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また君に逢えたから  作者: 花野拓海
序章 恋の息吹
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第二十二話 私は今日初めて恋をしました

ごめんなさい!

今回は多分基本的に喧嘩してます。

喧嘩があまり好きではない方にはブラウザバックをおすすめしたいところなんですが、今回の話しは結構重要な場面があったりするので、喧嘩があまり好きではない方は喧嘩シーンだけとばしすと気持ちよく読むことが出来ると思います。


あと、今回の話しはいつもの2倍の量あります

全力で走る。


周りなんて関係ない。


今は他のものなんてどうでもいい。


一秒でもはやく碧のいる場所へ行かなければ。


速く、もっと速く。


走って走ってそして遂に見つけ、碧の手を掴んでる男の手を握り潰しながら


「おい、何やってんだお前。この子を離せ」



■□



間一髪だった。


あと少しでも遅れていたらと思うとゾッとする。


「大丈夫?碧」


「なんで?」


何故ここに来たのかと目線で訴えてくるものの、今はそれを無視してストーカーと向き合う。


「兄ちゃん誰だ?今なら見逃してやるからとっとと家に帰りな」


ストーカーは怒気を孕ませた声音でそう言ってくる。


巫山戯るなよ。本気で怒ってるのはこっちだ。


「あんたこそ、女の子の前で無様な格好見せたくなかったらとっとと帰れよ」


挑発には挑発で返す。喧嘩の基本だ。


「なーるほどな。どうやら兄ちゃんは頭に血が上って現実を見てないみたいだな。それともわかっていて言ってんのか?だとしたらただの阿呆だな」


そう言った瞬間、バックステップで俺から離れながらストーカーは回し蹴りをかましてきた。ただし


「おせぇんだよ」


舐めてるのか、簡単に見切ることの出来た回し蹴りを躱しながら俺はストーカーの鳩尾を全力で殴る。


「めんどくせぇ兄ちゃんだ」


衝撃が少ない。殴る瞬間に後ろにジャンプして衝撃を減らしたな。


ちなみにこの攻防でかかった時間は30秒にも満たない。


「涼くん」


不意に後ろからかけられる声。


「どうした?碧」


振り向いてきちんと碧の目を見ながら質問をする。


「どうして」


そんな俺の目を見ながら碧は


「どうして、私なんかを助けに来てくれたの?」


なんだ、そんな事か。


「そんなもん決まってんだろ」


「え?」


そして俺は


「友達だからだろ?」


しゃがんでストーカーの蹴りを避けながら応えた。


それにしても危ない。


「人が話してるのに攻撃するのはどうかと思うぞ?」


「チッ!この糞ガキが。殺気だけで攻撃避けやがって」


まあ殺気がわかればどこに攻撃しようかなんてすぐわかるけどね。


あと、集中すれば、相手の呼吸音等でいつ動き出すかもわかる。


「俺に不意打ちは通用しないぞ?」


そう不敵に笑ってやった。


「まさかてめぇみたいなやつが居るなんてな」


それはお互い様だろう。


まさか現代日本で人を殺したことがあるやつと喧嘩するなんて思ってなかった。


「さてと、そろそろ事前に呼んであった警察が来ると思うけどどうする?」


「なるほどな。たとえお前が負けたとしても碧は助かるってことか」


「そうだ。じゃあせっかくだし決着でもつけるか」


ストーカーは「それもそだな」と言いながら懐から拳銃を取り出して


「死に晒せ、糞ガキ」


俺に向かって引き金を引いた。



□■



私は涼くんが助けに来てくれてから見ていることしか出来なかった。


男の子だし私よりも強いかなとは思ってたけど、こんなヤクザみたいな男の人と真正面から戦って、死角からの攻撃も避けてしっかりとカウンターをとる。


私はなんで涼くんが私を助けてくれたのかわからなかった。


涼くんは「友達だから」と言ってた。それはきっと嘘では無いけど本当のことでもないと思う。


あの時の涼くんの目はとても慈愛が込められた瞳だった。


あんな綺麗な目、するんだなって改めて思った。


そして私は涼くんに任せれば全て問題なく解決するんだと勝手に思ってしまった。


そしてその幻想は涼くんから噴き出している血を見て、なんで無理にでも止めなかったんだろうと後悔した。


「涼くん!!」


ダメ!


