表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

plrologue

 長い黒髪の少女……と言うには少々トウがたった女性が叫ぶ。

 それは肉声では無く、ベースの重低音であったが。

 それでもそれは僕の心に突き刺さるかのようだった。

 Tシャツにブラックジーンズという普通の出で立ちだったが、彼女の細い長身にはそれが不思議と決まって見えた。

 唯一、〝それっぽい〟のは首から下がったシドチェーン。

 汗を飛び散らしながらベースで歌うその姿は何か、訴えかけるものを感じさせた。

 格好いい。

 素直にそう思った。

 そう思ったその直後にはボーカルの子がステージ上で煙草を吸おうとして退場させられてたけど。

 漏れ聞く声からはどうやら未成年だったらしい。

 やっぱり、少女でよかったのだろうか。

「カイリ」

 そう呼ぶ声に手を振って、僕は立ち上がる。

 最後、目があったそのベースの少女は、苦笑の表情を浮かべていた。

 私がバンドに入ろうと思ったのは、わけが無い。

 楽しみたかったから。

 だから、不必要に仲良しこよしなポップバンドとか、プロを目指す気満々な熱心なロックバンドには最初から興味が無かった。

 だからこうして気が向いたときにベースやギター、スティックを取り、それ以外のときは部屋の隅っこで煙草を吸ってるだけのこのバンドは気に入っている。

 私はそも、ライブで楽しめれば良いのだ。

 それは皆同じ見解のようで、ことライブとなると何も言わずにこの部室に集まる。

 中途半端な、パンク。

 別に衝動があるわけでも、何か社会にしてやろうという気も無い。

 ファッションパンクだからなんだ。

 楽しめればいいのだ。

 だから意外とみんな私生活では真面目なヒト。

 そうでも無ければ女子大になんて入れないだろうし。

 だからきっと、そんな閉鎖的な空間で貯めた鬱憤を晴らしたいのだろう。

 だから、笑えることに貼ってあった勧誘のビラにもこういう風に書いてあった。

 〝君も飛び込んでみないかい?〟

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