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4/5

1.現れたのは。

ここから第1章。

短いですが、キャラの濃いのが出ます(;^ω^)









 ――翌日、ボクの進級は決定した。

 ただ、それ以上に最下級の基礎魔法【ファイア】で叩きだした異例の威力。それによって、魔法学園はボクという落ちこぼれの話題で持ちきりだった。

 というのも、決してすべてが好意的なものではなく……。



「どんな不正をしたんだ……?」

「さぁ? いずれにせよ、いつかは化けの皮が剝がれるさ」



 そんな内容が大半だった。

 この評価に対しては、ボク自身も納得している。

 今までまともに魔法を使うことができなかった奴が、いきなり異様なまでの成果を上げた。学園が認めはしたものの、周囲が簡単に信じるとは思えなかった。

 ボクも、いまだに半信半疑だし。



「……でも、さ。あれって、現実なんだよね」

「はい、そうです。あれがマスターの中にある潜在魔力です」



 しかしながら、ボクの中にいる神槍はそれを肯定した。

 曰く、こちらの中にある潜在魔力の一部が制御できなかった結果らしい。そのあたりはまだまだ改善の余地があれど、自信は持って良いとのことだった。


 グングニルが面白いと呼んだ潜在魔力。

 それはすなわち、規格外とも云える力の塊のことだったのだ。



「……うーん…………」

「どうしたのですか、マスター?」



 でもそこで、ボクは一つ悩む。

 どうしたのかと訊ねてくる相方に、ボクは素直な心の内を吐露した。



「いや、ね。あまり悪目立ちしたくないな、って……」



 というのも、今回の一件で変な噂が立っている事実について。

 ボクは努力が認められることが嬉しい反面、悪評が立つのを恐れていた。そもそも今まで期待されていなかった学園生活。

 いきなり評価されなくても良い。

 ゆっくりと、正当な評価が下されればいいと思っていた。



「ふむ、なるほど……」



 それを聞いて、グングニルは考え込む。

 こちらの意図が伝わったのか、神槍はこう提案してきた。



「それではまず、魔力制御の訓練から始めましょう。差し当たっては――」



 そして、それに耳を傾けようとした瞬間だ。

 こんな声が響き渡った。





「やあ、キミがディン・アルケイオスくんだね!!」

「…………へ?」





 なんとも芝居がかった口調。

 声高に放たれたそれは、静かだった廊下に広がった。

 ボクは思わず呆けた顔をしながら、目の前に立つ声の主を見る。




「さあ、この私――トール・ディアミスと決闘をしようではないか!!」

「………………」




 長い赤髪に、自信満々な金の瞳。

 端正な顔立ちをした上級生男子は、嬉しそうにそう言っていた。





 これがボクと学園主席のトール先輩との出会い。

 そして、事件の始まりだった。



 


面白かった

続きが気になる

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