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また君に逢えたから  作者: 花野拓海
序章 恋の息吹
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第五話 碧の懊悩

本日の学校生活も特にこれといったことは無く普通に終わった。


あにかあったとすれば朝の玲二のあの発言くらいだろう。


俺は今日も今日とてあの子が来るのを静かに待つ。


今日の待ち合わせは図書室。


昼休みの間に小鳥遊さんからRINEで連絡が来て、ここが集合場所だと言われたのだ。


確かに図書室だと静かで勉強が捗る。


これならきっと小鳥遊さんの期待に応えられるだろう。


「お、お待たせ」


そう言って小鳥遊さんが来たけど、少し顔が赤い。


確かに可愛いけど、どうしたんだろう?


「なあ、顔が赤いけどどうしたんだ?風邪か?」


俺の質問に対して一瞬ビクッてなったが、


「なんでもないよなんでも。さあ、勉強しよ?今日も数学でわからないところあったら教えてね」


そう言って数学の課題を取り出して勉強を始めた。


まあ多少気になるけど今はいいか。

そして課題が一通り終わって帰ることになった。


やっぱり勉強描写は書かれることはないと思うよ。


だって書くことないもん。


それにしても今日はずっと顔赤いままだったな。


なんか勉強中も少し集中しきれていなかったみたいだし。


そんなことを考えていると、小鳥遊さんが不意に手を繋いできた。


「え!?どうしたの?」


つい驚いてしまって、声をかけてみるも


「なんでもないですよ」


そう言って小鳥遊さんは何も話そうそしてくれない。


えぇ。ほんとに何?


どんな心の変化があったのか知らないけどこんなことされたら普通『あれ?実は俺のこと好きなんじゃね?』って思っちゃうよ?いや実際思ってんだけど。


とか思いながら自問自答していると、また彼女は接近してきた。


しかも今度は俺の腕に体を密着させるかたちで。


「ねえほんとにどうしたの!?流石に恥ずかしいんだけど」


「そ、そうですか。ごめんなさい」


そう言って小鳥遊さんは少し離れてくれたけど、やっぱり手は繋いだままだった。


流石にちゃんと握り返してるけど、これっていつまで続くのかな?


そしていつまで続くのかと思っていた手繋ぎタイムは結局マンションの前に着くまで続いた。


小鳥遊さんはエレベーター前でこちらに向かって


「今日もありがとうございました」


そうお礼を言ってきた。


「気にしなくていいよ。昨日も言ったけど俺がやりたくてやってるわけだしね」


そう返事すると


「そうですか。実はお願いがあるのですが」


「?何?聞ける範囲でなら聞いてあげるけど」


「では、明日も勉強を見て欲しいのですが」


なんだって?



□■



「碧は少しは相手に自分をアピールしないと!」


私にそう言ってきたのは友達の桜さんです。


「アピールって言われても一体何をすれば」


「あー。そう言えば碧って恋愛未経験だったね」


そう言って桜さんはこう提案してきました。


「じゃあ帰り道で手を繋いだり少し近くだけでもいいと思うよ!」


「ええ!でもそれじゃあ私と七瀬さんが付き合ってるって見られますよね!?そんなの七瀬さんも嫌がるはずですし、それにそれって結局周りの誤解を解くことは出来ないですよね」


「それでいいんだよ!」


どういう事でしょうか。


「下手に付き合ってませんってアピールしてもただ恥ずかしがって否定してるだけって思われるんだからいっその事付き合ってますって言ってそういうことなんだーって思わせておけばそのうちみんな忘れてくよ」


そ、そうだったんですか!


「私はそういう所分からないので助かります」


「あとは念の為だね」


念の為?なんのことでしょう?


「気にしなくてもいいよ。じゃあ恥ずかしいと思うけど頑張ってきてね」


私は桜さんにそう言われて頑張って手を繋いだり少しくっついたりしてみました。


結論


凄く恥ずかしかったです。


ですが、その後に明日家に招待して勉強を教えてくださいって言ったのも凄く恥ずかしかったです。

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