれない、と、唯依は思った。


 ……と。そのとき。


「!」


 ガチャ、という音に3人が同時に反応する。

 病室の空気がピンと張り詰めて。


 ドアがかすかにきしむ音。

 緊張に、唯依がのどを鳴らした。


 そして。


「……おはよう、亜矢」


 平静を装ってそう言った唯依の視線の先。


「……」


 パジャマ姿の亜矢が無言のまま、怪訝そうな顔で3人を見つめていた。


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