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決勝戦

控え室にてー


「キミがイズルだね?決勝戦はよろしく頼むよ」


爽やかな青年だ、ニコニコしながら握手を求めてくる こんなの断れるわけないだろ。


「あ、ああ こちらこそよろしく頼む」


なんでこんな力強く握るんだ 始まる前から終わらせにきたな


とにかく痛い



フィールドにてーー


『いやあ、もう決勝戦か〜今回も早かったなー それに決勝に上がってきた二人が両方とも初出場だなんて恐れ入ったぜ!!』


決勝だからだろうか観客がさっきより増えている気がする。声援もより大きい、てかスレイの声援ばっかじゃねえか もしかして増えたの全部スレイのファンか!?


「それじゃあイズル、握手を」


「さっきやったじゃん」


「さっきのは君個人に対する握手だ。こっちの握手は観客にフェアプレーを誓う意味での握手なんだ」


なるほどこれが騎士道精神(?)か、ようわからんな


二人はもう一度握手をすると少し距離を取り戦う構えをとった


『二人とも最高のラストを飾ってくれよ?それじゃあ 試合開始ーー!!』


先に仕掛けたのはスレイだった。

鎧を着けてるとは思えないほどの神速でイズルに近づくと強烈な横斬り、イズルも剣でガードするがスピードの乗ったスレイの方が一枚上手だった。たまらずイズルは吹き飛ばされてしまう

が、吹き飛ばされただけ、ダメージは殆どなくすぐに体制を整えた。


「...さすが決勝戦まで来ただけはあるね。準決勝は歯ごたえがなくて」

嫌味に聞こえねーな これ本心から言ってんのかこいつ

「今度はこっちから行くぞ!!」

雷を纏った剣での攻撃、しかしこれをスレイの盾が完全に防いでしまう。

「っだよ!その硬さ!」


「悪いね、この盾は僕特製のマジックシールドなんだ、強度も優れているが火も水も地も風もどの属性の魔法もこの盾には敵わない!勿論、雷もだよ」


スレイの言っていることは本当のようだ

さっきから微弱な電気を盾に当てているが当たった途端魔力戻されてしまう

「けど!」

再びイズルが正面から突っ込む

「その盾相当重いみたいだな、お前が地面を蹴る時その背格好とは釣り合わないほど地面が抉れている。体力を消費させて疲れきったところを叩く!」


盾をできるだけ動かすために四方八方から雷速で攻める。

「ぐっ・・・!」

隙ができた

よろめいたこの瞬間、この視覚からの一撃ならばお前の盾は間に合わない

「とった!」

あれ?これどっかでみたぞ

「確かにこの盾はすさまじく重い、木の椅子におけば重さに耐え切れず椅子が壊れるほどだ、風の魔法で軽くすることもできない」

「だからこそ鍛えた、この盾を軽々振りまわせるのは日々の訓練の賜物だ!」

盾でガードは間に合わない

しかし、ガードではなくただの鈍器としてイズルを殴りつけることならできる。

すんでのところで体を回転させ剣を回避する。その回転させたパワーのまま盾でイズルを殴りつける


「がっ・・・!!」

イズルはこれをもろに頭にくらいたまらずダウンしてしまう。

朦朧とする意識の中、イズルは考えていた


めっちゃいてえ....あいつこれで俺が死んでたらどうするつもりだったんだ。


起き上がろうとした瞬間さらにイズルは考える


まてよ...?もう目的は果たしているしここで起き上がることにあんまメリットなくないか?優勝するに越したことはないけどそんな事をしたら少なからず騎士団長の耳に入るよな、そしたらまためんどくさい事になりそうだ


そしてイズルは決断する


このまま寝とこう・・・


しかしここで実況からのアナウンスが会場中に響き渡る


「イズル堪らずダウーーン!!こりゃ豪華商品と()()を得るのはスレイで決まりかーー?』

これを聞いたイズルがよろよろと立ち上がりスレイに問いかける。

「賞金ってなんの話だ・・・?」


「知らなかったのか?確か...金貨50枚だと聞いているが」

それを聞いたイズルの目の色が変わる


違うよ?お金に目がくらんだんじゃないよ?ただやっぱり手を抜くのは相手にも悪いし 騎士団長もどの道殴るんだからバレても関係無いんじゃない?って結論に至っただけだから別に大金目当てじゃないから、それに仮にもし大金目当てだとしてもだよ?旅するのにお金って必要じゃない、だから、だからだよ?ギンだって言ってた「楽して儲けた金で食う飯が一番美味い」って ※言ってません


