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また君に逢えたから  作者: 花野拓海
序章 恋の息吹
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第六話 碧の懊悩・弐

「おお!やるじゃん碧!男子を家に誘って勉強教えてだなんて。私も中々出来ないことをあっさりと」


「そ、そうなんですか?」


「うん。だって普通は恥ずかしいもん」


やっぱりそうですか。


あんな恥ずかしい思いはもう暫くはしたくないです。


まあ明日七瀬さんが家にやってきて勉強教えてくれる段階の前の時間は凄く緊張するんでしょうけど。


「それにしてもあの碧がこんなに大胆になるなんて。お母さんは感激したよ!」


「誰がお母さんですか誰が!」


そんな冗談は今はやめて欲しいです。


「それで相談なのですが」


「お!碧が相談かー。よし、ドンと来い!」


桜さんのそんな言葉に安心して、深く息を吸った後こう言った。


「何を用意すればいいでしょうか?」


「………は?」


「折角来て下さるんですしなにか良いお茶菓子やお茶を出した方がいいと思うのですが」


私が勇気をだしてそう言うと、


「この、アホー!!」


「ええ!!?」


「ああ、もう折角相談とか言ってくるから何かと思ったらそんなくだらないことで!」


くだらない事って失礼な。私は真剣に悩んでいるのに。


「そんなもん適当に出しとけばいいよ!なんなら碧料理上手だから自分で作ったお菓子でも出しとけば?」


そう言って一方的に切られました。


成程。確かに自分で作ったお菓子なら喜んでくれるかな?でも私なんかが作ったお菓子で喜んでくれるかな?


まだ分からないから念の為明日朝から何か買いに行こう。


幸いにして明日は昼から勉強の予定だからそれでも十分間に合うはず。


一応今から自分でも作っておこうかな。



□■



凄く緊張する。


あんな顔であんな事言われたら断れるわけ無いじゃん!


なんなの誘ってんの?


いや実際(家に)誘ってるんだけど。


いやもうなんて言うか


「あんな顔されたらな」


本当に。


なんて言うか。


凄くあれな気分だ。


ちょうどそのタイミングで小鳥遊さんから連絡が来た。


「昼からか明日は」


メッセージには昼ご飯を済ませた後くらいの時間。まあ2時くらいからってあった。


それくらいなら全く問題ない。だけど、はじめて女子の家に上がって勉強を教えるなんて。


きっとあの子は下心とか一切なくてただ純粋に俺に勉強教えて欲しいって理由で呼んだんだし、期待に応えられるように精一杯頑張らないと。



□■



とりあえず軽く明日七瀬さんに振る舞うお菓子の準備が出来たところで寝る準備を始める。


時刻はまだ11時30分。


この時間に寝れば明日は寝不足すること無く起きることが出来ると思う。


彼は喜んでくれるだろうか。


まだ会って2日しか経ってないけど、彼がとても優しい人だと言うのはわかった。


自慢では無いですけど私は洞察力には優れているのです。

でも桜さんには「確かに他人に対する洞察力は凄いけど自分に向けられている視線とかって全然気づかないよね」って言われました。


そうでしょうか?


でも恐らく彼は私の事をきっと好きでもなんでもないんだと思います。


私だけがこんなに意識していてとても馬鹿らしいと思いますけど。


彼はただ善意で勉強を教えてくれてるだけ。


この期末試験が終わればきっと彼との関係も終わってしまう。


もしかしたら次の中間テストでまたお願いするかもしれませんが、それまでは連絡することも話す事すら無くなるでしょう。


それは少し悲しいです。


彼といると不思議な気持ちになります。


この気持ちが何かは分かりませんが、彼と一緒にいる間はこの気持ちを大切にしようと思います。

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