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あべこべ世界でのランナー ~マラソン日本記録保持者が女性過多で貞操観念も逆転した世界線に転移し無双する~  作者: アサノ霞
第1章 転移編

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第4話 婚姻

 暫くフリーズしていた三人は、数十秒後にようやく意識が戻った。


 話を聞くと、ドラマや映画の世界でしか見たことがない男性からのプロポーズを受けたことで、嬉しさから現実に気持ちが追い付かず、フリーズしてしまったらしい。こちらの世界では、主に女性からの求婚か親同士が決めた政略結婚が一般的であるとのことだった。


 僕からのプロポーズを受けた沖さんと佐山さんは、泣きながら僕に抱きつき、OKをしてくれた。

北川さんももらい泣きをしていた。


 早速僕は北川さんが用意してくれた婚姻届に必要事項を記入し、サインをした。続いて奈月と朱里も同じように記入しサインした。

ちなみに僕の現住所は病院としておいた。


 役所に婚姻届を提出する前に、沖先生と佐山さんのご家族に挨拶をしたい旨を伝えると、北川さんを含めた三人が驚いた表情をした。


 北川さんの説明によると、こちらの世界では、婚姻前に両親に相手の男性を紹介する習慣はなく、婚姻後も政略結婚を除き、両親や親族への挨拶はほとんど行われないのが常識であるという。


 北川さん曰く、両親への挨拶は100歩譲って仕方ないとして、親族への挨拶はすべきではない、と止められたのだ。

理由としては、婚姻を知った親族らが、その相手男性と関係を持ちたいが為に、あらゆる手段を用いてアプローチをしてくる等、トラブルに発展する可能性があるとの事である。


 例えば、何かと理由をつけては、こぞって新居に押しかけてくる事案などが挙げられるそうだ。そういった行為は『男性保護法』に依り禁止されているのだが、守らない者も少なからずいると云う。


 所謂、少ない男性の取り合いが始まり、更なるトラブルに発展してしまう可能性があるとの事である。北川さんは両親と姉妹のみの挨拶に留めるべき、と僕に強く勧めたのである。


 僕は北川さんのアドバイスを受け入れ、二人の両親と姉妹のみの挨拶に留める事にした。婚姻届を提出した後、日を改めて沖さんと佐山さんに日程を調整してくれるようお願いした。


 因みに、こちらの世界線では “結婚式” や “披露宴” といった類はないそうだ。過去に実施しようと計画した者がいたそうだが、国から強制的に中止させられたそうである。

その人物は、間違いなく『稀人』なのであろう。


 婚姻届について、僕が直接役所に届けたい旨を北川さんに伝えると、彼女は目を丸くして驚いていたが、奈月さん(沖さん)、朱里さん(佐山さん)と保証人の北川さんが付き添い、護衛2名も同行することで了承された。


◆◆◆◆

 

 翌日(2018年1月23日㈫)、僕たちは市役所に婚姻届を提出しに行った。市役所の職員(女性)や訪れていた人たち(女性ばかり)は、市役所に訪れた僕にとても驚き、好奇の目に晒された。

予め北川さんが市役所に話を通してくれたおかげで、僕が24歳で独身である事実に特に疑問を持たれることはなく、婚姻届の手続きは粛々と行われた。


「本当に……こちらの女性たちとの婚姻で間違いないですね?」


市役所の担当職員(女性)は何度も僕に確認をしてきた。


「間違いありません」


 僕は何度も同じ質問に繰り返し答えた。それでもこの女性職員は僕たちを見て何度も繰り返し聞いてきたが、僕は落ち着いて答えた。なんとなく、担当する女性職員の目が、妻となる二人に対して殺意が込められているように見えるのは、気のせいだろうか。


担当職員は更に質問を繰り返す。


「甲斐田さんには他に家族はなし……こちらのお二方とのお見合いでもない。それで……知り合って僅か一か月足らずで婚姻ですか!! いったい何でそうなるのか理解に苦しみますし、とても信じられないのですが……」


 担当職員は、明らかに動揺していて、私的な感情まで剥き出してくる始末。僕は担当職員に近づき目をジッと見つめて、まるで“誓いの言葉”でも発する様に質問に答えた。


「人を好きになるのに時間は関係ありません。僕は奈月と朱里を愛してますし、ずっと一緒に居たいから結婚するのです。この二人を生涯愛し続けます」


「えっ?!」


 担当職員がとても驚いた表情でフリーズした。

数十秒後に再起動した担当職員が無言で婚姻届けの手続きをし始め、僕への聞き取り確認作業を終える。何となくだが、担当職員が悲しそうな眼をしていたのは気のせいだろうか。


 予め北川さんが市役所に話を通していたとはいえ、最後に僕にのみ確認を取らなければならないらしく、その確認作業を市役所担当職員はしていたのだ。通常、男性は代理人弁護士か男性保護庁職員に依頼して市役所での手続きを済ませるらしいが、僕のように直接本人が市役所に出向いて届け出を提出するのは極めて稀なケースであるという。


 中には、悪意ある女性によって洗脳されてるケースもあるので、担当職員は何度も同じ質問を繰り返しては、しっかりと確認をしていると北川さんは説明してくれた。男性に関わる手続きであり、間違いがあってはならないため、職員が何度も「しつこく」確認してきたことに納得した。


