始まりの街
気がつくと俺は森の中で眠っていた。
俺の身長より何倍も高い木々に囲まれ、その合間からさしてくる日差しが少し眩しい。
「どこなんだ・・・ここは」
辺りを見渡すが道標らしいものは無く俺は少しの間辺りを散策する羽目になった
(どうせならどっか街の近くに飛ばしてくれても良かったんじゃ無いかな)
何て事を思いながら散策をしていると俺はふと、自分のリミッターについて思い出す。
「あ、そうだ ここなら人もいないから俺のリミッターがどういう風になってるか試すには良いタイミングなんじゃないか?」
一人で話してて寂しい気持ちになったがそんな事構いやしない。
(今は分かるだけで1..2..... 3個か、結構多いな)
「よし!取り敢えず全部解除みよう」
「まず一つ目・・・」
なにも変わった気がしないが俺の体の中で少し違和感があった。
リミッターは全部で3つだと思ったが一つ解除した際に、4つ目があるような気がした。
しかし俺は 何かの勘違いだろうと思い深くは考えなかった。
「二つ目・・・」
森がざわつく、今まで感じなかった動物の気配がはっきりわかる。しかしそれらは俺を警戒、いや 怯えてるように感じた。
それに先ほどの4つ目のリミッター、これが疑念から確信に変わった。
ある、四つ目は確かにあった。
なぜ気づかなかったのか、考えるられる理由は、一つ解除した程度では気づかないほど体の奥、深淵の方まで深い所にリミッターがあったのかも知れない ということだ。
「三つ目・・・」
怯えて動かなくなっていた獣達が一斉に俺の近くから逃げ出した。鳥もだ、何十 何百いたであろう鳥達も俺の近く、半径500m圏内にはいなくなるのを感じ取れた。
それと嬉しいことが分かった、近くに人の気配がした。それも大勢のだ きっとここが街なのだろう。俺はそこを第一目標にすることにした。
そして
「四つ目・・・」
俺はここでさっきの自分の感覚が間違いがあったことが分かった。
リミッターの数、これは三つや四つだと思っていたがそれは違った。
「八つ・・・?」
確かにそれは全部で八つあった。まだここが折り返し地点だったのだ。
まだ半分、それしか解放していないのに、地面が揺れ、木々が揺れ、この森全体の構造を把握できるようになっていた。
(おいおい、マジかよ・・・やりすぎだろこんなの)
俺は少し自分自身が怖くなり、これ以上は今は止めようと決心した。
幸い、今ので街の方角も理解でき最初の街に行くのに時間はかからなかった。
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街の入り口に着いた。
入り口の前には一人の老人が座っていた。
「あ〜いらっしゃい。始まりの街[イグニス]へようこそ・・・っと言いたいところだが・・」
そこで老人は口籠らせた
「なにかあったんですか?」
「いやな・・・さっきお前さんが来た方角から物凄い魔力を感じてな・・街全体が緊迫しとるんじゃ」
「俺が来た方角・・・?」
心当たりしかなかった。
「街の冒険者達がその正体を突き止めに行くって躍起になっておるんじゃよ。」
「あー・・・そうなんですか・・・」
それ多分俺が原因です すいません
「まあ、お前さんには関係の無いことじゃ、お前さんはこの街をじっくり堪能して行ってくれ」
「あ、そういえば さっき冒険者って言いましたよね?なにか冒険者の施設というか、ギルドみたいなものがあるんですか?」
「おお あるとも、お前さんも冒険者志望なのかい?」
「まあ、そうですね」
冒険者といえば異世界の花形だ やらない手は無い
「ここを入って真っ直ぐ行けば見えて来る、目立つから一目でわかると思うぞい」
「ありがとう 爺さん」
ここからが俺の異世界ライフの始まりだ