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ファッションヤンキーちゃんのVRMMO記  作者:


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180/189

ファッションヤンキー、解散して確認する

「えぇ~!3人でパーティ組もうよぉー!絶対楽しいって!」

「いやじゃ」「いやですぅ」


 あの後、ドロップアイテムの分配をし、そのまま解散――そう思っていたところでステープラがパーティを組もうと何故かゴネだした。勿論、ソロプレイヤーの私と実はPKなクレメオは拒否。フレンド登録しようならまだ分かるけど、そのままパーティ組もうだなんて提案できるなんてコミュ力がすごい。言うほど私もコミュ障って訳じゃないんだけど。


「えぇー!なんでなんで!」

「嫌がらせ魔法の弊害が面倒そうじゃし?」

「あなたといたら余計な戦闘増えそうですしぃ」


 残念だったなクレメオ!一緒にいて戦闘が増えるのはむしろ私の方だったりする!無駄に存在力高くてモンスターが寄って来ちゃうんだなこれが。

 とまぁ、2人でパーティは組みたくないとステープラに言い聞かせると渋々ながら了承した。ならせめてフレンド登録だけでも、と言われたのでそこは登録しておこう。え?クレメオとは?HAHAHA、「次会った時はお互い敵同士ですねぇ」みたいなありがちな台詞吐く奴とフレンド登録なんてしませんよ!しましたけど!


「じゃあ私、一旦ベースキャンプに戻って報告するつもりだけど2人はどうするの!私の御勧めは私の護衛でベースキャンプに戻る事なんだけど!」

「いや、もうちょい探索するけど」

「私も探索ですかねぇ、ここはお開きでぇ」

「ぴえん!」


 ぴえんをリアルで言うやつ初めて見ました。いや、意地悪じゃなくてね?私といるとモンスターに見つかりやすくなるからね?もしステープラが戦闘狂と言うのならついてってもいいけど君普段は隠れて行動するタイプだよね?寧ろ優しさとまで言える。

 という訳でこの場はお開き。念のため、私とクレメオはそれぞれ正反対の方向へ進んだ。ステープラに不思議がられたが、色々あるんです。



 さて、ようやく一人になったわけだけども……騒がしいの(ステープラ)がいないだけでここまで違うか。少しシャドルと話したくなるのを抑えて私はジャングルを進み、ある事を思い出してウィンドウを操作する。

 実はティラノの生肉を飲み下した時、スキルを入手していた。驚きはしたんだけど、他2人の注目が生肉に食らいつく私に行っていて気付いた様子は無かった。えーっと何々


(アギト)

アクティブスキル

自身の目の前に龍の口の幻影が現れ、対象をかみ砕く。また、対象が食べられるものだった場合、かみ砕いた瞬間使用者の口内へ入る。


 読みは3文字だけど1文字のスキルは珍しいね。テキストを見る限り、龍関連のスキルだねこれ。ちょっと運営さん&プライヤさん、ヤンキー関係のスキルどうしたのさ。強いのかもしれないけど、もうちょっとこう、RPに合ったスキルをですね……!!

 なんて文句を言っても始まらない。とりあえず、スキルの仕様確認をしてみようか。とりあえずこの太い木に向かって――


「えーっと、"顎"。うゎぉ」


 スキルを発動させた瞬間、説明文通り目の前に半透明の龍の口が現れた。何というか、サメの歯を何倍も凶悪にしたような歯だなぁ……なんてボーッと考えていたらミシィゴキィとプレス機で木を潰すような音がした。はい、顎が太い木に食らいついてます。そんなウエハースを食べてるんじゃないんだからさぁ……攻撃?が終わったのか、顎が消える。残ったのは幹に巨大な歯型が付いて今にも折れそうな木の無残な姿。これ、生き物相手に発動させるのちょっと抵抗あるなぁ……

 さて、当然の話ではあるが、今回顎を使ったが、私の口内に木屑が入ることは無かった。実は少し警戒していたんだよね、私の体の中の龍?が悪食だから。さて、続いては実験その2。食べ物相手だとどうなるのか。えーっと、インベントリの中にはーっと


「カレーかぁ……」


 イベント参加前に購入したカレーライス(激辛)があった。まー、便利なもので購入してから時間が経っているはずなのにホカホカですよ。ではカレーを地面に置いてと。少し離れて顎。

 顎は問題なく発動。注目していたカレーに食らいつく。さぁ、どうなる?


「おぶっ!?ふぁっ!?」


 一気に来た。一気に来た!カレー丸呑みしたから私の口の中にカレーが一気に流れ込んできた!熱い!火傷するほど熱くないけど熱い!ちょっ、明らかに口の中の限界量越えているはずなのになんで入るの!?あ、でもこのカレー激辛銘打ってる割にそれほど辛くないな

 はい。はいじゃないけどはい。結論、食べ物相手に使わない方がいい。使っても一口サイズの物。

 では最後に実験その3。私が食べれる物と認識してない食べ物。


「正直気が進まんのんじゃけど、これはやっといた方がいいじゃろうけぇのぉ……」


 自分を納得させながら取り出したるは、先程のティラノの生肉。クレメオとステープラに「そんなに好きなら……」と多めに分配された。そんなに好きじゃないんですけど?

 デンと置かれた生肉ブロック。うん、これを食べようだなんて思えない。生肉を喰らうなんてそれこそ獣のすることだからね?私は文明人。調理して食べたほうがおいしいと分かっている。だから顎は生肉を嚙み潰すだけ……そのままペッと吐き出すんだ。

 少しだけ嫌な予感を感じつつもそれを払しょくするように両頬を叩いて気合を入れる。


「よし!!顎!」


 半透明な龍の口がティラノ生肉に食らいつく。これは食べ物じゃない食べ物じゃない食べ物じゃない


「ぐおおおおおおおおおおおお!!」


 はい、嫌な予感的中!食べ物判定どうなっとるんじゃああああああああああああ!!!

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― 新着の感想 ―
[一言] オウカ「これは食べ物ではありません」 顎「いいえ、これは食べ物です」 メシマズ嫁の顎に怒るオウカ
[気になる点] むしゃむしゃ、しながらバトル! [一言] ドラゴンでヤンキー進行中!
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