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君と僕  作者: 舞姫
2/2

その2 心の中に

こんにちは、舞姫です*゜

みなさんの心に少しでもなにかを届けたいと思ってこのお話を書き始めました。たくさんの方に読んで頂けると、ありがたいです。皆さんの心に私の思いが届きますように。

こんなの、私じゃない!人は信じちゃいけない!だって、結局信じたって裏切られるんだから…。あの人もそう…、どうせ、裏切るんだから…。


私は何かを振り切りたくて、電車から降りてからは走って家に帰った。


「ただいま…」


「おかえり」を言ってくれる人はいない。じゃあ、誰に「ただいま」を言ってるのか、そんなこと問われても私に答えを出す術はない。強いて言えば、フルートに言っている…のだろう。CDがたくさん並ぶ、と言っても普通の高校生が聞くようなポップスのCDは一枚もなく、全てクラシックだ。その棚の中から、一枚を取り出してCDプレーヤ-にセットする。曲が流れ始める…。


ショパン作曲、夜想曲第2番。ショパンの夜想曲の中でも最も有名な曲。誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。この曲はピアノとフルートで演奏されることが多い。夜の落ち着いた雰囲気を感じさせる繊細さを持つメロディーを、ピアノとフルートの美しい音色で表現する…。すごくいい曲だ。私がフルートを吹きはじめて、最初に吹いた曲がこの曲だ。もともと、クラシックは好きでよく聞いていたから知っていたが、フルートで演奏できるようになってからとても好きになった。なにか辛いことや、悲しいことがあってもこの曲を聞けば忘れられた。音楽もフルートも私のことを絶対裏切らない…。


一回聞き終わると、今度はフルートを取り出す。銀色の美しい輝きを放って、私を早く吹いてほしい、と言っているようだ。

「分かってるよ、ちょっと待ってね」

今度はピアノ伴奏のみの方にして、もう一度同じ曲を流す。そして、フルートを構え、息を吹き込む。吹き込んだ息がフルートを通して美しいメロディーに変わり、そして私の耳に戻って来る。目を閉じて、音楽に入り込む。なにもかも忘れて、ただ音楽に集中する。あぁ、この時が私の一番の幸せだ…。



「はぁ-、俺、なんかまずいこと言ったのかな…」

「嫌われたのかな-、ちょっと積極的すぎたか…?」

帰るか…。

 一目惚れだった。電車で、あの子を見たとき何かを感じた。黒くて長い髪、白くて綺麗な肌、そして何より青い眼鏡の奥にある瞳…。何かとても大きなものを抱えていて、自らを押さえ付けているような…でもその奥にある輝きは失われていない…そんな瞳だった。俺は、この子のことをもっと知りたいって思った、そして、力になってあげたいって。そんなことを思いながら、彼女を見ていたら、同じ高校の制服だってことに気づいた。もう、めちゃくちゃ嬉しかった。この日のこの時間に高校に行くのは新入生だけだから、同じ学年だってことも分かった。だから、あとはもう同じクラスになることを祈るだけ…。そして、クラスに行ったらあの子がいた、それも俺の隣の席に。もう、嬉しいなんてものじゃなかった…奇跡だって思った、運命だって思った…。


なのに……逃げられてしまった…。嫌われたよな-、いや、絶対嫌われた…。はぁ…人に合わせて話すのは得意な方だと思ってたんだけどな-。どうしたら、立山さんは心を開いてくれるんだろう?どうしたら、喜んでくれるんだろう?分からない…全然分からない…。こんなの初めてだ。たいていの人は、どうしたらこの人と仲良くなれるかとか、どうしたらこの人が一番喜ぶかとか、そういったことがすぐに分かる。というか、分かるようになった。そのおかげで、俺の周りにはたくさん友達がいる。いつも話し相手がいるし、退屈しないし、楽しい。でも、時々思うんだ。


俺って、いったいどんな奴なんだろう…?


「ただいま-」

「おかえり、那緒。」

「ばあちゃん、なんでここに?」

「ほら、夕飯作っといたから、しっかり食べなさいね」

「いいって言ったのにー、ばあちゃん、大変だろ?これからは、俺が自分で作るから大丈夫だって!」

「あら、そう…?じゃあ、困った時は電話するのよ?」

「はいはい、分かりました」

「じゃあ、おばあちゃん帰るから」

「おう、ばあちゃんも体大切にしろよ」

「なあに言ってるの、まだまだ元気よ!だから…いつでも頼んなさい」

「分かったよ…ありがとな」


じゃあ、また来るから、そう言ってばあちゃんは帰っていった。


やっぱり、立山さんは俺に似てるよ…。




まだまだ謎の多い2人ですね!なんだよ、まだかよ、早く知りたいよ、そう思ってる方、もう少しお待ち下さい!笑 私も書きたくて、書きたくて…笑  次回もお楽しみに!

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