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おれの名を呼ぶな!  作者: 古柴
番外 『レイヴァース家の異聞抄』編
751/820

第739話 14歳(春)…甘く香るウホホホーイ

 リィはまだ新しい魔法陣に取り組んでいるようでクロアは暇。

 そこで俺はユーニスも呼んでしばし遊んで過ごすことにした。


「兄さま、うちの兄さまが早く遊びに来てほしいって言っていました」


 元瘴気領域の六分の一を手に入れたベルガミアはその広大な荒野をどうするか、調査報告やら開発計画やら会議会議会議で忙しくなっているようだ。

 この事業は次代にまで持ち越されるため、リクシー王子はおもいっきり関わることになりだいぶへろへろになっているとユーニスが教えてくれた。


「そのうち僕にも仕事を割り振るって言っていました。気が重いです」

「頑張れ。何かあれば協力するから」

「はい!」


 そうユーニスを励ます俺の方も古代都市ヨルドをどうするか考えなければならないのだが……、あるのは精霊門を使わないと辿り着くにも一苦労な場所だ、もうしばらく放置していても問題は無いだろう。


「それで兄さま、姉さまとは仲良くやれていますか?」

「仲は良いと思うんだけどね……」


 俺を見かけるとシャンセルの尻尾はゆっくりゆさゆさと振れる。

 それは犬が『遊んでくれるかな?』と期待しているときに見せるアピールのようで、実際シャンセルに声を掛けると尻尾の動きはぶるんぶるんになる。


「姉さま……」


 するとそれを聞いたユーニスはげんなりした顔になった。


「高い地位にある獣人は尻尾や耳の動きで感情が悟られてしまわないようにするものなのです。状況に応じてそう『見せる』ものなのです」


 要は営業スマイルとかそういうものか、と理解する。

 まあそうだわな。

 言っていることと、耳や尻尾の動きが違っていたらまずいわな。


「それなのに姉さまは……」


 そうユーニスは言うのだが、こっちに来てからその尻尾はずっとぶるんぶるんしている。


「ではリビラ姉さまはどうでしょう?」

「リビラは……、うん、実によくやってくれているんだ」


 サリスとヴィルジオがポンコツ化して空いた大穴を、リビラは埋めようと頑張ってくれている。

 何気に――、と言っては失礼かもしれないがリビラは有能だった。

 これもまた『猫を被っていた』と言うのだろうか?


    △◆▽


 数日、弟たちとキャッキャして過ごしていたが、リィの取り組みに何か成果があったようで、この日は実験のためにと二人を連れ去られてしまった。

 大丈夫だろうか?

