第三十七話 また、遊びましょ
レースが終わった後は四人で程々に遊んで帰ることになった。
ちなみにレースでは見事一位をもぎ取った。
賞品はここら一体の店で使える商品券を貰った。
「はぁ〜」
今日の疲れからか、長く息を吐く。
ちなみに玲二は用事が入ったとか言って先に帰ってしまった。
「すみません、お待たせしました」
そう言いながら、女子更衣室の方から碧が出てきた。
「大丈夫だ。さっき来たばかりだからな」
そう言って碧を見るが、藤原さんが何故かいなかった。
「なあ、藤原さんってどこ行ったんだ?」
疑問に思い聞いてみると、
「えっと、桜さんは家の用事と言って先に帰ってしまいました」
なんということでしょう。
っていうか二人とも絶対用事無かっただろ。
偶然二人とも家の用事だったのかもしれないが、そんな偶然中々無い。
てか二人は俺と碧をくっつけようとしてるみたいだから、恐らく二人にする時間を与えてくれたのだろう。
正直言って、ありがた迷惑だ。
「じゃあ、帰ろっか」
「はい」
そう言って二人で歩き出す。
二人とも無言だ。
二人の足音だけが聞こえる。
「いいですよね。こういうの」
ふと、隣で歩いている碧が呟いた。
「………どうした?急に」
「いえ、ここに引越して来る前はこうしてゆっくりと歩くことも無かったので」
そう言った碧の表情はあの日見たみたいに、哀愁を漂わせていた。
「でも、今は大切な友達が居るだろ?」
俺はそう言って碧に笑いかける。
「友達、でいいんでしょうか?」
「いいに決まってるだろ?藤原さんも玲二も俺も碧のことを友達だって思ってる筈だよ」
碧の表情にはさっきみたいな悲しい雰囲気はもう無かった。
「ねえ、涼くん。また、みんなで遊びに行きましょ」
「いいぞ。どこにする?」
「もうすぐ花火大会があるので、そこで桜さんや大久保さんなども誘ってみんなで遊びましょ」
碧は笑顔でそう言った。
「やっぱり、碧は笑った顔の方が可愛いよ」
だから俺はそう言った。
「ふぇ!?」
俺の言葉を聞いて碧は急に顔を赤くした。
どうしたんだろうか?
まさか風邪だろうか?
「ちょっとごめんな」
そう言って俺は自分のデコと碧のデコをくっつける。
「熱は、無さそうだな」
そう言って俺が離れると、碧はさっきよりも顔を真っ赤にして立ち尽くしていた。
「どうしたんだ?碧」
そう言って肩を掴むと、碧はピクリと動いた。
「おい、碧」
「あ、えっと、涼くん?」
「どうしたんだ?碧。帰るぞ」
「え?あ、うん」
そして俺と碧は家に向かって歩き出す。
その時、俺は碧がずっと顔を真っ赤にしながら俯いていることに気が付かなかった。
「もう、涼くんは狡いですよ」