「俺は..負けられないんだ!!!」

主人公の様なセリフでスレイにぶつかっていく

力は互角だが盾で守れる分、スレイの方が有利だった。

(力は強いが動きが単調だ、彼の行動を見切った後カウンターを一発入れておしまいだ)

スレイがとどめの一撃を画策している時、

「死ぬええええええっっっ!!!」

イズルのすごい力でぶった切る攻撃がスレイを襲う それを盾でガードするスレイ

「残念だよイズル、何度やろうと君にこの盾を・・・、!?」

盾に大きなヒビが入る、いやこれはヒビというよりもはや亀裂だ。スレイの盾に真っ二つに割れんばかりの亀裂が入った

「な、なんだと・・・?」

「もう一丁ーー!!」

亀裂の入った盾ごと薙ぎ払うと盾は完全にバラバラに崩れ去りスレイは後ろに吹っ飛ばされた。

「ふっ・・・盾を()()()()()()()()?」

一人で何か呟いている

「この盾がある時とない時、僕には二つの戦い方があるんだ!盾が無い今、この身軽になった僕のスピードに追付けるものは誰もいない!!」


スレイが走り出そうと地面を蹴る一瞬、


その一瞬でイズルは彼の後ろに回り込んでいた


「・・・!!くそっ!」


攻撃を警戒したのか後ろを振り向き、ガードをして飛び退くがもうそこにイズルの姿はなかった。


どこにいるのか目で探すが見当たらない


すると突然、背中に走る鈍い痛み


イズル


イズルが飛び退いた彼の背後に回り込み背中を思い切り蹴り上げたのだ


いきなり顕著に現れた実力の差の正体、

それは


イズルが勝つことに必死になりすぎて

間違って3rdリミッターを解放してしまったのだ。


2ndと互角にやりあえたとはいえ、3rdでやり合えば実力は天と地ほどの差が出る

しかもイズルはまだリミッターを解放ていることに気づいておらず全力で戦ってしまっている。


こうなった時点でもうスレイに勝ち目は残っておらずただ一方的に嬲られるしか他なかった。


『し、勝者イズルーー!!!」


赤子の手を捻るが如く、蓋を開けてみればイズルの圧勝で終わっていた。観客も接戦を期待していたのにここまで圧倒的な差を見せつけられれば盛り上がるに盛り上がれずただ黙るしかなかった。


「ふぅ...」

イズルの体から迸るで電光が徐々に落ち着きを見せた時、自分の体に起きた異変に気付いた。


「あれ...俺これリミッター...」


2ndで戦っているつもりが3rdだった しかも手加減もせず本気で

イズルは自分がやらかしてしまったことに気付き顔がどんどん青白くなってしまった。


やべえ...絶対にやりすぎた...あいつ死んでないよな?異世界にきて人殺してバッドエンドなんて馬鹿すぎて目も当てられないぞ...


イズルが一人で葛藤している時後ろから声が聞こえた


「いやあ流石だねボロ負けだったよ」

声の主はスレイ、体はボロボロでもしかしたら体の骨も何本か折れているかもしれないのに起き上がり再び握手を求めてきた。


「また握手するのか?」


「ああそうさ、戦った後は握手をする これが一番重要なことだからね」


心にズキンとくるものがあったが今は彼が死んでいなかった安心を胸に有難くこの握手を受け入れるとしよう


二人が握手をした瞬間、会場は花火が上がり空にはあれも何かの魔法だろうか大きな文字で


優勝おめでとう!!イズル!!


と空中に描かれていた。


そっか...俺優勝したのか...


イズルが観客席を見渡すと喜びながら手を振っているアリサの姿とそれをなだめるイーリアの姿があった。

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