第四話 やばいサブタイトルが思いつかない!!
目覚ましの音で意識が覚醒する。
「朝か」
そんな呟きは誰にも聞かれることは無かったが、まあいつも言ってることなのでいつも通りってことで。
変わったことがあるとすればRINEの連絡先。
昨日再会?した少女小鳥遊 碧の連絡先が追加されたことくらいだろう。
昨日の出来事を夢ではなく現実のことだったと受け止め、いつも通り学校に行く準備をし始めた。
□■
「おいどういう事だ」
学校に到着してから暫くして、俺の唯一の友である大久保 玲二が主語が抜けている質問をしてきた。
「主語を付けろ主語を」
「おっとわりぃ」
そう言って謝った後玲二は
「ところで昨日お前が女の子と2人きりで勉強して一緒に帰ったって聞いたぞどういう事だ」
ああ、その事か。
「やっぱり誰かに見られてたか」
考えてみれば当然のことだろう。
それにしてもバレるのはやいな誰か監視でもしてたのか?
今はどうでもいいか。
「あれだ、あの人は一年二組の小鳥遊 碧さんと言って数学でわからないところがあったから前回の中間テストで学年トップクラスだった俺に勉強教えて欲しいって言ってきたんだよ」
とりあえず真実を話しておくが
「信じられるか!何故お前のところに行ったんだ。普通に考えたらもっと話しやすい、それこそ同性の人のもとに勉強教えてもらうだろう!」
確かにそうだな。何故よりにもよって俺だったんだろう。
「そんなこと俺にも知らんよ。とりあえず友達はなんか赤点ギリギリだったらしくて教えてもらうのは悪いって思ったらしいけど」
「その子の友達は全員赤点ギリギリだったのか?」
「いや、あの子の言った言葉的に友達は多くても3人以下っぽいけどな」
あの子も家の事できっと忙しいんだろう。
あくまで他人の俺が言うことではないが、きっと人付き合いが悪くて友達が出来にくかったんだろう。
「それで、お前は今日もその子に勉強教えるのか?」
「ああ。また明日って言われたからな」
また明日って言われて、期待されてるんだから期待に応えるしかないな。
「そうか。次の期末テストの範囲も今日発表されるし、今日から本格的に頑張れよ」
玲二はそう言って自分の席に戻って行った。
あいつ、ちょっとした事で騒ぐけど根はいい奴なんだよな。
それにしても今日で期末テストまでちょうど1週間前か。
あの子の赤点と成績欠点回避のために一肌脱ぎますかね。
□■
「ねえ碧、昨日男子と教室で勉強した後一緒に帰ったってホント?」
私はその事を友人の藤原 桜さんに聞かれた時心臓が破裂するかと思いました。
「確かに本当の事ですが、あれは真嶋先生に紹介された方に数学を教えて貰って、それでその後帰り道が一緒だったのでついでに一緒に帰っただけですよ!」
「あっそうなんだ」
「そうですよー変な誤解しないでくださいよ」
「え?別に誤解とかしてないけど?」
え?
桜さんは誤解してない?
「碧ってばもしかして自分がその男の子と恋仲だって思われてるって思ってたの?」
「は、はい」
やばい恥ずかしい!!
消えて無くなりたい!
「碧ってばまだまだ純粋なんだからー別にそんな誤解してないよ」
「ほんとですか?」
「ほんとほんと!」
よ、良かった。
これで完全に周りにも誤解されてたらこれから七瀬さんと会いにくくなってしまいますからね。
「あ、でも周りの人達は結構誤解してると思うから訂正するなら今のうちね」
………え?
ちなみに主人公七瀬 涼太の友達の名前は『大久保 玲二』で、メインヒロインである小鳥遊 碧の友達の名前は『藤原 桜』です。
どっちも友達が一人しか居ないボッチですね。