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14 学園生

もう少しストーリーの進行を遅らせて、色々端折らずに書くべきだよなぁと思いつつ。

書いていても話が進まないとつまらないので、進ませるため端折ると端折りすぎた? となる。

学園は2つあり10~13歳が通う学園と13~16が通う学園がある。

勇者一行は13~16の一年生として通う様だ。

貴族がメインで通うだけあって、結構な敷地を持っている。特に13~16はお金持ちの貴族や、平民でも優秀な者達が通うため、建物もそれなりに豪華である。

当然競争率も高い、狭き門である。そこに勇者ということで、放り込まれている。


「ふむ、制服があるのか。このドレスで行くのもどうなんだと思ってたから丁度いいと言えば丁度いいな」

「私はこのままでも良いのですが」

「まぁたまには良いじゃないか」


とか言いつつも、2人して制服を空間収納へと放り込み、着ていた服も脱いで放り込み、魔力による制服の再現を行う。術者に依存した防御力を持った服になる。

どちらかと言うと、自分の一部を服にした……と言った方が良いかも知れないが。


「ドレス以外を着たのはいつ以来か……」

「侍女服以外はいつ以来ですかねぇ……」


似た者同士であった。




「これが学園かー……やたら豪華だな……」

「俺らの学校はある意味量産型? こっちの世界じゃ違うようだし」

「専用機的に豪華になるのか」

「なんで例えがロボットなのよ……」

「通じてるのも大概じゃね?」

「大体あんた達のせいでしょうが」

「「はっはー」」


話しながらぞろぞろと学園の敷地内を移動する勇者一行。勿論勇者達も制服に着替えている。

シュテルはその一番後ろで頭にシロニャンを乗せ、ヒルデを連れて歩いていた。


「……流石にうちの学園と比べるのもあれか」

「そりゃあ我々の国は北西丸々学園地区ですからね……規模が違いますよ……」

「周囲4大国からも来てるからサイズとしては丁度いいのだがな」


作ったのも私で、建物丸々が魔法装置じみてるから比べるのもあれだろう。


「正直やり過ぎた感があるからな……うちの学園は」

「そのおかげか優秀になって出てくるのですから、良いのでは?」

「教えてるのは先生達で妾は何もしてないがな」

「場所の提供も必要な事ですよ」

「……まあ、我が国は置いといて。多少なりとも楽しめると良いのだが」

「……レディは保ってくださいね」

「善処しよう」


背後から聞こえるため息は華麗にスルー。


ぞろぞろと歩く勇者一行の他にも、新入生仲間も登校中である。

それなりに前から計画はあったのだろう。入学式と重なるのだから。

人数は1クラス20人で5クラス。大体一学年100人となる。

6番世界だと大体1クラス30人5クラスとかだから、そんな差は無い……と言いたいところだが、この世界の学園はここだけだ。そう考えると少ないだろう。

逆に10~13の学園は少し人数が多い。つまり13~16の方は俗に言うエリート達が通うのだ。13歳で卒業したらもう働きに出たりする。


勇者一行が学園に入る事は既に噂になっており、皆興味津々である。

27人が黒髪の集団で、その中に明らかに背の小さい金髪の子、頭の上にはハリネズミが乗り、更に普通に大人の金髪美女がいる。

こんな集団が目立たない訳もなく。速攻で勇者一行だとバレる。


今回は100人+勇者一行29人+1匹だ。

勇者だけで1クラスでいいんじゃね? と思ったが、それでは国が困るのだ。故に1パーティー単位で各クラスに人数が大体合うように割り振られた。

クラスは入学試験の成績順にA,B,C,D,Eと5段階になっている。

我々は狐っ娘……清家と長嶺と宮武と同じとなる。我々がAクラスで他の勇者達はてきとーに散らばった。


清家、長嶺、宮武は騎士達との訓練……体力作りやら素振りやらの後、私達が教えているから他の者達よりは強い。特に清家、獣人の身体能力は中々の物だ。

まあ、清家の場合主に教えるのは魔法なのだが。近接は騎士達で良かったからな。

こいつらのスタイルは長嶺が片手剣と盾、宮武は魔法、清家が遊撃となる。


まあ、それは置いておこう。

入学となれば入学式だ。勇者一行は……始まる前からテンションが低い。

そして、新入生一同椅子に並んで座っている一角で、勇者一行……2人と一匹を除いてゲンナリしていた。なぜかって、始まってから話が長いからだ。

勇者一行とその他新入生の温度差が酷い。理由は実に簡単。


この世界の住人……と言うか、この国の子供達からしたらこの学園は有名どころ。エリート街道まっしぐらとされる、狭き門な学園である。

でも勇者達、他世界の者からしたらんなこた知らん。しかも勇者達にとって呼び方が違えど所詮学校である。別に珍しいもんでも何でもない。

更に更に、中2だった勇者達。1年前に堅苦しい入学式を済ませたと思ったら、今度はあんなのとは比較にならないほど堅苦しい入学式再びである。

この学園はできてそれなりに長く、王政であり、貴族なんかがいるこの世界……前の世界とは比較にならない堅苦しさである。

よってゲンナリである。


2人と1匹は……女帝とその側近だ。その辺りの大事さは理解している。自分達もやる側だから特に気にはしない。少なくとも顔には出さない。

シロニャンはそもそも気にすらしてない。聞く気がねぇもん。ご主人か眷属の同僚の言うことぐらいしか聞かん。


そもそもシロニャンは前世、人に捨てられシュテルの前世に拾われて飼われたのだ。シュテルが死後、10番世界に転生。シロニャンも死後シュテルを追い10番世界へ転生。他のやつの事など気にかけてすらいない。人間だと尚の事だ。


