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36 第6番世界 触らぬ神に……

4番世界で勇者達が旅立つ頃、6番世界のシュテル一行は旅館でグーダラ中。

スーパーに突撃して購入した物は全て入れ物を移し替え、保存している。

魔力を込めると中の時間が戻り、無くならないように。

とは言え、6番世界も自分の管轄になりそうだからやる意味無いかな……とも思っていた。自分の管轄になれば転移は自由だ。そうなれば買いに来ればいいのでわざわざ魔道具に移す理由も特に無い。

しかし一度やりはじめてしまったので、全部やった。

飲み物もお菓子も調味料も、飲み放題食べ放題の使い放題である。まあ、普通の人間が魔力込めたら速攻でぶっ倒れる程度にはコストが重いのだが。


それも数日で終わり、残りはダラダラ過ごしつつ……6番世界の生活ぶりを観察していた。

所謂人工知能……AIが発達しており色々サポートをしてくれているようだ。

カーナビは勿論AI。運転サポートも車体に付いたカメラでサポート。

更に少し良い奴なら、所謂スマホにもAIが標準搭載。AIが積まれている機種なら音声認識が快適。

もっと良い奴だとVR技術を使った脳波操作が可能な物まであるようだ。


更に更に、このAIちゃん。実にカスタム性が高い。学習機能付きだ。

使っていれば持ち主の好みを覚えていくし、表示モードでミニキャラや八頭身お兄さんお姉さんと切り替えが可能。

AIカスタムキット的なソフトまで売られているし、アニメキャラのAI用カスタムデータを公式が売っていたりする。

実に商売上手というか、せこいというか……音声とスキンとモーションがセットになっているフルパック。音声だけのボイスパック。見た目だけのスキンパック。アニメに忠実な動作をするモーションパック何かもあったりする。

実にお高いAIカスタムキットを買うと、服やモーションなどが1から自分で自作可能になる。まあ、それ相応の能力と知識が必要なわけだが。訴えられない程度に自作スキンやらを配布している職人達がいるのはいつの世も同じか。

画面内でそのAIがウロウロするのだ。その分の消費電力はご愛嬌だろう。


発電方法も火力や原子力から核融合へと向かい、ソーラーも発展していた。

ソーラー発電タワーなるでかい建物があるのだ。

太陽光を集束、内部で光ごとに分けて反射させ、それぞれの光に合った物でエネルギーに無駄なく変換する施設。

当然核融合なんかより圧倒的に低い発電量だが、ほぼ放置でいいため楽なのだ。

勿論核融合炉はバッチリ監視されている。

電気代はほぼ気にしなくていいようになり、3Dホログラムなどを良く目にする。


車が飛んでないんだなーと思ったが、歴史的には飛ばしていたらしい。が、事故が多すぎて話にならなかったようだ。

空中でぶつかって地上に落ちて建物壊すわ、人潰すわ。いくら戦闘機ほどの難易度は無いとは言え、AIにサポートさせてもかなりの技術が必要になる。

空に行くなら3次元……360度注意しなきゃならない。超疲れるだろう。特に年寄りにはまず無理。

結果的に空はVTOL(ぶいとーる)……垂直離着陸機を使った、空のバスに安定したようだ。

そうなると国内空港が必要になる。よって、VTOL用の国内便が作られた。

そしてその場合当然、人だけの必要もないよな? となり、郵便がレベルアップ。


後はあれだ、警察の装備もレベルアップしている。

小型VTOL……つまりジェットパックを装備した航空部隊がいるのだ。

将来なりたい職業ナンバーワン。少年の憧れである。空飛ぶ正義の味方!

最高飛行速度は車ぐらい。それ以上やると生身だとやばい。Gとか呼吸とか色々やばいので、車ぐらいとしている。


シュテル組からしたら雑魚も良いところだが、比べるのは可哀想だろう。

シュテルが全力飛行したら極超音速ハイパーソニック……マッハ5以上を余裕で超える。むしろ衝撃波で地上がやばい。女神に空気摩擦など関係無いのだ……。空間操作すればその辺りも無視できるが。

