第十九話 不審者は大人しく成敗されようねと俺の友人は微笑んでいた
「小鳥遊さんに付き纏うストーカーめ!!」
そう言った瞬間男はナイフを取り出した。
おそらくあれは果物ナイフ。
「どうしたんだ?殺気がただ漏れだぞ?」
「お前がいっつも小鳥遊さんと一緒にいるからいつか殺してやろうと思ってたんだ」
そうかそうかその割には
「心構えがなってねえぞ」
俺はそう言った瞬間に男の懐に入り込み、ドロップキックをお見舞した。
「ぐは!」
「なんだなんだ?この程度の攻撃も反応できなかったのかよ?その程度じゃ俺を殺すのは勿論、俺にかすり傷を与えることも出来やしないぞ」
俺はそう言って、男の前に立つ。
「なんなんだ。なんなんだよお前は!」
男はそう言いながら果物ナイフをもう1つ取り出した。
なるほど。2つ持っていたのか。
そして俺の携帯に連絡が来た。
どうやら協力者は上手くやってくれたみたいだ。
じゃあもうここに俺の用事はない。
「どこに行く!!」
立ち去ろうとする俺に向かって負け犬が何か言っている。
「何って今から用事があるんだよ」
「とぼけるな!死ね!お前は今ここで死ね!!」
五月蝿い。耳障りだ。俺は今から最後の勝負をしに行く。だから
「任せたぞ玲二」
「ああ。任された」
そう言って付近の草むらから出てきた玲二は持ってきていた竹刀で男を殴りつけた。
「ぐべぇ!」
そう言いながら吹き飛ぶ男と竹刀を持って対峙する玲二。
「流石剣道を習ってただけの事はある。確か部活も剣道部だろ?」
「お前に褒められるって珍しいな。だけどよ、お前は行かなきゃいけないところがあるんじゃねえか?」
そうだな。いつまでも待たせるわけにはいかない。
「悪いな。行ってくる」
「おう。行ってこい!」
そう言って玲二は俺を見送ってくれた。
□■
公園に残された俺とストーカー男。
「待て!逃げる気か!」
そう叫びながら涼太を追いかけようとするそいつに
「五月蝿い」
そう言いながら竹刀で殴りつけた。
「畜生!お前さえいなければ俺はあいつを殺して小鳥遊さんと一緒にいられたのに」
俺さえいなければ、か。
だけどな、
「たとえ俺がいなくてもお前は小鳥遊さんには会えなかったよ」
だって俺はあいつに何かで勝ったことがないから。
俺は剣道が好きで小さい頃からやってる。
中学の全国大会でも準優勝したことがある。
だけどな、そんな俺が全力で竹刀を持ってあいつと戦ってもなあいつが逆立ちしていても勝てる気が全くしないからよ。
まあそんな友人の頼みだから精一杯やらせていただきますかね。
「死ね!!お前から先に殺してやる!」
「あいつは女に会いに行ったんだよ。俺の親友が始めてそこまで本気になれたんだ。それを邪魔するやつは何人たりとも許す気はねえよ」
俺、大久保 玲二による一方的な攻撃が始まった。
玲二が思ったよりもかっこよくなったような気がします。