シュテルの場合、相手がどれ程強かろうが人類如き片手間で無力化できる。だから特に殺しはせず、行動を制限する女神の呪いをかけ、その後を見る。

が、シロニャンの場合その場で消し飛ばす。有無を言わさず消し飛ばす。

シロニャンはご主人……シュテルに甘えるのが生き甲斐であり、それを邪魔する生物は敵ですらある。転生してから約400年。毎日変わらず甘えている。

ブレないにも程がある。


よって、喋っているおっさんの声など気にもしていない。


触らせるのもシュテルか同僚の眷属達だけだ。例外は創造神様ぐらいだろう。

不用意に触ろうとするとハリネズミなので、刺さる。刺さるというか、貫く。

ハリネズミの針は纏まった毛が針となっているが、シロニャンの毛はふさふさだ。正直ただのネズミにすら見える。が、この毛は纏まる必要が無いから纏まっていないだけで、魔力を通すと逆立ち針となる。毛の1本1本が針となるため、大量の注射器の針がシロニャンの背中にあるのと同じだ。

金属だろうが余裕で貫くヤバい針である。手がハリネズミ(・・・・・)になる。

傷のすぐとなりに別の傷を付けると治りにくいと言われるが、無数の穴がびっちり空くので治りにくく、かなり鋭いため血管だろうがすんなり貫き、血がシャワーのようにでる。


身を護るために毛を針として丸くなるハリネズミだが、異世界版ハリネズミはやたら攻撃的に育ったようで。自分から突っ込んでいって、針を突き刺しに行くのだ。

そして全身シャワー完成である。勿論血で赤いシャワーがな。

針を更に磨き、大量出血で殺しにかかるのだ。

当然シロニャンは眷属だから、それらとは比較にならない身体能力と魔力量だ。ぶっちゃけ普通の人間なら針関係なく、体当たりで死ねる。普通にミンチになる。


シュテル一行で一番危険なのはシロニャンだが、甘えるのが存在理由に等しいのである意味安全とも言える。


まあ、シロニャンはそっとしておいて入学式に戻ろう。

最早寝ようとすらしている勇者達に念話を飛ばす。


『どうせ寝るなら《魔力操作》の練習でもしておけ』

『なるほど! その手が!』


……全員始めたことには突っ込まんでおこうと思う。


シュテルも女帝だけあって分からなくもないが、シュテルの場合は具体的にストレートに話す。ぐだぐだ何が言いたいのかも分からんを事を長々話した挙句、聞き流されたんじゃ時間の無駄でしか無い。

全てにおいて具体的に、できれば短くをモットーに話すのがシュテルだ。

言葉というのは通じないなら意味はないのだ。

人の上に立つからこそ、命令する側だからこそ、具体的に、確実に伝えねば為らないのだ。そこに余計な言葉は不要だろう。誤解を招く、通じないなら尚の事だ。


まあ、淡々と指示を出したりするせいで、見た目もあって動く人形と不気味がられるのはあるのだが。しばらくシュテルの国……神都アクロポリスにいれば、その不気味さも払拭される。

なぜかって、国の子供達と一緒になって遊び、ヒルデに脇に抱えられ連行されたりする場面を目撃する事になるからだ。とてもじゃないが女帝……しかも女神の運び方ではない連行の仕方をするのだ。

目を離した隙に抜け出すとかのレベルじゃなく、何の前触れもなく転移で消えるのだから、お世話役は大変である。

とは言え、ヒルデは分身体が書類処理をしている事を知っているので、しばらく遊ばせてから回収に行くのだが。



まあつまり、シュテルの内心も『早く終わらせろ』である。

勇者一行は完全に《魔力操作》に精を出してるぞ。

とか思ってたら、隣のヒルデから念話が来た。


『この学園にも侍従科あるんですかね?』

『んー?』

『侍女服の者が見えるもので』

『あー…………いや、やつらはこの学園のやつらだな』

『侍女がいるのですか』

『執事もいるようだが……あれだ、慣れさせるためだな』

『……ああ、なるほど』


この学園はエリート街道まっしぐらな学園である。となると、当然働く所もそれなりの場所になる訳で。そうなると執事や侍女がいるのは当然で。

元々貴族の子供達はともかく、平民の出もいるのだ。それなりに建物が広いのもあり、執事や侍女が学園にもいる。


自分のことは自分でやろうとする。それ自体は別に悪くはないのだが……それをしてしまうと執事や侍女達の仕事が無くなってしまう。

あくまで学園のだから、一人一人に付いたりはしない。クラスに何人かと言った感じだ。まあ、貴族の坊ちゃまとかの対策でもあるようだが。


「そして、既にみな知っているだろうが、勇者達もこの学園へと通うことになる。仲良くするように」


なお、その勇者達は《魔力操作》に意識を飛ばしている模様。そのせいで彼らは真剣その物なので、良しとしようか。真面目に聞いてると思われているぞ。

全員一切聞いてないけどな。


あまりの真剣振りにあらぬ誤解されそうだけど、放置でいいや。


旧→入学と慣れば入学式だ。

新→入学となれば入学式だ。


旧→目を離した隙きに抜け出す

新→目を離した隙に抜け出す

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