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ファッションヤンキーちゃんのVRMMO記  作者:


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ファッションヤンキー、ふん縛る

 さて、戦後処理といきますか。

 モンスターと違って、盗賊たちは気絶させているだけで死んでいるわけではないからこの場に残り続ける。ただこのままでは目を覚まして次なる悪事に手を染めかねないので縄でぐるぐる巻きだ。足も縛っておこう。

 こんな事、小さな女の子にさせるわけにもいかないので、今度こそ護衛であるはずのソレイユを馬車に戻し、代わりに降りてきたリヒカルドと共にふんじばる。御用だ御用だー

 5人目に取り掛かったところで、倒れた盗賊のすぐ近くにバンダナが落ちていることに気付いた。その近くの盗賊の頭には何も巻かれていないし、こいつが付けていたものだったのだろう。何気なしに拾ってみた。


盗賊のバンダナ

盗賊の~だなんて名前が付いているが、この装備を付けている=盗賊という訳ではない。とはいっても盗賊が付けている可能性が高いのは事実。効果を発揮するには、体のどこかに巻ければいいので、腕でも首でも好きなところに巻いてもよい。ただし同じ装備は装備できない。

DEX+2 盗むスキルに補正微小


 これ、装備アイテムかよ。効果を見るに私には全くの不用の品だけど……他のバンダナしている奴らからもとれるのかね。試しに頭にバンダナ付けたままの盗賊の引っぺがすと、アイテム化した。マジかよ。

 もしかしたら他の服も……?そう思ってとりあえず靴を脱がしてみたが、何もなかった。上着ズボンと脱がしてみたが、やはりアイテム化せず。あ、流石にパンツはちょっと。

 この事をリヒカルドに聞いてみようと視線を向けたら……リヒカルドもバンダナ剥ぎ取ってた。


「お前それ絶対ピンキーちゃんに見せちゃいけんぞ?」

「当然ですよ。何が楽しくて愛しい妹に私が男の服剥ぎ取ってる姿見せたいんですか。」


 せやろな。

 改めて盗賊から剥ぎ取れる件について聞いてみた。


「いやー残念ながら私も今さっき気付いたんでよく分からないんですよね。もしかしたら盗賊のように街の住人を気絶させたら剥ぎ取ることもできるのでしょうね。」

「それ一発アウトじゃろうが。」

「でしょうね、確実に御用ですからやらないことをお勧めします。オウカさんのその姿なら、気絶した住人を介抱しただけでも間違いなく疑われるでしょうが。」

「うっさいわ。」


 私もその考えがよぎったところでだよ!もし目の前で倒れられたら介抱するけど疑われるのはちょっとなぁ。さっきも疑われたし、襲い掛かられたし。

 悲しい事実は置いておこう。それよりもだ、このバンダナは売れるのかどうか。効果だけ見るとまぁ無いよりかはマシ程度。この盗むスキル補正がどう作用するかだね。すぐそこに商人のリヒカルドがいるしこのことも聞いた。


「……400Gくらいじゃないですかね?初心者シーフの懐事情を考えるともっと安い方がいいかもしれませんが。」

「やっぱり初心者用かこれ。」

「性能が穏やか過ぎますからね。しかし微小とは言え盗むに補正は良いですよ。」

「思ったんじゃけど、盗めるん?」

「盗めます。ただし、プレイヤーからはポーションとか、一定の消耗品しか盗めないんですよね。」


 確かにプレイヤーが必死こいて勝ち取った装備を盗むことが出来たら、トラブルのもとになりかねない。私もこの学ランとか木刀が盗まれたらそれはもう……泣きまくる。折角パックンさんや竹輪天さんが作ってくれたものだからね。そりゃ泣くよ。

 じゃあ盗むスキルは誰に使うのかとなると、モンスターや盗賊などの敵NPCになるとのこと。ちなみに普通の住人の物も盗むことは出来るがこれも当たり前に御用案件だ。

 ただし、そういう盗賊プレイを楽しんでいるプレイヤーがいるのもまた事実らしい。まぁほどほどにね?



 盗賊を縛り終えて放置して、再びドヴァータウンに向かう。

 そういえばと、先程の戦闘で私が馬車から降りてきたときに盗賊の1人が言っていた今回の原因であろう"あの野郎"さんに何か心当たりがあるかと聞いてみたら少し考えるそぶりを見せた後、頭を振った。心当たり無しか。

 念のため、ピンキーちゃんにも変なおじさんとかいなかったかと聞いてみたら


「たまに私の服見てお兄ちゃんみたいに笑うおじちゃんとかいたよー?」

「そ、そうかぁ。」


 やはりいたか、大きなお友達。そしてリヒカルドよ、商人らしからぬ怖い顔はやめなさい。私顔負けになっちゃうから。


「……聞かれないから言うが私も心当たりはない。」

「お前の場合心当たりがないだけじゃないんか……?」


 これまでのやらかしが過ぎるから絶対無意識に何かやらかしていると思うんだけど?こいつ容疑者候補だわ。

 まぁこの辺はリヒカルドが頑張って解決するだろう。私はほら、臨時の護衛だからよそ様のクエストにそこまで首を突っ込まなくてもいいだろう。

 次はどんな盗賊がやってくるかなぁ……そう思ったその時、馬車の中が大きく揺れた。


「きゃあっ!?」

「もm……ピンキー!」

「お嬢様!」


 突然の揺れにピンキーちゃんは体を縮こませ、リヒカルドはそんなピンキーちゃんを護るように抱きしめ、ソレイユは立ち上がる。

 私も驚きはしたが、何とか声までは出さずに済んだ。盗賊め、まさか爆弾でも使いだした?にしては爆発音とか聞こえなかったけど?

 このタイミングでただの自然現象的な地震だったらいいのだけれど……まさか?

 私は勢いよく馬車から飛び降り、周囲を見渡し……そして見つけた。地震の原因を。


「ウボボボボボ!」

「……もぐら?」

おかしい…ソレイユに残念属性が付いているな?

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[一言] 一度でいいから引っこ抜いてみたい生物ナンバーワン それがもぐら
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