 まあリィなら変なことにはならないだろう。

 遊び相手を失った俺は、ちょっと領地屋敷を見に行くことにした。

 そろそろ運用することを考えての行動だ。

 領地屋敷で生活するとなると、誰がどの部屋に住むとかそのあたりのことを決める必要が出てくる。

 本当は皆で一緒に行って決めたら早いのだが、まだ落ち着かない者もいるし、ひとまず空き部屋の広さや位置などを把握しに行くことにした。

 なにしろ俺はまだ領地屋敷を完全に把握していないのだ。


「なら案内してあげるわ!」


 領地屋敷に向かおうとしたところミーネに見つかる。

 簡単に説明をしたところ、自分の家をよその娘さんに案内してもらうという不思議なことになった。

 いや、もうよその娘さんと言ってはいけないか。

 こうしておともを連れて移動することにしたのだが――


「お、あんちゃん、ミーネ、どしたー?」


 精霊門をくぐるところで今度はティアウルに見つかる。

 着ぐるみピエロのミーティアと一緒に屋敷の掃除をしていたようだ。


「これから向こうの屋敷を案内してあげるの。ティアウルも来る?」

「おお、行くぞ!」


 こうしておともは二人になった。


「一緒に来るのはいいんだけど……、掃除はいいのか?」

「あたいこのところずっとみんなの分も掃除してるから、ちょっとくらい大丈夫だぞ。文句はあたいの方が言いたいくらいだからな」

「うん、ごめん」


 俺が悪いというわけではないのだが、皆の調子が狂った原因であることは確かなので申し訳なく思う。


「それにあたいが居なくなればミーティアの仕事が捗るからな!」

「それは得意げに言うことなのか……」


 いいのだろうか。

 でもピエロは行ってらっしゃいと手を振っている。

 こいつはこいつで、ぬいぐるみとはまた別の謎な存在なんだよな……。


    △◆▽


 領地を訪れてまず目を惹いたのは万歳しているジェミナだった。

 日の光を浴びながら静かに瞑目しているジェミナは神聖な祈りを捧げているように思えたが、ふいにぱちっと目を開けると、ちょこちょここちらにやって来た。


「……アルラか?」


 日光浴をしていたことから予想して尋ねると、ジェミナはうんと頷いた。

 アルラ――植物の精霊獣だ。

 植物なのに獣とはこれいかに?

 そう思わないでもないが、他にも爬虫類とか昆虫とか魚類とかもいるわけで、いちいち区別して呼ぶのが面倒なので統一している。

 普段のアルラは人型の大根。しっかり意思疎通するとなると、ジェミナが合体して通訳するしか方法が無いという無口さん。

 そんなアルラが首を傾げて俺を見つめてくる。

 たぶん『一緒に日向ぼっこでもどう?』と尋ねているのだと思う。


「ちょっと用があるから後でな」


 そう言って頭を撫でてやると、アルラはまた元の位置に戻ってさっきと同じように日向ぼっこの続きを始めた。

 いや、同じではないか。

 手のひらがパーからグーになっている。

 万歳ではなくガッツボーズだ。

 これは後でちゃんと一緒に日向ぼっこしてやらないとな。


「ジェミナは最近忙しいなー」

「そうだな。ちょっと引っ込みがつかなくなってるっぽいが」


 ジェミナが各精霊との合体を続けているのは、自分も自分もと精霊獣たちにせがまれてしまっているからだ。

 最初はちょっとした実験、数匹程度ですますつもりが、毎日やっても秋ごろまでかかるという大仕事に化けてしまった。

 ひとまずささやかな協力として、俺に構ってもらいたい精霊獣だったら遠慮せず好きにさせてあげてと言ってある。

 少しはジェミナの負担も減るだろう。


「おや、これはこれは。今日はどういたしましたか?」


 と、そこで声を掛けてきたのはこちらの管理を任せている元大神官のダンシュール。

 動きやすい格好で手にはそれぞれクワと小さなスコップ。これから土いじりをするところだったのだろう。


「そろそろこっちの屋敷を活用しようかと思って、間取りとかちゃんと把握しようと見に来たんです」

「私が案内するのよ!」


 えっへん、と胸を張るミーネ。

 ダンシュールは顔をほころばせる。


「そうでしたか。では、何かありましたら声を掛けてください」


 気を利かせてくれたのだろう。

 ならば自分が案内する――、とは言いださず、ダンシュールは大人しく俺たちを見送ってくれた。

 それから俺はミーネに案内されてぶらぶらと領地屋敷を回る。


「こっちの屋敷は広いからなー、掃除が大変だぞ」


 一緒に回るティアウルが言う。

 確かに毎日ちゃんと掃除するとなると大変だ。

 ずっと婚約者をメイドさんにしておくわけにもいかないし、この屋敷を運用するとなると使用人を雇う必要が出てくる。

 しかし迂闊に募集したらいらぬ混乱が起きることくらいはわかる。

 これはティアナ校長に相談するか……。

 でも校長は校長でメイド学校設立の方で忙しいし……、うむむ。

 ちょいちょい課題を見つけつつも、屋敷の確認はそう時間もかからず終えることになった。

 そのあと、追加された地下倉庫も見に行くことになる。

 魔導袋が誰でも自由に目当ての物を取りだせるものであれば、倉庫として幾つか置いておくだけで事足りるのだが、そこまで融通の利く物ではないため、やはりこういった場所は必要になるのだ。

