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あべこべ世界でのランナー ~マラソン日本記録保持者が女性過多で貞操観念も逆転した世界線に転移し無双する~  作者: アサノ霞
第1章 転移編

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第5話 一緒に練習

 翌日(1月25日㈭)、病院からの許可が下りて、再び総合運動公園に走りに行った。毎回、病院から許可を取るのは少々面倒だが、男性が少ないこの世界では仕方ないのかもしれない。


 同行者は朱里(旧姓:佐山)だけで、奈月(旧姓:沖)は当直のため、同行できなかった。とても残念そうだった。


 大舘さんらの練習の邪魔をするつもりはないが、合同練習の打診はしておきたい。


 しかしながら、僕と朱里は大舘さんの連絡先を知らないので、朱里が大学に連絡をしてくれて、大舘さんと連絡が取れた。


 今日の練習メニューから、一緒に練習をするのは構わないのだが、僕に色々指導をお願い出来ないか?と打診されたので、僕は快諾した。


 大学陸上部の練習開始が17時過ぎになるとのことだったので、僕たちはその時間に合わせて向かった。


実は朱里は「東相大学」の卒業生であり、大学には顔が利くとのことだった。


 僕らが到着すると、すぐに大舘さんら大学陸上部のメンバーも姿を現した。僕は大舘さんに挨拶した。


「こんにちは、大舘さん。部員の皆さん、よろしくお願いします」


 僕は皆に手を振り笑顔で挨拶した。皆、驚いた表情をしていたが、直ぐに手を振ってそれに応える。そして、大館さんは僕と朱里の左手薬指にはめられた指輪に気づき、驚いた様子で僕と朱里を交互に見た。


「こっ…こんにちは、甲斐田さん、佐山……旦那様…よろしくお願いします」


 大舘さんも挨拶を返してくれた。


 ん? 旦那様? それって朱里のことかな? 朱里は体をもじもじさせながら赤面し、とろけた表情で僕を見つめながら呟いた。


「えへへ……旦那様だって~」


(ん? 男女の立場が逆転した世界だから、女性が「旦那様」で、男性が「奥様」になるのか?)こんな些細なことも逆転しているのだ。


 今日の練習は、学生部員たちとは練習メニューや方法が違うため、特に一緒にやるわけではないが、準備運動だけは一緒にさせてもらった。


 準備運動では、しっかりと静的ストレッチをするようだ。しかし、一緒にやった感想としては、かなり古いやり方で、これではケガの原因にもなりかねないと感じた。大舘さんに相談してみたところ、了承してくれたので、僕が実践しているストレッチを一つ一つ丁寧に説明しながら実施することにした。特に股関節周りの可動域を広げることに力説した。


 部員たちは驚いていたが、体もだいぶほぐれたようだった。全体の半数近くが少し体が硬いかなと感じた。可動域を広げることはとても重要だ。

朱里も一緒にストレッチをしたが、とても体が柔らかくて驚いたので、彼女に尋ねてみた。


「朱里、もしかして何かスポーツしてた?」


「はい!  格闘技をしてたんですよ~。こう見えても~私って、強いんですよぉ~!」


朱里はにっこり笑いながら、ぐっと拳を握り締めて見せた……。めっちゃ可愛い!


「どうりで・・・僕もそれなりに柔らかい方だと思うけど……それでも朱里ほどじゃないね」


「私もダーリンがこんなに柔らかいなんて知らなかった~」


 奈月と朱里の二人とは、互いに敬語を使わず、ファーストネームで呼び合うようにした。ただし、朱里に限っては僕のことを「ダーリン」と呼ぶようになったのである。嬉しいやら恥ずかしいやら………。


僕らのやり取りを見ていた大舘さんが、僕と朱里に話しかけた。


「とても仲の良い夫婦ですね。羨ましいです」


「えっ?!」


僕と朱里は顔を見合わせた。朱里は頬を紅く染め、フフフ……と笑っている。僕もつられて笑った。

その後、準備運動も終わり本格的に練習に入ることになった。


練習に入る前に大館さんが僕に近寄り、話しかけてきた。


「甲斐田さん、今日は10キロジョグですが、よろしければ一緒に走りませんか?旦那様もよろしければ、ご一緒に…」


大舘さんは頬を紅く染めながら誘ってくれた。


 朱里は「旦那様」と言われたのが余程嬉しかったのか、茹でタコのように顔が赤くなり、にへら〜と、だらしなく緩んだ表情をしている。そんな朱里を横目に見て僕は二つ返事で了承した。


