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vsイーリア

『トーナメント準決勝第一試合 イーリアvsイズル!!』


湧き上がる歓声とともにフィールドの中央に集まる二人その最中イズルは様々なことを考えていた。


イーリアと出会った時の事、この町に来てから色々と世話になった事、そしてイーリアがこの戦いを待ち望んでいた事


「イズル、今何を考えていた?」


イーリアの呼びかけにハッとするイズル


「いや、何もないよ 少しぼーっとしてた」


「そうか それならいいんだが...」


『それでは!準決勝第一試合、スターート!!』


試合開始のゴングが鳴る


「行くぞ!イズル!」


最初に動いたのはイーリアの方だった

初っ端から魔法を唱えるとイーリアの後方に岩でてきた大きな両手が出来上がった。


「私の得意魔法は【地】!この手に捕まればお前といえどただでは済まないぞ!」


イーリアは剣を抜くと岩の手と共にイズルに向かって間合いを詰めてきた。


「っと...やべえな」

後方に跳びのき距離を置くイズルに

「そこだ!!」

すかさずイーリアが地面に手を置くと、地面からより大きな岩の手が出てきてイズルを空中で捉えてしまった。


「ふふーん、意外とあっけなかったな、さあ降参しろ!」


「まだまだ!終わらねーよ!」

自身に大きな雷を落とすイズル、そうすると彼を捉えている岩の手に亀裂が入り バラバラに崩れ去った。

「ぐっ・・・!そんなの無茶苦茶だろ!」


「無茶でも何でもおまえが戦っているのはそういう男なんだよ!」


イズルの右手に魔力が集まる

「喰らえ!《ライトニング・ボルト》!」

手に集まった魔力を雷に変え雷撃としてイーリアに飛ばす。紙一重で避けるがその威力はコロシアムの壁を一部破壊するほどだった。


「詠唱もしないであの威力...」

破壊された壁を見て再びイズルの強さを実感するイーリア

「どうする?もう降参か?」

動かないイーリアを見てイズルがそう提案する。

「バカ言え!私だってまだまだこれからだ!」


イーリアは地面に剣を突き立て大きな魔法陣を生成する。

「何をするつもりか知らんがそんなことさせると思うかって、うわ...っと!」

イーリアの背後にあった岩の両手がイズルに向かい飛びかかってくる。大きさに似合わぬ素早さのせいで肝心のイーリアに近づけずにいた。

「くそっ!こっっっの!!!」

やっと思いで両手の攻撃を避け、イーリアの元へ辿り着く、がー

「もう遅い!!」

地面に突き刺さった剣が地面に呑み込まれる。次の瞬間ー


地面からイズルに向かって何本かの剣が飛んでくる。が、これを間一髪避ける


「な、なんだ...コレ!?」


イズルが空中に目をやるとそこには呑み込まれた剣と同じ造形の剣が無数に地面から浮かび上がっていた。


「これが私の奥の手、《グラディウスの(つるぎ)》」


イズルの後ろにある剣の一本がイズルに向かい勢いよく飛んでくる。それを避けるとその剣はそのままイーリアの手に収まった。


「行くぞ!イズル!」

イーリアが向かってくるが空中に展開された剣が事あるごとにイズルに向かい飛んでくる。それを避けるのにアンテナを張り巡らせていると今度はイーリアの行動が疎かになる。


「何か攻略法はないのか...」


その時手に付いた砂に電気が一瞬反応するのを感じる。

「...!そうだ、これだ!」


地面に電気を垂れ流すイズル

「どうした!勝負を諦めたか!?」


「なわけねーだろが!!」

イズルが力を込めると地面から空中に黒い霧のようなものが出現した。

「・・・!?なんだこれは」

イーリアが固まっているとその黒い霧はグラディウスの剣の一本一本に張り付いていった。


「この黒いのは砂鉄、そしてこれがお前の奥の手の攻略法だ!!」

剣についた砂鉄にイズルの電気を結びつけ、それを思いっきり引っ張る。

そうするとすべての剣が一斉に地面に落ち始める。


「くっ...!剣の制御が効かない...」


地面に落ちた剣が再び宙に浮きそして一斉にイーリアの方に剣先を向ける。


「この空中に浮いている剣全ての支配権は俺にある これで終わりだ」


「ぐっ...!」

イーリアの右手が動く

その瞬間剣の一本がイーリアの足元に勢いよく突き刺さる。

「動くな 次は当てるぞ」

イズルがワザとらしく指を回している。


「はあ...私の負けだな、残念だ」


『決まりましたーー!!!勝者 イズル!!』

歓声が上がる、何回されてもいいもんだ


「おめでとう、イズル」

イーリアと握手をする

「さっきの約束忘れてないよな?」


「ぐっ...ちゃんと覚えていたか、それで?なにを命令するんだ」


「まあ、命令とは言わないけど提案だ」


「イーリア、俺たちのパーティに入らないか?」


「パーティ?仲間になれということか?」


「そうだ これからいろんな街へ行って、いろんなものを見て、ダンジョンだって行くんだ!一緒に苦楽を共にする仲間だ、どうだ?」


「・・・強制なんだよな?」


「強制したいがやっぱ最後に決めんのはお前だよ」


「・・・少し考えさせてくれ、とりあえず今は決勝進出おめでとう、それだけ言わせてくれ」


「ああ、ありがとう」


その時ー

コロシアムで歓声が上がる


「どうしたんだろう?」


「終わったのか...」


「終わったって...試合がか!?まだ始まって1分経ってないぞ!?」


「さっきも言っただろう あいつの強さは別次元だ。お前も舐めてかかれば痛い目にあうぞ」


それだけ言うとイーリアは控え室を出て行ってしまった。


イズルがふとモニターに目をやるとそこには自分の2倍近くある大男を倒し、観客に手を振る青年の姿があった。


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