 そんな地下倉庫への入口は屋敷の裏手にある四角い土の小屋。

 大きな物の出し入れも困らないよう、入口や階段は大きく作られている。

 気を利かせた微精霊たちの明かりに照らされた階段を下り、俺は地下倉庫の扉を開けた。


「ウホ?」


 四本腕のゴリラがいたので俺はそっと扉を閉めた。


「あれ?」

「あんちゃんどしたー?」

「ああうん、なんでもない。じゃあそろそろ帰ろうか」


 俺は速やかに王都屋敷へ帰還しようと思ったのだが――


「ウホホ」


 ゴリラが扉を開いてこっちに顔を出した。

 ゴリラからは逃げられなかった……。


「ウホ、ウホホホ」


 現れたゴリラは手のひらで自分の胸を叩き始め、それによりポコポコポコッと軽快でよく響く音が鳴った。

 オスゴリラの胸には大きな袋があり、息で膨らませた状態で叩くと太鼓の要領で音が鳴る。いわゆるドラミングというやつなのだが、こっちのゴリラは四本腕なのでさらにダイナミックなものであった。


「おおっ、なんだそれ!?」

「威嚇……!?」

「いや、たぶん挨拶だから落ち着け。どーどー」


 ドラミングは様々な場面で使われ、状況に応じた意味を持つ。

 インパクトが強いせいで攻撃的な動物と誤解されたのはゴリラの悲劇である。


「挨拶……」


 と、そこでミーネが神妙な顔に。


「いや、張り合わなくていいからね?」


 自分も胸を叩いて挨拶を返そうと考えているのであろうミーネを止める。

 見てみたくはあるが。

 と――


「うきっ」

「ぷぎぷぎ」


 ゴリラの存在感が強すぎて気づかなかったが、地下倉庫には子ザルと子猪――ウリボウも居たようでこちらへとやって来た。

 正確にはウリボウが子ザルを背中に乗せて現れたのである。


「うききっ」


 ぴょん、と俺に飛びついてくる子ザル。

 なかなかの甘えん坊で、常に誰かしら、何かしらにしがみつき抱っこをされたがる。

 名前はモンチッチからガンダーラと色々考えた結果、ゴルファーから『ゴ』をとってのルファーとなった。

 ウリボウの方は特に捻りもなくリウである。


「よしよし、立派なオークになるのよ……」

「ぷぎ?」

「こらこらこら」


 ミーネはちょいちょいリウを困らせる。

 まあそれはそれとして、どうしようかなこのゴリラ……。


    △◆▽


 何かあったら、と言われていたので、ちょっとダンシュールに声をかけてみた。

 ダンシュールはずっとこっちに居るので、もしかしたらゴリラと交友があるかもしれないと投げやりに考えた結果だ。


「ああ、このゴリラ殿はですね、ここ数日、こちらの森の奥にある香木をこの地下倉庫に運んで来てくれているのです。リウ殿は埋もれている香木を見つけるのが得意なようで同行しているのですね」