「はい! ぜひともよろしくお願いします」


「あっ…ありがとうございます!」


 大舘さんは笑顔でとても嬉しそうだった。後ろにいた部員たちもハイタッチをしながら喜んでいた。


 最初に体を温めるため、アップ走としてウインドブレーカーを着たままトラックを5周走り、その後、ウインドブレーカーを脱いで下に着ていたユニフォーム姿になった。


 僕は先日と同じヘソ出し姿だったが、皆、僕のユニフォーム姿を見て頬を染めながらガン見していた。この世界では貞操観念が逆転しているので仕方ないが、女性からの熱い視線には少しずつ慣れていく必要があると感じた。


 大舘さんもジョグに参加するためユニフォーム姿になったが、部員たちと同じセパレートタイプのユニフォームで、引き締まったウエストにキュッと上がった美尻、そして長い美脚が際立っていた。その美しい体に思わず見とれてしまった。


 ウィンドブレーカーを脱いだ朱里もなぜか? セパレートタイプのユニフォーム姿だった。トップは丈が胸元までの短い白地で、襟首と袖口に紺色のラインが入ったTシャツ、下は腰骨までのローライズの紺色地に横に2本の白色ラインが入ったビキニタイプのパンツだった。


 どう見てもそのセパレートタイプは、ヘソ出しのコスプレ体操服にしか見えない。特にパンツはまるで《伝説のブルマ》にしか見えなかった。


 童顔の朱里にとても似合っていて、可愛らしく何とも言えない魅力があった。それだけでなく、細く引き締まったウエストに見事な胸部装甲、腹筋は見事なシックスパックで、ほっそりとした美しい脚の筋肉にも圧倒された。僕は思わず二度見してしまうほどで、つい口に出てしまった。


「カワイイッ!  最高〜!」


「えっ!!……は…い…」


朱里は驚きつつも、頬を紅く染めながら内股になって俯いた。


 本日の練習メニューは、大舘監督による5分10秒/㎞ペースでの10㎞ジョグだった。僕が先頭に立って設定ペースで皆を引っ張ることにした。数日振りのランニングだったが、僕にとってはこのイージーペースが程よく眠っていた体に刺激を与えてくれた。


 一定ペースで周回したが、流石は大学陸上部だけあって、部員たちは遅れることなく余裕で10㎞を走り切った。


大舘さんも元選手らしく、このペースでも全く息切れしていなかった。


「先日の走りもそうですが、甲斐田さんは、無駄のない素晴らしいフォームですね(素敵なお尻)」


大舘さんが話しかけてきたが、最後の一言は小声だったため、あまり聞き取れなかった。


「大舘さんこそ、とても良いフォームでしたよ」


 お互いに笑顔で健闘を称え合った。そんなやりとりをしている内に、2分程遅れて朱里がゴールして来た。朱里は何とか走り切れたものの、ゴール後は四つん這いになって余裕はなかった。


 しかしながら…ゴール後に息を切らしてゼーハーする朱里は、何とも言えないエロさがあって…とても可愛いかった。

(朱里は…どれだけ僕を萌え○にさせるんだ~!)


 走り終わった後、そのまま終了する様子であった為、僕は又大舘さんに仕上げの筋トレとストレッチを提案した。


「大舘さん、このまま終わってもいいのですが、ここはやはり仕上げとして筋トレとストレッチをしっかりとやった方が良いと思うのですが…」


「甲斐田さん!ご指導お願い出来ないかしら?」


大舘さんは若干驚いた表情を見せるも、僕の提案を了承してくれた。

円形に広がり、フィジカルトレーニングの一環として僕の指導の下、体幹トレーニングを皆に説明しながら共に行った。


 大舘さん含めて皆とても驚いていた事から、この世界では体幹トレーニング自体が存在していないのだろうか。最後はもう一度ストレッチを入念に行った。ランニングで温まった体は、より柔軟になっており、股関節のストレッチは再び好評だった。


 その後は更衣室でそれぞれ着替えをすませた後に、僕と朱里は大舘さんに挨拶をして病院に帰るつもりであったのだが、大舘さんは頬を赤く染め、両手をモジモジさせながら僕と朱里に話しかけて来た。


「かっ甲斐田さん、あの~その~この後のご予定とかは…どうなのでしょう? もし宜しかったらなんですけど~、皆と一緒に食事でもいかがでしょうか? あっ! その……下心とか…じゃなくて…食事でもしながら甲斐田さんのトレーニング理論を色々とお聞きしたいし、その~お時間があれば、なんですけど……旦那様もご一緒にどうですか?」


(えっ!え~! 誘われてる? って誘ってるのか! 照れた姿もめっちゃ可愛い~~!)