 1時間程してから『婚姻届受理証明書』という書類を渡された。その書類は婚姻届が間違いなく受理された証であるという。


 妻の順位についてだが、こちらの世界では嫡妻ちゃくさい(第1夫人)、側妻そくさい(第2夫人以降)といった位が設けられている。僕は平等に愛するつもりなので、そんな順位は必要ないと言ったのだが、下位の妻だから不利になったり、上位の妻より差別されるといったことはないそうだ。これは昔からの名残りであり、制度上仕方がないとのことだそうだ。


奈月(沖)を嫡妻、第1夫人、朱里(佐山)を側妻、第2夫人として登録した。


 姓に関しては、こちらの世界では夫婦別姓が認められていて選択制となっているが、二人とも“甲斐田”姓に改姓した。


 奈月(沖)は双子(二卵性)の姉が家督を継ぐため改姓しても問題ないとのこと。

朱里(佐山)に至っては、佐山姓は父方の姓で、その父親は既に他界しているのもあって、佐山姓に愛着はなく改姓するのに問題はないとのことだった。


 婚姻届が提出されたことで、奈月と朱里の二人は、晴れて僕の妻となった。北川さんや護衛の女性たちから「おめでとうございます」と祝福された。市役所の職員や他の訪問者からも祝福された。奈月と朱里は、泣きながら僕に抱きつき、とても喜んでいた。


「奈月さん、朱里さん、これからも末永くよろしくお願いします」


 僕は二人を抱き締めながらそう言った。それを聞いた二人は、フリーズした後に失神してしまった。


 数分後、二人がようやく目を覚ました。奈月は真っ赤な顔をして照れ隠しの笑みを浮かべる。


「ごめんなさい、こんなに嬉しいのは初めてで……」


朱里も、まだ少しぼんやりした表情のまま、僕の手を握り返す。


「夢のようで信じられません。これからもずっと一緒にいられるなんて……」


僕は微笑みながら二人を見つめ、心の中で新しい家族の始まりを感じた。


◆◆◆◆◆


 翌日(1月24日㈬)、僕は奈月と朱里を伴い、近くのショッピングモールに買い物に出かけた。もちろん2名の護衛も同行している。


 奈月と朱里はそれぞれ僕の腕に絡みついて歩く。ショッピングモール内は女性が多く、僕は好奇の目に晒され、中には呪詛めいた視線や性的な視線を送ってくる者もいた。


 僕は私服を持っていないので、ウインドブレーカー姿である。奈月と朱里はそんな僕に合わせて二人ともウインドブレーカー姿である。


 そして、同モール内で数人の男性を見かけた。おそらく妻なのか、皆一様に5~6人程の女性に囲まれて歩いていたが、その男性たちはとても堅い表情をしていた。こちらの男性は、皆イケメンなのだが身長が150㎝程と低く、ほっそりとした華奢な体型で色白だった。


僕を見かけた男性たちは、周りにいる妻たちと共にとても驚いた表情をしていた。どうやら、この世界では僕のような高身長の男性は珍しいようだ。


 僕らが周りの視線を受けていることについて二人に尋ねると、高身長で筋肉質なイケメンと腕を組んで歩いている姿が珍しく、羨ましがられているのだろうということだった。


 結婚指輪を購入すべくジュエリーショップに入ったのだが、店員(女性)は一様に驚き、僕をガン見してから数十秒程フリーズした。再起動した店員に相談しながら僕と二人の妻たちでリングを選び、指のサイズを測ったりした。


 そしてシンプルな同じデザインのリングを僕が購入し二人にプレゼントした。二人共驚きと共に涙を流しながら喜んでくれた。何故かジュエリーショップの店員たちも涙を流して喜んでいた。


 その後は衣料品店や雑貨店などを巡り様々な物を購入したり、レストランで食事をしたりと、妻たちとの “デート” を共に終始笑顔で楽しんだ。妻たちは僕の趣味や好みを尋ね、僕も二人の趣味や好みを知ろうとした。


たくさんの笑顔が交わされ、少しずつ互いの距離が縮まっていくのを実感し、とても充実したひと時を過ごせた。


 因みに買い物と食事代は、当初は妻達が支払うといったのだが、僕が全て支払った。実は国から “結婚準備金” として、かなりの額が支給されていたのだ。僕的には働かずにこの金額を受取るのは気が引けるし、返金を願い出ても取り合ってくれなかったので、今日のデート代に充てた次第である。


その日の買い物を終え夕方には病院へと帰った。


病院に着くと、北川さんが訪れていて出迎えてくれた。彼女もまた僕たちの帰りを心待ちにしていたようだった。


「お帰りなさいませ。デートは楽しめましたか?」


北川さんの問いに、僕は笑顔で答えた。


「ええ、とても楽しかったです。二人も喜んでくれたので、よかったです」


そう言うと、奈月と朱里も微笑みながら頷いた。


 北川さんは、新居へ引っ越しをする時間帯などの打ち合わせと、僕にスマホを渡しに態々訪れてくれたのだった。このスマホは国から特別に支給された物であるという。

10分ほど打ち合わせをしてから北川さんは帰った。


その夜、僕たちは買ったばかりのリングを交換し、改めて結婚の誓いを立てた。これからも三人で共に歩んでいくことを約束し、僕たちは新たな生活をスタートさせた。


 この男女比がいびつな世界で、二人の妻と共に幸せな日々を過ごしていくために、僕は全力で向き合っていくことを心に決めた。

転移したこの世界で、二人の妻と共に歩む新しい人生が、どんなものになるのか期待に胸を膨らませながら、これからの生活が楽しみであると感じた。



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