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また君に逢えたから  作者: 花野拓海
1章 芽生える心
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第二十八話 桜先生の恋愛講座

「は?」


桜さんにそう言われた時私はよくわからなかった。


付き合う?


誰が?誰と?


私が?


涼くんと?


「あ、やっと理解が追いついた?」


桜さんのその言葉で私の意識はようやく現実に戻ってきた。


「それで?どうするの?」


「えっと、そういうのはまだはやいと思うのですが」


「えー。いーじゃん別に!それに、碧にはそろそろちゃんと見てくれる人が必要だと思うから」


どういう事でしょうか?


「でも、そんな急に付き合うって言いましても、まず何をすればいいのでしょうか?」


私がそう言うと「そういえば碧は恋愛未経験者だったね」と言ってから少し考えて、


「まあ先ずは雰囲気作りかな?」


「雰囲気ですか」


「そそ、雰囲気。たとえば今度行くプールで思わず告白したくなるような雰囲気を作れたら問題無しだよ!」


なるほど。


ですが、


「思わず告白したくなるような雰囲気ってどんな雰囲気ですか?」


私の純粋な質問に対して桜さんは


「え?あ、えーと。まあそれは人それぞれだから碧が告白したいなっていう雰囲気を作れたらそれでいいと思うよ?」


「そんな曖昧なものでいいのでしょうか?」


まあでもここは何も知らない私よりも知ってる桜さんに頼るしかありませんしね。


「じゃあプールデートの手順を確認しよっか」


「デ、デートですか。いえ、その前に私たち手順なんて話し合ってませんよね?確認することあるのでしょうか?」


私がそう指摘するも、


「じゃあまず最初に」


普通に無視されてしまいました。


「待ってください桜さん。無視しないでください」


「まず最初に!」


あ、ダメですこれ。


これでは何を言っても聞いてくれません。


「まあいいです。で、手順とやらは?」


「まあいいって。妨害したの碧のくせに。ええっと。手順としては最初にプールで会った七瀬さんを碧が悩殺します」


ええ!?


悩殺ですか。


「もう、碧たら。そんなに顔紅くしちゃって」


桜さんは「かっわいいー」とか言いながら私の頬っぺをぷにぷにしてくるのですがやめてほしいです。


「えっとじゃあ次に最初は4人で遊ぶものの、私ともう1人は用事があるって言って一旦離れます。そのうちに碧が雰囲気出してどっちからか告白。以上」


なるほど。なんというか、その


「適当ですね」


「そ、そんなこと言わないでよ!まあ確かに最後は碧たちが自分たちでやることだから私が考えても意味ないって理由もあるんだけどね」


そうでしたか。


「桜さん。ちゃんと考えてくれてるんですね」


「私に対する碧からの評価が気になるところだけどまあ今はいいか」


そう言って立ち上がった桜さんは私の方を見ながら


「じゃあ頑張りなよ。今この時だけは他のことなんて忘れて自分の思うがまま進んで行けばいいと思うよ」


そう言いながら会計を済ませた私たちはその後もウィンドウショッピングを続けたあと、帰ることになった。

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