ローズの収穫が始まりました
ローズのエッセンシャルオイルの生産が始まった。今年はローズウォーターも売りに出すし化粧水やクリームも販売するのでオイルの生産を去年より増やすと聞いていたので人手が大丈夫なのか心配したが、
「領主様からローズやラベンダーを増やせないか一年前から打診があり、人手も足りるように手配しているので大丈夫ですよ」
と工房ギルドのギルド長から言われた。
収穫する一か月前までに商会を立ち上げたり、商会で扱う化粧水やクリームのことにしか頭になく人手のことを考えてなかった。
ギルド長、お父様、本当にありがとう!
そして、20日間の収穫とオイルの生産が無事に終わった。本当に無事に終わって良かった。
これからが私の本番だ。エッセンシャルオイルとローズウォーターを分析魔法で不純物がないか確認し、エッセンシャルオイルを数十本とローズウォーターを工房ギルドから購入する。
最初、ローズウォーターを工房から直接購入しようとしたが数が多い為、一つの工房では間に合わず工房ギルドに入ってもらい購入することになった。もちろん、手数料はかかるが、このほうが一つ一つの工房と契約するより楽だった。ただ、品質は私の分析魔法でチェックし大丈夫なもののみ購入する子になっている。
エッセンシャルオイルは元々、魔術師協会が工房ギルドから購入していることもあり、子爵領でも工房ギルドから購入することにした。領主特権で工房から直接でもとは思ったが、魔術師協会と下手に喧嘩になるのもどうかと思い、そうなった。
エッセンシャルオイルを希釈オイルで薄めて精製水を足して化粧水を作る。それ以外にも、精製水の代わりにローズウォーターを使用したもの、ローズウォーターのみのも作成する。販売する商品は3種類だ。
作成場所は新たに子爵邸の横に作った工房だ。
最初は邸の一部屋を借りて作っていたが、大量に作るため材料と出来上がったものを置くと狭くなってしまい、新たに工房を建てた。
また、希釈オイルは前世で使っていたホホバオイルが見つかりそれを使っている。
前世と同じものを探そうとするとなかなか見つからなかったりするが、見つかって良かった。
ただ、クリームの基材はなかなか見つからなかったが、領都の西にある小さな町でこれは!というクリームを作っている工房が見つかったので契約し購入している。精油も入れてクリームを作ってもらっている。
ただ、小さな工房だったため、量が作れず、精油入りのクリームは200個程と数量が限られている。
出来上がった商品を確認してお母様のところに届けるとお母様に王城に届ける日程を教えてもらった。
貴族の方々に販売するのは少し先だが、先に王城の王妃様、王女様に届けることになっている。
「王妃様からいつ出来上がるのかしらって連絡を頂いていて、出来上がってすぐにということで明後日午前中に伺うことになったわ」
「ラベンダーとローマンカモミールは収穫があと1か月遅いのでその後になりますがよろしいですか?それとも昨年の精油を使用したクリームが残っているのでサンプルとしてお持ちしますか?」
「そうねぇ。サンプルで持っていきましょうか」
さすがにフローラルウォーターはないので、作れる化粧水も限られるがそれでもいいそうだ。
クリームは3種類を持っていくことになった。
「今回はあなたも行くのよ」
「私もですか?」
「ええ、王妃様から作った本人から説明が欲しいわと言われているのよ」
大事なことはもっと早くいってほしかった。
「あら、言ったわよ。化粧水作りに夢中で聞いてなかったけど」
「それは…化粧水作り以外の時に言ってくれれば良かったのでは」
「だって、最近はずーっと化粧水作りで忙しそうにしていたから」
あぁ、王城に行くことはとっくにお母様の中でも決まっていたのね。