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友と姫と異世界探求者

目が覚めた


宿のベッドに横たわっていて起き上がろうとすると腕や背中が傷んだがなんとか上体を起こせた。


「あ、イズルさん起きましたか!」


声の主はアリサ 俺が眠っている間看病してくれたのだろうか


「一応軽めの傷は治しましたけど...背中と左腕の怪我は特にひどくて...今の私の魔力じゃ治せませんでした...すいません」

頭をぺこりと下げるアリサ

確かに腕の方は折れている しかし背中の方は酷いというほどの痛みは感じなかった。

「ああ、もしかしたら自然回復力を早めるスキルの効果なのか」

ゲーム初期にとったスキルだったがそもそも廃人末期の頃はダメージを受けなかったからほとんど意味のないスキルだったがこっちの世界にだと意外と重宝するみたいだ。

「自然回復を高める...そんなものまで持ってるなんてスゴイですね...」


「昔取った杵柄だよ、持ってた事さえ今まで忘れていたし...けどまあ、今はこれがあって良かったよ。多分今日1日寝れば明日には出発できる」

そう、俺たちは早くこの町を出なければならないのだ

多分あいつの事だ、俺たちの事を不法侵入だとか傷害事件だとかで捕らえにやってくるだろう

「だから早く治さなきゃな」


「そうですね...けど無理はしないでくださいよ?」


「大丈夫だよ」


アリサと話していると部屋の前で誰かが立っている気配を感じた。誰かは想像できるがなぜ入ってこない


「どうした?入ってこないのか?」

しびれを切らしこちらから話しかける。アリサからすれば俺が一人で喋るだしたように見えるだろう。


とびらがガチャリと開きイーリアが中に入ってきた。

「さすがだな、なるべく気配を悟られぬようにしてたんだがな


「それくらいわかるさ、それよりなんですぐ入ってこなかったんだ?気まずかったのか?」


「いや...ふつうに気まずいだろ、本当はここに来ることも躊躇したんだぞ」


「ほうほう...なにか来たことに目的があると見える」


「イーライが目覚めた」

「今は目覚めたばかりで記憶が混同しているがじきに自分の身に何が起きたのか思い出すだろう」


「だから早くこの街を出ていけと」


「...そうだ、奴は真っ先にここを抑えに来るだろう、だからお前の体が動けるのなら早くこの街を出ていくことをお勧めする」


イーリアは少し目線を外し手をぐっと握りしめる

「すまないな...本来騎士団は人々を守るのが役目だというのに...」


「イーリアさん...」


「それだけだ、邪魔をしたな」

イーリアは扉を開け出ていこうとする


「ちょっと待った、まだ俺たちにはこの街でやり残したことがある」


「....」


「イーリア、俺たちと一緒に旅をする気は無いか?」


「お前たちはまだそんなことを言ってくれるのか」

イーリアはこちらを向かずその一言だけいうと出て行ってしまった


それを追うようにイズルが大声で叫び叫ぶ

「出発は明日の早朝!場所はこの町の正門の前でお前を待ってるからな!!」


返事はない、聞こえていたかどうかもわからない

ただイズルとアリサは彼女が来てくれるのを祈るしかなかった。

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