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トーナメント一回戦

『さあ、第一試合 イズルvsボラン!!試合開始!』


俺の初戦の相手はこのボランという相手のようだ。肌が黒くてムキムキの体で俺よりでかいし、うわ...すごい傷だらけ これが傭兵かあ、いや知らんけど


「なんだあ〜?俺の相手はこんなチビガキかよ。がっかりだなあ〜」


いやお前がでかいだけなんだけどね、それにそういうフラグみたいなこと言うのやめろ


「もう試合始まってんだからさっさとかかって来いよ」


「はあ〜...この傭兵歴10年の俺様がそんな大人気ないことするわけないだろぉ?ハンデだ 先手はお前にくれてやるどっからでもかかって 「あっそ、じゃあ遠慮なく」


「・・・え?」


剣も抜くことなく地面に倒れるボラン、最後に見た光景はいつの間にかイズルが自分の眼の前にいたことだけ。自分が何をされたのか分からないような顔をし目だけが見開いている。


「おじさん本当に傭兵だったんだな」


「ま、待て!!俺の体が動かない!ちょっと待て!!」


「いや、それおれがやったんだから待つも何もないだろう?お前がなにしてもいいって言ったから体の自由を奪っただけだ」


「なにをしてもいいとは言ってないだろ!?こんなの無しだ!もう一回正々堂々と闘いやがれ!!」


「ええー...まあ、いいけど」


イズルは仕方なく体の自由を戻してやりもう一度闘うことにした


「クソが...もうこうなったら手加減なんてしねえ...今更泣いて謝っても遅いからな!!!」


今度はちゃんと剣を抜き正面から向かってくるボランさっきの攻撃が相当頭にきたのか剣をブンブン振り回してきている。


「それじゃあ...俺も剣()()で闘ってやるよ」


ボランが飛び上がり全体重をかけてイズルに振り下ろす イズルも抜いた剣で攻撃をガードした。普通なら体のでかいボランの体重の乗った振り下ろしの方が強いと考えるだろう。しかし、


「う、動かねえ・・・?」


「ほらどうしたよ、俺は動いてないし片手で受け止めてるぞ?」


「そ、そんなはず...俺の攻撃が片手で...?しかも一ミリも動かないなんて...」


ボランは冷や汗をかき化け物を見るような目でイズルをみている。


「剣で受け止めてるだけだぞ?もっと本気出せよ」


まあ実際のところ、俺はそんな馬鹿正直に剣だけで受け止める気はさらさらない。

自分の体に電流を流し一時的に筋力を増加させているだけだ。そうでもしないとこんな力任せの攻撃を一ミリも動かさず防ぐことは出来ない。しかしボランには圧倒的な力の差のように映っただろう、そして敢え無く


「こ...降参だ...」


これだけ差を見せつけられたのだ 折れないという方が無理だろう


『勝者 イズルー!!!』


歓声が湧き上がる これは気分がいいずっと味わっていたいほどだ。


控え室に戻るとイーリアはもういなかった。多分入れ違いでフィールドに向かって行ったのだろう


「次はあいつの試合だしな」


控え室にあるモニターにはイーリアとその対戦相手の試合が映っていた。相手選手は素早い剣撃を得意としておりイーリアに攻撃の隙を与えなかった。しかしイーリアも相手の攻撃を紙一重でかわし一度も当たってはいない。


「おいおいどーした?避けてるばっかじゃ勝てねーぞ?俺のスピードについてこられないのかー?」


相手のわかりやすい挑発にもイーリアは乗ってこず


「お前の弱点を見極めていただけだ、これも勝利への一つの道だろ」


「へっ、弱点を探しているなんてそんな事ペラペラ喋っていいのかよ!!」


そう言うと相手はどこから取り出したのか二本目の剣を取り出し左右からイーリアを斬りつけようとしていた。


「安心しろ、見極めたから喋ってやっているんだ」


イーリアは両手で持っていた剣を片手持ちに切り替え取り出してきた2本目の剣の方にぶつけた。しかしもう一本の方を対処するための剣をイーリアは持ち合わせていない。

「勝った!!!」


相手が勝利を確信し叫ぶ。しかし・・・


「ふんっ!!!!」


相手の剣の根元にイーリアの手甲付きの裏拳がぶつかる。すると、


バリーン!!


剣が根元から折れてしまった。


「ぐぁっ!て、てめえ...俺の剣の事知ってたのか!」


対戦相手は何かを悟ったのか先程までの余裕はなく差し迫った様子は見せた。


「私も剣の事は少しだけ詳しくてな、あれだけ刃を交えれば嫌でもわかる。それはレニード製の剣ではないか?」


「・・・ああそうだよく分かったな」


「お前の剣撃は確かに早い、しかし早いだけで本来あるはずのパワーや重量をまるで感じなかった。レニード製の剣は軽く扱いやすいがその反面、耐久性が低く長期戦には向かないのが特徴だ」

「もしその剣を使うならそちらを2本目にするべきだったな。それなら奇襲性も生まれただろう」


「・・・へっ、生憎両方とも同じ剣だ、何も変わらねーよ」


「むっ、そうか...それで?まだ続けるか?」


「種がばれてんのに勝てるわけねーだろ、負け負け俺の負けだ」


『勝者 イーリア!!!』


歓声が沸き上がりイーリアも緊張の糸が切れたのか観客に手を振って盛大に喜んでいた。

控え室に帰ってくると真っ先にイズルを見つけ


「見ろ!私も一回戦突破だ!次はとうとうお前とのリベンジマッチだ!」


「ああ、俺も気を引き締めていかなくちゃあな、それに俺との約束覚えているか?」


「勝った方の言うことを一つなんでも聞くだろ?当然覚えているさ!」


「ちなみに、イーリアが勝ったら何にするんだ?」


イズルがそう言うとイーリアはニヤニヤしながら


「なんだあ?イズル、なんで負けたときの話をしてるんだあ?もう負けを認めてるのか?」


前にイズルが言ったことをそのまま返された。しかしイズルはキョトンとし


「いや?ぜんぜん?」


「ぐっ・・!もうちょっとムキになれよ!!なんか私が馬鹿みたいだろ!?」


「あ、ごめん」


「謝るな!そこは謝ったらだめなとこだ!」

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