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ファッションヤンキーちゃんのVRMMO記  作者:


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ファッションヤンキー、クエストを終える

 サイ型ゴーレムが原型を失い、崩れる。誰もが言葉を発さず、崩れ行くその様子をただただ眺めていた。そしてサイ型ゴーレムの全てが砂へと化したその時


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 その場にいた全員が感極まったように歓声を上げた。勿論私も叫びましたとも。達成感半端なかったからね。女子にもかかわらず「きゃあ」とか言わず男のように叫んじゃったよ。でも私ヤンキーだし間違いじゃないしいいか。

 にしても苦戦したなぁ……当たり前だけど、1人じゃ絶対攻略できなかった。私に変わって攻撃してくれる人、私と一緒に動きを止めてくれる人、補助してくれる人、そのどれもがいずれか一つが欠けていたらクリアすることは出来なかっただろう。


"4体の巨大ゴーレムの1体、獣ゴーレム、リノギガイアが討伐されました。残るゴーレムは3体です"


 瞬間、先程よりも大音量の歓声が上がった。他の……えーっと、なんだっけ?人と鳥と竜?それ等を差し引いてのまさかの最速討伐。これを喜ばないプレイヤーはいないだろう。それにしても、あのサイ型ゴーレムの名前リノギガイアだったのね。狩猟ゲームに出そう。

 おっと、感慨にふけていると知った顔……玄道さんがやってきた。


「やぁ、オウカちゃん。お疲れ様。」

「おう、玄道さんも。」


 お疲れ様とか言っておきながら玄道さんはあった時と変わらず人の良さそうな笑顔を浮かべながら頭を掻いている。全く気疲れしていなさそうだね……あたしゃ結構疲れたんだけどね。

 そうだ、お礼を言っておかなきゃね


「玄道さん、人を集めてくれて助かったわ。」

「いやいや当然のことをしたまでさ。僕としては攻撃の隙を作ってくれたオウカちゃん達に感謝したいくらいなんだけど。」

「そうじゃのぉ、俺らしか出来んけぇのぉ!」

「ハッハァ!その通りだぜオウカ!」


 鉄心と肩を組み合い、笑い合う。玄道さんの言葉に、私は謙遜するつもりはない。他のゴーレムなら分からなかったが、リノギガイアに限って言えば私や鉄心がいなければ攻略することは難しかっただろう。出来ても多大な被害があったことだろう。それを思えば、私のいたところにリノギガイアが来たのは運が良かったかもしれない。


「ところでオウカちゃん、君は他のゴーレムの所に救援は行くのかい?こっちからも何人か行ってるみたいだけれど?」


 へぇ、そうなの。そう言えば、別にこのフィールドは遭遇したゴーレムによって仕切られているわけじゃないもんね。早く討伐が終わったところから別の所に救援に行けないわけじゃない。実際、他の場所では未だドンパチしているみたいだしね。ほら、あっちでは凄い砂煙が上がってるし、向こうの方は石で出来たデカい鳥が翼をはためかせている。あれが鳥型ゴーレムだろうけどド天敵だわあれ。


「んじゃ俺はちぃと人型の方に応援に行くかね、知り合いがいるもんでよ。オウカはどうするんだ?」


 知り合いねぇ……場所を把握している知り合いと言えば、シャドルがドラゴン型ゴーレムだっけ?コールではそう言っていたはずだけれど……


「俺はいいや。疲れたけぇ休んどるわ。」

「そうかぃ。じゃあせめてフレンド登録してくれよな。お前と一回こっきりは勿体ねぇ。」


 私としても今回、鉄心と一緒に戦って楽しかったからその要求を受け入れ、フレンド登録を交わす。なんだろうね、近しい戦い方をする仲間を見つけるのは良い物だ……あ、フルアーマーズ達も登録したいって言ってきたからしたよ、面白いし。


 ……さて、鉄心たちは人型の方へ向かい次いで玄道さんも鳥型への方へと赴いた。この場に残ったのは私を含めて極少数となった。皆元気有り余ってるねぇ……私は飛ばされ過ぎたり押し留め過ぎたりで気力使い切っちゃったよ。

 かと言ってログアウトしたらそれはそれで終わった瞬間が見れないから嫌だよね。だから座り込んでのんびりしてる。シャドルのことは別に心配していない。あいつのことだから滅茶苦茶楽しんでクリアしそう。キャッキャウフフしてそう。みんながんばぇー……


「……はよ終わらんかなぁ。」


 私は誰に聞こえるわけでもなく呟いた。



"4体の巨大ゴーレムの1体、竜ゴーレム、ドギラゴルが討伐されました。残るゴーレムは2体です。"


 おっ、シャドルやったか。


"4体の巨大ゴーレムの1体、鳥ゴーレム、コンドルギアが討伐されました。残るゴーレムは1体です。"


 おおう、ものの数分後に今度は鳥型が討伐されたか。この流れから察するにそろそろ人型の方もやったか!?


"4体の巨大ゴーレムの1体、人ゴーレム、ジャイガンドが討伐されました。"

"これによりウーノ・ドヴァータウンに向かう全てのモンスターが討伐されました!クリア報酬ならびに経験値に関しては翌日、メッセージにて送付いたします。"

"10分後、クエスト参加直前までいた地点へと転送いたします。"


 我ながら「やったか!?」がフラグにならなくてよかった……これ以上はお腹いっぱいだからね。

 長いようで短いワールドクエストとやらも終了か……ログアウトしたらさっさと宿題しなくちゃね。

 じゃ、また明日!

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[一言] まさかの最速 頑張ったもんな
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