でも悲しい事に……当然転移した方が早い。飛行は移動より空中散歩が目的だ。


「流石800年、記憶とはだいぶ違うな」

「私達は初めてなので、実に興味深いです」

「そりゃそうだ」

「いやぁ、美味い! 酒が進む」


昼間っからツマミと酒を堪能しているフリードとミーナである。シロニャンも魔道具を抱え、魔力を込めながらバリバリ食べているし、シュテルはシュテルで何百年振りかと言う畳に敷布団でゴロゴロしている。

それらを眺めながら苦笑してるジェシカであった。


「枕投げ! ……は止めておくか。大惨事になってる未来が見える」


ガバッと起きてから、ぽふっと戻り再びゴロゴロし始める。


「うん、俺はこれが良いな」

「相変わらず強いの好きですねぇ……」

「まあ良いじゃねぇか。どうせ酔わないんだし」


フリードとミーナが6番世界の酒を飲み比べしている中、シロニャンはお菓子を食べ比べしていた。

空間収納から箱を引っ張り出し、蓋を開けて中を見る。匂いでダメなら速攻で空間収納に放り込まれ次のが出される。嫌いな匂いじゃなければ食べてから次のに変える。中々良いのは前の机に置いてベスト5を決めている模様。


ジェシカはジェシカでジュースの飲み比べを始めたようだ。

仮にも元聖女、元聖職者が良いのかって? 良いんだよ。


ゴロゴロゴロゴロ……ごんっ。


信仰してる神がシュテル(これ)だからな。実に緩い。




シュテル達が夕食も終え、再び飲み比べや食べ比べしている頃……。

夜の闇に紛れるように1人の……黒装束の者が動いていた。


ある場所を目指して。


目的の場所に付いた黒装束は内心戸惑っていた。

人ではないが、妖かしとはちょっと違うような気配を感じた所へ向かった。そしたらそれなりに有名な旅館だったのだ。

しかも対象と思われる者達は潜んでいるわけではなく、普通に部屋で過ごしているようで、旅館の人も普通にご飯を持ってくる。

服装はともかく見た目は人、外人さんである。しかも全員物凄い整った顔立ちをしている。


少し離れたところで木々の隙間から、どうしたものかと文明の利器……双眼鏡で観察中。しかしその時……。


双眼鏡でやっとという距離にも関わらず、一斉に無表情の5人と目が合った……。

冷や汗と共に心拍数が一気に上がり、すぐに隠れるがしばらく収まらず狼狽えていた。体の震えが止まらない。


「(め、目が合った!? あ、あり得ない……どのぐらいの距離があると……全員一斉に! あ、あれはやばい……)」





「……見られてますね?」

「退魔師なんていたんだな、この世界。実はファンタジーしてたのか」


ジェシカの呟きに返すシュテル。

シュテルは勿論、眷属達の空間把握も双眼鏡程度の距離なら余裕で範囲内である。


元聖職者で聖女だったジェシカは戦闘はあまり得意ではない。ジェシカとエブリンの2人は純粋にシュテルのお世話係なのだ。周囲の警戒は担当ではないため反応は遅いが、遅いだけで気づきはする。

ジェシカ以外の4人は、旅館からだいぶ外れているところに移動してる時点でマーク済みだ。普通そんなところに用など無いだろう。


そしてマークと同時にシュテルは簡単な情報を見る。名前、年齢、性別、職業だ。

職業が退魔師となっていたら気にもなると言うもの。


退魔師と言えば……妖かし、妖怪と言った類を倒す者達の事だろう。

だが妖怪……と思ったが、よくよく考えれば十分にあり得る事だ。

迷い人がいるのだ、こちらの世界にマナが来る事もある……しかしこちらに精霊はいない。マナが妖かしになるのか。魔法生物とも言うが。


魔力の源たるマナがないから基本魔法はない。が、魔法法則自体はある。

自分の体その物を削る行為とは言え、消滅の危機になれば魔法生物は魔法も使うだろう。ポルターガイスト……無属性の"念力プレスティージオ"だろう。


「人じゃないのがバレたか? ……いや、よく分からず疑っている状態か」

「捕らえてきますか?」

「んー……少し遊んでやろう。合図するから、したら一斉にあいつと目を合わせてやれ。……なるべく無表情でな」



実行後、恐怖に囚われた顔を見逃さなかったジェシカを除いたシュテル一行は、ニマニマしていた。ジェシカは当然苦笑だった。……しっかり参加したけど。


可哀想に。


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