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ファッションヤンキーちゃんのVRMMO記  作者:


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ファッションヤンキー、キングアバターに違和感を抱く

「癖のあるやつしかおらんくないかぁ!?」

「癖つよ筆頭が言うな」


 私のそんな叫びにツッコミを入れるのは、トルネイアが潜んでいた洞窟で一戦交えたことのあるPKギルドのリーダーの自称土蜘蛛。そういやこいつのプレイヤー名知らなかったなぁ。ただ、本人も言うようにイベント中PKは休業らしい。味方なのは頼りになるから有難いけれども……PKギルドってそういうもんなの?

 まぁ実力は流石と言うべきか、私がキングアバターの注意を引きつけ、攻撃を受け止めている間に確実にダメージを与えている。こいつ、よくもまぁそんなデカい槍を器用に振り回せるなぁ。おっと、キングアバターの鋭い尻尾が土蜘蛛に向かって――なんて思ってたら尻尾の先端がいきなり切り落とされたんだが?


「む」

「おぉ」


 土蜘蛛と2人で感嘆の声を漏らしていると、見上げるほどのキングアバターの喉元に斬撃攻撃エフェクトが光った。矢での攻撃なら物陰に隠れながら時折顔を覗かせ射撃するヘイヘなんだけど、今回は斬撃。剣を使うのは私(木刀)とムサシマル(刀)とぴょんダガーとムラムラマッサン(刀)。この中でキングアバターの首元まで届くほどの身長、もしくは武器を持っているのはいない。となれば


「うーん、やっぱアカンなぁ結構堅いわあの首」


 緊張感なくボヤキながら頭をぼりぼりと掻くムラムラマッサン。私や土蜘蛛より離れた場所に位置しているはずなのに尻尾を斬り飛ばし、そのまま首にまで攻撃を仕掛けているの控えめに言って化物過ぎない?そんでぴょん吉は愕然としない。あれ一応トッププレイヤーだから。


「ムラムラマッサン!お主なら首程度落とせるのではないのか!」


 おや、ダメージ食らって一旦後方に下がっているムサシマルもムラムラマッサンと会ったことあるみたいだね。こらヨリドリ戦闘に出たそうにうずうずしない!回復に努めなさい!


「いやぁ、俺ソロの時にステータス上がるスキルばっか取っとるからなぁ。パーティ組んだらそんなもんやで?っとぉ!」


 ムラムラマッサンはムラムラマッサンで、よく会話の隙間に首を狙えるね!?しかもそれで普段とは弱体化しているとか、トッププレイヤーヤバ過ぎでは?待て、そもそもイベントボスをそんなトッププレイヤー1人で余裕で倒せてはダメなのでは?

 いやでも、それを差し引いても……!!


「こいつタフ過ぎんか!?」

「同感だ。これだけ攻撃を喉という急所に浴びておきながら一切怯みもしないのは違和感を感じる」

「ゲームだからそこのところ適当――とかありえんでござるか?」

「俺は今まで色んなモンスターやプレイヤーの急所を付いてキルしてきた。そのどれもが急所への攻撃は普通の攻撃よりもダメージは多い。こいつだけ例外とは思えん」


 さらっと飛び出たPK発言に会話に混ざったムサシマルもドン引きだよ!

 じゃあ何!?もしかしてキングアバターはトライブグラトラットが合体した姿だから急所に見えている場所もただ小さいネズミを1体キルしただけだとか!?……それならもっとダメージ入ってるはずか。

 となると特殊な方法でダメージを与えるしかない……!?


「後方とぴょん吉!俺達でこのボスネズミを凌ぐ!なんとか攻略方法を見つけ出せ!」

「あいよぉ!不思議と今潜伏しやすいんだ!任せろ!」


 流石ギルドリーダーをしている土蜘蛛。キングアバターからの攻撃をいなしながらも大声で後方のパーティメンバーに声を掛ける。そこは経験なんだろうね。私じゃ自分の動きだけで精いっぱいだよ。土蜘蛛の指示に応えたヘイヘが潜伏しやすいと言っているのは私の番長になった時に得たスキル、"大胆不敵"の効果だね。是非とも、活用してほしい。

 

「――ところで、四五六は何しとるん?」

「出目が悪いそうでござる!」


 うん!攻略に勤しんで欲しい!出目が悪すぎてフレンドリーファイアとかやめてね!?

 さて、私らはいつまでキングアバターの猛攻に耐えればいいのだろうか。……ちょっと龍驤麟振の発動、まだですかね?あ、まだですか……そう。

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[一言] 尖りすぎてハマらない!
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