第2章・思わぬ再会
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴って、朝のホームルームが始まる。いつも通り先生が話し始める。
「今日は新しい仲間が入ってきた。さぁ入って」
僕は目を疑った。朝バスで会ったあの女の子ではないか。
「こんにちは。田上凛です。よろしくお願いします。」
「席は、そうだな…三浦の隣でいいな。」
凛ちゃんは僕の隣に座った。
「また、会ったね。」
笑顔で僕に話しかけ始めた。
「三浦タカ君っていうんだ。たっくんって呼ぶね。私はリンでいいよ。」
緊張している僕に関係なく話しかけ続けた。
「一限目は国語だ。準備しろ。」
先生の声で我に返った。
キーンコーンカーンコーン…
いつの間にか四限目が終わって昼休み。僕はリンに連れ出された。
「学校案内してくれない?」
リンは聞いてきた。
「女子に聞けよ。」
本当は案内したかったが、照れくさくその言葉しか言えなかった。
「たっくんがいいの。」
胸がドキッとした。
「しょうがないなぁ。」
こう言ってはみたものの、本当はうれしかった。
僕は学校を案内しながら、周りの目を気にしていた。だが、リンは全く気にしていないようだった。
「たっくんって部活何してるの。」
「サッカーだけど…」
「じゃあ私はマネージャーになろうかな…」
「本気で言ってるの。」
「さぁね。」
リンはただ笑っていた。
教室に着くと、リンは職員室に呼び出された。
一人になった僕をクラスの友達は冷やかしてきた。
「お前、リンちゃんとどういう関係?」
「付き合ってんの?」
「ラブラブだなぁ。」
僕は必死で否定したが、友達は聞かなかった。
やがてリンも帰って来た。
キーンコーンカーンコーン
5限目の始まりのチャイム。その日の午後の授業はリンのことばかり考えて時間がとても早く過ぎた。
そして、部活。
いつも通りすぐに教室を出て部活に行った。ストレッチをしていると、向こうから見覚えのある女がやってくる。
…リン…
僕はすぐに駆け寄った。
「何やってんの。」
「マネージャーになっちゃった。」
昼休み言っていたことは本当だった。
「おい、タカ。早く準備しろ。」
「はぁい。」
先輩から怒られた。リンはばかにしたように笑っていた。
やがて、部活も終わり、大変な一日が終わった。こうしてタカとリンは思いがけず、再会したのだった。