拳銃で撃たれたら下手したら死んじゃう。


撃たれてすぐに死ぬ人は少ないらしいけど、出血多量なんかで死んでしまったら。


なんで私じゃないんだろう。


これは私の問題なのに。


なんで私じゃなくて涼くんが怪我してるんだろう。


倒れていく涼くんを見て、後悔と自責の念に苛まれていると、


「へのカッパ!」


涼くんは両足でしっかりと体制を戻し、立ち上がった。


なんで?なんで立ち上がるの?


これは私が招いた問題だから逃げればいいのに。


なんで、なんで貴方は私を助けてくれるの?


こんな私を。


あんな事をした私。


私なんかを助けてもなんの価値も無いのに。


私と一緒にいると皆不幸になる。


私のせいで。


私のせいで皆■■■しまったのだから。


そうだ。お母さんもお父さんも陽莉お姉ちゃんも私が■■■ようなものなのに。


その傷を放っておいたら涼くんが死んでしまうのに。


なんで諦めないの?


なんでまだ立ち上がれるの?


叫びたいはずなのに。


泣き出したいほど痛いはずなのに。


音からして当たった肩の骨は弾丸が当たってひび割れてる筈なのに。


なんで立ち上がらるの?


なんで前に進めるの?


なんで、どうして戦えるの?



□■



いやー痛い。


流石に銃弾で肩撃ち抜かれたら痛いわ。


流石に涙出てきそうだけど、それは後にしよう。


目の前の人物との戦いが終わってないから。


「まさか銃に撃たれて立ち上がるなんてな。てめぇこそが泣いて転げ回るんだと思ったんだがな」


「そりゃすまねえな。俺にはこの程度の攻撃多少痛い程度で済ませられるわ」


そう言って俺は走り出す。


相手は銃を持ってるけど関係ない。


どうせ俺の攻撃手段は近接攻撃しかないから。


「バカが」


そう笑いながら再度引き金を引いたストーカー。


後ろから碧の声が聞こえる。


その声と音を聞きながら俺は銃弾を躱した。


「な!?」


無理も無いだろう。


銃弾を避けるなんて芸当出来るやつそんなにいない。


だけど、銃弾程度避けられないで好きな人を守れるわけが無い。


「年貢の納め時だな。人殺しさん?」


そして俺の全身全霊のドロップキックを喰らわせ、ストーカーの意識を刈り取った。



□■



「ぐすっぐすっ」


泣いている。


鼻をすする音が聞こえる。


肩からはまだ出血している。


俺は制服の裾を破って肩にまきつけて無理矢理止血する。


「碧」


碧は呼びかけても反応しない。


悲しそうな、辛そうな、そんな後悔の雰囲気を感じる。


俺は碧に歩み寄った。


碧は俺が近づいてきているのを気配で察したのか、こちらを見てくる。


後悔で溢れかえっている碧の瞳。


碧はなんで?といった表情をしている。


まあ普通銃に撃たれて平気そうな顔をしながら冷静に止血して歩いてくる人なんていないだろう。


俺もいないと思う。


さっきまではアドレナリンがドバドバ出てきて痛みとか気にならなかったけど、今はすごく痛い。


でも、俺は碧に歩み寄ってこう問いかける。


「大丈夫ですか?」


そう言った瞬間碧は硬直してしまった。


「碧が無事で本当に良かった」


その瞬間、碧の目から大量の涙が出てきて、そして俺に抱き着いてきた。


「怖かった。怖かったよー」


「大丈夫。もう、大丈夫だから」


そう言いながら俺は碧の頭を撫でた。



□■



怖かった。


私のせいでまた人が死ぬんじゃないかと思って。


怖かった。


また知ってる人が不幸になるんじゃないかと思って。


そう思うと涙が止まらなくなって。


でも、そんな心配は


「大丈夫ですか?」


その声と一緒に杞憂に終わった。


この瞳には慈愛が込められていて。


その瞳には優しがあって。


だから私は


「碧が無事で本当に良かった」


涙が止まらなくなった。


ああ、そっかきっと私、涼くんのことが好きなんだ。


お父さん、お母さん、今でも見守ってくれていますか?


こんな私でもこんな感情持っても大丈夫なんでしょうか。


陽莉姉さん、私はこれから前に進んでもいいんですか?


今、止まっている私の時間を動かしてもいいんですか?


私は今日初めて恋をしました。

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