 隣りで聞いていた朱里がすぐに間に入って大舘さんに威圧を向ける。大舘さんはその威圧にたじろぐが、僕が間に入って制止する。朱里に確認してみると、病院からの許可が下りれば問題ないとの事だそうで、早速朱里が病院に確認の電話をする。


 電話中も朱里は、大舘さんから目を離す事はなく威圧感が半端なかった。僕的には護衛が遠目ではあるが、警戒してくれているので問題ないのでは?と思うが、朱里なりに僕の事を心配してくれてるのであろう。


 暫くすると病院からの許可が下りたので、僕は大舘さんに一緒に食事に行く事を了承する。


「大舘さんいいですよ」


後ろに控えていた部員達が皆驚喜と共にハイタッチをしていた。


 その後は大舘監督の案内で近場のファミレスで部員の皆と共に食事を楽しむことになった。それぞれ自己紹介の後、楽しいひとときを過ごし、新しい仲間たちとしての交流を深められた。

詳しくは話せないが、僕が24歳で妻が奈月と朱里の二人であり、数日前に婚姻した事に皆驚いていたが、大舘さんのみは特に驚く事はなかったのである。

 

 皆と色々話した事により、朱里より大舘さんへの警戒心も解け、食事が終わる頃には「朱里」「クーちゃん」と、互いにファーストネームで呼び合う仲にまでなっていた。


 僕も朱里との仲も深まり、朱里の格闘技経験についてもさらに詳しく聞く機会が得られた。朱里は高校生の頃にレスリングでオリンピックの金メダリストとなり、その後はプロのキックボクシングと総合格闘技へと主戦場を変え、そこで無敗のチャンピオンだったそうだ。連勝記録と防衛回数の記録保持者でもあるとの事。

昨年に婚活の為、突如引退したのだが、かなりの有名人であり、大舘さん含め学生らは朱里の事を知っていた。

(成る程~それで大学には顔が利くのか~)と納得した。


 食事中は僕の実践しているトレーニングと、その理論について大舘監督と長い時間話した。大舘さんと学生部員たちにとっては、僕の実践しているトレーニングは、こちらでは全く新しいトレーニング理論とアプローチとなるので、大舘監督は特に熱心に質問をしてはメモを取りながら、僕のトレーニングメソッドについて詳細を知ろうとしていた。


 大舘さんにとっては、僕の実践しているトレーニングメゾットが、選手たちのパフォーマンス向上に寄与するかもしれないことに期待していたからだ。

僕は惜しげも無く、その知識を提供した。大舘監督は目を輝かせて歓喜の眼差しを僕に向けた。


「素晴らしい! 甲斐田さんのトレーニングメゾットこそが、陸上競技に新しい風を吹き込むことになるかもしれない!」


 また、朱里も僕のトレーニング方法に興味津々で、自身の競技経験から全く新しいものであるとの事でした。


「ダーリンのトレーニング理論は、あらゆるスポーツに効果がありそう!」


朱里は目をキラキラさせて、僕に尊敬の眼差しを向ける。


 大舘さんとの話しの中で、この世界では“R式トレーニング”、“D式理論”、“TBT式トレーニング”、“体幹トレーニング”も存在してなかったのである。


 こちらの世界でのトレーニング方法は、元の世界ではとても古いやり方である。それでもこの世界での女子スポーツの記録は、元の世界での記録とほぼ同じである!と言う事は…僕が実践しているトレーニングをすれば、選手らのパフォーマンスは更に向上するのではないかな?


 食事会も終わり、僕と朱里は帰路に着く。僕を病室まで送った後に朱里は帰宅した。今日の練習会とその後の食事会に依って、僕は新たな仲間達が増えた事がとても嬉しかった。


 病室のベッドに座りながら今日の出来事を振り返る。大舘さんと学生部員たちとの交流、トレーニング方法についての情熱的な議論、そして朱里の格闘技の経歴について知ることができたこと――全てが新鮮で刺激的だった。


 特に、朱里の格闘技の経験には驚かされた。オリンピックの金メダリストからプロのチャンピオンまで、その実績は圧倒的だ。彼女の柔軟性や体力、そして闘争心には感心せずにはいられない。更に、大舘さんが僕のトレーニングメソッドに興味を示し、その効果に期待してくれていることも嬉しかった。


 病室の窓からは綺麗な星空が美しく広がっている。静かな時間の中で少し疲れた体を休めながら、明日への活力を感じていた。


「お疲れ様、練習は楽しかった?」


奈月が病室に入ってきた。


「うん! 楽しかったよ」


と僕は笑顔で答えた。


「そう、それは良かったわね」


と、奈月は微笑ましい表情で僕に “おやすみ” の口づけをしてくれた。

 

 この世界線で生きていく覚悟を決めた僕は、新たに妻となった二人と共に、これからも歩んでいく。僕は心躍らせながら眠りについた。



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