「え、えっと、そうでしたか……」


 まさか本当に事情を知っているとは思わなかったのでちょっと驚く。


「香木ってあれよね、昔一緒に取りに行った」

「ああ、あれだろうな」


 リカラ――別名、お菓子の木。

 樹液を煮詰めると甘いシロップになるので、これを集めるのが妖精たちの数少ない仕事の一つになっている。

 ひとまず確認してみようと地下倉庫に入ると、広々とした空間の一角にこんもりと香木が山積みにされていた。

 土に埋もれていた香木は、特に樹液が固まっていた部分だけが分解されずに残ったもの。昔ミーネと持ち帰ったのは倒木だったので、あれより上質な代物なのだろう。

 正直、このまま倉庫の肥やしにしておくのはもったいない。

 しかし売るにしてもどう売ったらいいかわからないし、では他に活用法があるのかもわからない。

 ここはサリスの調子が戻ったら相談してみるのがよいだろう。

 まあそれ以前にこれを集めたのはゴリラだ。

 まずはゴリラがどんなつもりで香木を集めていたのか、それを確認した方がいい。

 ここはひとまず俺の胸にひしっとしがみついている子ザルに通訳してもらうか、とゴリラを見る。

 するとゴリラの腕にはミーネとティアウルがしがみついており、ゴリラはその腕を上げたり下げたりして二人を楽しませていた。

 気のいいゴリラである。


「はいはい、お二人さん、ちょっと事情を聞くからどいてな。じゃあルファー、話を聞いてもらえるか?」

「うき」


 さっそく〈モノノケの電話相談室〉を使い、子ザルに通訳をお願いする。

 うきき、ウホウホ、と短い対話があり、やがてルファーが言う。


『あのね、この子ね、気になる子にね、この木をあげたいんだって』

「……うん?」


 もうちょっと詳しい説明をお願いし、なんとか事情を把握。

 せっかくなのでティアウルに説明してやる。

 ミーネはウリボウと遊び始めたので放置でいい。


「どうもこのゴリラ、意中のメスゴリラにこの香木を贈りたいらしいんだ。それでこうして集め、少し分けてもらおうと思ったらしい」

「おー、贈り物がしたかったのか! 賢いな!」


 確かに賢い、そして集めて一部を分けてもらおうという謎の義理堅さ。

 もともと放置してあったものだし、こうして集めてもらわなければ忘れたままになっていたものだ。

 ぜひとも持っていってもらおう。


「持ってくのはかまわないよ。ただあんまり持っていかれても寂しいから、ひとまず抱えられるだけということでどうだろう?」

「ウホホ、ウホ」


 胸をポコポコ叩いて喜んでいる。

 それでいいらしい。

 うん、こじれることなくすんなり話がまとまってよかった。

 じゃあひとまず上に行くか、と思ったのだが――


『やめてよー、ミーネちゃんやめてよー、ぼく男の子だよー』


 ぷぎぷぎと哀れな鳴き声がするので見てみると、ミーネが戸惑うウリボウにレディ・オークの仮面をぐいぐい押しつけていた。

 俺は手に神罰ハリセンを出現させ、幼気なウリボウを苛める悪い令嬢の頭を引っ叩く。


「てい!」

「あばばっ!」


    △◆▽


 下の両腕で抱きしめるように香木を抱え、上の両腕を地面に着けながら歩くゴリラに続いて地上へと出る。

 ゴリラはそのまま精霊門で魔境ビウロットへ帰るのかと思ったが、屋敷の正面に来たところで抱えてきた香木を降ろし、そのうち二つを上の両手に持ち、ごりごりと擦り合わせ始めた。

 ゴリラパワーで擦られることで、香木は削れて木屑となり、器にしている下の両手で受け止められる。


「何をしているのかしら……」

「なんだろな!」

「まあ何かの準備だとは思うが……」


 とりあえず香木を持っていって差し出すだけではないようだ。

 ふーむ、ゴリラですらああやって意中の相手の気を惹こうと頑張っている。

 俺も皆に何か贈り物とかした方がいいだろうか。

 ……。

 あ!

 そういや婚約指輪とか贈ってねえ……!

