〜プロローグ 〜
RPGは楽しい、頑張れば努力した分だけレベルが上がる。
現実は違う、どれだけ努力しても報われない者は一生報われない。
だから俺は仮想世界に逃げた。
この世界なら俺は最強でいられる
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「極めすぎた・・・」
このゲームのやれる事を全部やってしまうと残ってることはpvpしかない。1on1の挑戦状が常に何通か来てるが全員倒した事のある奴だ。最近はそれすら飽きてしまい挑戦状を送って来た数人をまとめて相手する事が増えてきた。それでも全戦全勝をするもんだからさらに同時に戦う人数が増えていく。このまま行けばゲームプレイヤー全員と戦うことになるかもなぁなんて考えて今日もメールボックスを開く。
「たまには新鮮さが欲しいなっと...」
「ん?こいつ・・・初対戦か?」
見たこと無い名前の挑戦状が届いていた。
「GODだと・・・?ふざけた名前のやつだな、まあ いいや 相手してやろう」
ー闘技場にてー
【GODだ、よろしく頼む】
「なにがよろしく頼むだ、相手が誰だか分かってんのか」
ー決闘開始!!ー
戦って分かった。
こいつはそこら辺の有象無象じゃ無い
俺の闘い方、スキルの構成、俺の全てを知っているかのような動き
「まじで何者なんだよ・・・こいつ!!」
俺の使う技も全て見切られている、このままじゃジリ貧だ。
「いいぜ、好敵手!俺の全てをぶつけてやる!!」
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あれから何時間が経ったのだろう
ジリ貧だと思った闘いもこいつと闘う事によって俺自身も新しい戦法がどんどん冴え渡り、
気がつけば
10時間が経過していた。
こんなに長い時間戦う事は初めてだ。一対多の戦いでも30分も経つことがほぼ皆無だ。最後の方は俺もハイになっててどうやって戦っていたかはっきりとは思い出せない。
しかし・・・
俺は勝った、この最高の敵に俺は勝ったのだ
「はああ〜〜疲れた〜〜」
ピロリン
メールが届いた。差出人はGODだ、
「まあ多分、対戦ありがとうのメールだろう」
俺はそう思い、メールを開けた、
その瞬間、
俺の目の前は真っ暗になった。
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「あれ?ここ・・・どこだ」
気が付いた時、俺はどこか俺の部屋とは違う場所にいた。
うす暗い書斎のような場所だ。少なくてもこんな部屋俺の家には無かった。
パン、パン、パン
誰かが手を叩く音が聞こえた、振り向いてみると
「おめでとう!少年!!君は私に勝利した!そして挑戦権を手に入れた!!」
俺は急な出来事に困惑した、この手を叩いているちっこいガキが何者かも分からない。
「お前一体誰だ?」
「私はGOD、先ほど君と闘っていた相手だよ」
俺は愕然とした。俺があれだけ死闘を繰り広げていた相手がこんなお子様だとは思いもしなかった。
「いやあーまさか私が負けるとは思ってなかったよ!ちょっとからかってやろうと思ってお前さんに挑んだんだが、まさか負けるとはなあ」
GODは一人でヘラヘラ笑っている。
「結局、お前はなにがしたいんだ?ここは一体どこなんだ?、」
「まあまあ一気にそんな質問されても困ってしまうだろう。まあ連れて来た目的はなあ... 君にその気があればある世界へ招待してやろうと思ってな」
「なんだ?ある世界とは」
「異世界だよ。異世界」
「お前さん、この世界で生きるの辛いんだろ?だから私に勝った褒美として異世界に招待してあげるのさ」
「異世界・・・」
色んなRPGを経験してきた。どれもこれも魅力的でもし自分が行けたら、何て考える事も多かった。その夢が今・・・
「叶うのか・・・」
「さあどうする?君が行きたく無いと言えば次の瞬間に君の部屋のベッドの上に返してあげるが?」
「そんなことする必要は無い、
俺は異世界に行く!!夢を現実にしてやるさ!!」
「うむ!よく言った!!それでな、相談なんだがゲームでいうところのステータスの部分なんだがな?私はそういう細かいのを考えるのが苦手でなあ...君のキャラクターのステータスそのまんまでいいか?」
「それは構わないが・・・ちょっと強すぎないか?」
「それなら、魔力の部分にだけリミッターを何個か付けといてやろう。任意で付け外しができるようにしておくから自分で適度な強さを保っときな」
「あともう一つ、リミッターに面白い機能を付けといてやろう」
「面白い機能だと?」
「そうだ!これは【平行世界】と言ってな?お前に付けた各リミッターの位置にこの機能を仕込むとだな...お前が脳裏に描いた戦闘スタイルを完全なオリジナルとして昇華させ実践で使うことができる代物だ!」
いまいち理解ができない。何かとても難しいことを言っているように聞こえる。
「あー...例えばだな、お前のキャラクターの得意魔法は雷属性だったな。リミッター解除時に例えば『火属性魔法を使いたい』と思えばお前はそれを現実にさせることができるんだ」
「...まあ、所謂『ありえたかもしれないもう一つの戦い方って事だな』
「それ、元に戻れるのか?」
「もう一度リミッターをつけ直せば元に戻るさ」
「それなかなか面白そうだな」
「そうだろ?そうだろ?それじゃ話も付いたところで、さっそく行ってもらうとするかな」
そう言うとGODの体は宙に浮き、その両手の中には小さな世界が映し出されていた。
「お前の第二の人生だ。お前の好きな様に好きな事して楽しみな!!」
現実世界はクソだった。
努力は評価されない、評価されるのは残した結果だけだ。だから仮想の世界に逃げた。しかし、今は違う俺は俺の力で夢を叶えたんだ。
だからこんどこそ....
「楽しんでみせる!世界を!!」
初投稿です。少しでも楽しんでいただけたら嬉しい限りです。