第三十話 ただ今この時を噛み締める
エレベーターに閉じ込められてから30分程経過した。
その間、特に何も無かった。
「いやいやいやいやいや。おかしいだろ!今の時間知らんが30分経って誰もエレベーター使おうと思わねえの?普通!」
俺と碧が閉じ込められてからの30分間、本当に何も無かったのだ。
エレベーターの電池が故障?してるのか知らんけど繋がらんし、スマホも無いから外と連絡もつかん。
これ以上に暇な事ってある?いや、ない。
「ねえ、碧は暇じゃない?」
あまりに暇すぎて碧に話しかけるが、
「え?えっと、私は全然暇じゃ無いよ?」
なんかちょっと挙動不審だ。
なにかあったのだろうか。
俺が悩んでいると急に碧が小さく笑いだした。
「どうしたんだ?」
「いえ、なんでもないです。ただ、少し楽しいなって」
この状況が楽しい?
「まあ最近大変だったからな」
ストーカー3人に追いかけられたりしたからきっと病み出したのだろう。
「いえ、そうではなくて」
え?違うの?
「えっと、私こういったトラブルとかおきたこと全然なくて、非日常的ですがこういった普通体験出来ないような事を体験出来るって凄くいいなって」
「………まあトラブルなんて起きない方がいいに決まってるけど気持ちはわかるよ」
碧のその憂いた瞳を見ながらそう言った。
俺はまだ碧の過去を知らない。
だから碧にどんな言葉を掛けてあげればいいのかわからないが、
「そもそもストーカーに追いかけられてる時点で非日常的なことなんて既におきてるだろ?たぶんこれからもなんか事件に巻き込まれるぞ?」
「え?ほんとですか?今は楽しいと思いますが、さすがに何度も来られると大変な気がするのですが」
「てかその前に慣れるだろ」
今は励ますとかするわけでもなく、ただひたすら今この瞬間を一緒に噛み締めればいいか。
「そういえば明日はプールに行きますね!私、実は市民プール行ったことがなくて」
「マジで?碧がまさか市民プール初心者だったとは」
「初心者って言わないでください!市民プールは行ったことありませんがプールに行ったことはあるのでまだ泳げるはずです」
プールは行ったことあるのか。
俺も中学3年の時に泳いで以来だな。
っていうか
「碧、今まだ泳げるはずって言った?最後に泳いだのっていつ?」
「えっと、小学6年生の時ですね」
小学6年生か。
「昔すぎないか!?大丈夫か?本当に」
「大丈夫ですよ。それに、溺れたら涼くんが助けてくれますよね?」
………狡いんだよその笑顔。
とその時、エレベーターが動き出した。
「やっと再起動したか」
「そうみたいですね。よかったですもうここから出られないんじゃないかって思ってましたから」
まあ最悪天井壊して脱出すればよかったんだけどな。
碧には絶対に言わないでいよう。
俺と碧はその後、無事エレベーターから脱出し、無事に家に帰ることが出来た。
余談だが、碧はこれを機にエレベーターに乗ることは無くなった。
ここでお知らせです
基本的に私は毎日更新を心がけていますが、これから作者の諸事情により更新が遅れたり、更新をしない日がでてくるかも知れません。
基本的に毎日更新を続けていく予定ですが、もし更新が遅れそうだったり、更新が出来なさそうであればTwitterの方で呟くと思いますので更新状況が気になる方はTwitterの方で確認してください。
たぶん呟くと思います。
これからも『また君に逢えたから』をよろしくお願いします!!
ついでの報告として、あらすじ変更しました。