 これはまずい、早急に考えなければならない。

 遅れているのは色々と急だったので仕方ないと皆も納得してくれるだろうが、いつまでも放置はダメだろう。

 気づけてよかった……。

 俺は心の中でゴリラに感謝した。

 ひとまず婚約指輪に関しては近日中に方針を決めるとして、俺はミーネとティアウルにちょっと尋ねる。


「なあ、二人は何か欲しいものとかある?」

「美味しいもの!」

「それはいいな!」


 なるほど、食い気か。

 尋ねた相手がこの二人というのが悪かったような気がしつつも、美味しいものは誰にでも受け入れられる。不正解というわけではないだろう。とは言え要望に応えられる料理の再現もまた時間がかかるもの。しばし待ってもらうことにしよう。

 ひとまず立ちっぱなしでゴリラを見守るのもあれなので、俺はテーブルとイスを魔導袋から引っぱり出してガッツポーズ日向ぼっこをするアルラの近くに設置する。さらにミーネには軽食としてバゲットサンド二本とどんぶり一杯のシチューを、俺とティアウルにはお菓子とお茶を用意した。


「もごごご……」

「あむあむ」


 お嬢さん二人に挟まれ、肩には子ザル、膝にウリボウを乗せての日向ぼっこ。

 アルラも座らないかと誘ってみたが、立っている方がいいらしい。

 俺の背後に回り、背もたれの裏にぴたっとくっつく。

 おかげで『背もたれに凄い装飾がある玉座』みたいなことになった。


「あんちゃん、サリスも誘ったらよかったなー」


 お菓子をもしゃもしゃしていたティアウルがふと言う。

 ミーネ、ティアウル、俺、ここにサリス。

 冒険の書を発表しに王都を訪れたとき縁ができたグループだ。

 そう思うと感慨深く、確かに誘ったらよかったかなと思う。

 それからなんとなく昔のことを思い出しながらティアウルと話をしていたのだが――


「あたい、あんちゃんに会えてよかったぞ」


 ふと、ティアウルはそんなことを言った。

 こう面と向かって素直なことを言われると少し照れる。

 あと、すべてのきっかけはクォルズ――親父さんに恩を売ろうという目論見あってのものだったので、ちょっと申し訳なくもある。


「鍛冶も、冒険者も駄目だったけど、あんちゃんのお嫁さんになるのは叶ったから問題無いな」


 今のティアウルならどちらの願いも叶うような気がする。

 しかしそれを指摘するのは無粋か。

 俺は黙ってティアウルの頭をよしよしと撫でる。


「あんちゃんよかったなー。悪いの治ってよかったなー」


 さらによしよしと撫でる。

 色々と申し訳なくてもうのんびりお茶どころではない。

 そんなことをしているうちに、ゴリラの大きな手には木屑がこんもりと山になっていた。


「もご、もごごごもごもご……」

「どうするんだろうな」

「あたいは食べるんだと思うぞ」


 木屑をどうするつもりなのかと見守っていると、ゴリラはむむむっと手のひらの木屑を睨みつけた。

 と、次の瞬間だ。

 ぼわっと木屑の山が燃えあがる。


「もご!」

「いきなり燃えたぞ!」

「ははーん、あのゴリラ、さては火属性だな?」


 香木の木屑が燃えあがったことで、辺りには甘く優しい香りが立ちこめ、ミーネとティアウルはふがふが香りを楽しむ。

 そしてゴリラはと言うと、その燃える木屑を自分の体に擦り着け始めた。

 熱くないのだろうかと思ったが、なんせ火属性のゴリラだ、火耐性もばっちりなのだろう。

 結果、香り豊かなゴリラが誕生した。


「ウホホーイ!」


 ポコポコポコッ、とドラミングするゴリラ。

 ゴキゲンだ。

 それからゴリラは残った香木を抱え、精霊門をくぐって魔境ビウロットへと帰っていった。


「もごごもごごもごごご」

「そだなー」


 ミーネとティアウルはゴリラを応援している。

 しかし俺は、ゴリラたちの中で求愛するときにはうちに来て香木を取ってくるもの、なんて決まりができたりしないだろうか、とちょっと不安を覚えていたのだった。


    △◆▽


 そして後日。

 庭園で仲むつまじいゴリラ二頭が目撃されるようになった。


※誤字の修正をしました。

 ありがとうございます。

 2020/03/08

※脱字の修正をしました。

 ありがとうございます。

 2022/09/28


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[一言] ゴリラさん香水的な発想あるなんて あたまいい
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