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- 5 - 神姫バス 新宮駅前~山崎

高速神戸>>山陽明石>>明石港>>岩屋港>>淡路IC>>洲本IC>>洲本>>志筑>>竹屋>>伊弉諾神宮前>>高速舞子>>舞子公園>>山陽姫路>>姫路>>播磨新宮【桜、楓花、カメリア、ひまわりの現在地】

四人はJR播磨新宮駅の新宮駅前の小さなバス停の待合所に立っていた。

13時58分発、神姫バス・山崎行きがやがて来るはずだ。曇り空の下、駅前の広場にはどこかのんびりとした空気が漂い、地方の小さな町らしい落ち着きがあった。


ひまわりはぼんやりと遠くの空を見つめ、ぽつりとつぶやく。

「雲、多いなあ……」

楓花はスマートフォンを手に時刻表を何度も確認しながら、静かに答える。

「そろそろ来る時間だね」

カメリアは静かに、だが注意深く、周囲の町並みや建物の様子を観察していた。小休止の時間でありながら、四人それぞれの目は好奇心でしっかりと町をとらえていた。


定刻よりわずかに遅れてバスはゆっくりと到着し、後部のドアから乗り込む。

座席に腰を下ろすと、四人は少し緊張をほどくように体を沈め、やがてバスは動き出した。

さきほど歩いてきた道を辿りながら、バスは新宮東口のバス停に近づいていく。ここはまさに新宮八幡神社の近くで、参道や木立が視界に入った。ひまわりは窓に顔を寄せ、神社の緑や石段をじっと見下ろす。


桜はバスの車窓から流れる町並みを見ながらつぶやく。

「さっき歩いた神社のそば……あそこから乗っとけば、歩かんで済んだや」

楓花は軽く苦笑しつつ応じる。

「うん、時間の使い方って、いつも悩むものね」

自分の立てた移動ルートが、より効率よくできたことに、少しだけ惜しさを感じているのだ。


やがて市街地を抜けると、窓の外に揖保川の堤防や川岸の田畑が広がってきた。曇り空を映す水面は淡く揺れ、わずかな光を反射して、静かな輝きを放っている。

カモが岸辺をのんびりと泳ぎ、アオサギがじっと水面を見つめて佇んでいる。川沿いには小さな草花が彩りを添え、季節の移ろいを静かに告げていた。


ひまわりは身を乗り出し、窓に顔を近づけてその光景を吸い込むように見つめた。

「見て、カモが泳いでる!水面の光もめっちゃきれいやん!」

彼女の瞳はきらきらと輝いていた。


「揖保川沿いは、地形的にもとても面白いわ」

カメリアの声は柔らかく、しかし的確だ。

「河岸段丘がはっきりしているから、集落がどのように発展してきたのかも分かるの」

四人の視線は、川面に揺れる光と岸辺の緑に交互に向けられる。


バスは揖保川沿いの道をしばらく進み、小さな橋や水門、畑や民家が次々と現れる。曇り空の光がすべてを柔らかく包み込み、穏やかな川の流れと町の営みが、ひとつの景色として心に染み入る。


ひまわりは窓に頬を近づけ、小さな声でつぶやく。

「この川、季節によって景色ぜんぜん違うんやろな」

「ええ、洪水や氾濫の歴史も、この地域の発展に大きく関わってきたのよ」

カメリアが静かに補足する。


楓花は堤防沿いの小道を目で追いながらつぶやく。

「列車だと見えない角度の景色が見られるのがいいな」

低い視線でゆっくり流れる風景の中に、バス旅ならではの発見があった。


川岸にはアオサギが一羽、まるで時の流れを見守るかのようにじっと立っている。カモは波紋を立てながら泳ぎ、川の反射に柔らかく光る。

四人はそれぞれの目線で、この揖保川の穏やかな日常を心に刻んだ。しばらくの間、誰も言葉を発さず、ただ窓の外の景色に心を預ける。曇り空に揺れる光と水面の波紋が、微かな安らぎと旅の時間の重みを感じさせた。


やがてバスは再び市街地に入り、宍粟市の中心、播磨山崎に近づく。

中国自動車道の下をくぐり、14時55分、終点の山崎バス停にほぼ定刻どおり到着した。ドアが開くと、少し湿った曇り空の空気が車内に流れ込み、四人はゆっくりと降り立つ。

バスから見た揖保川の景色は、静かな水面に映る光、川岸の草花や佇む鳥たちの姿とともに、心に鮮やかに残っていた。穏やかな川の流れと町の息遣いを感じながら、四人は次の移動へと足を進めるのだった。

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