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プロローグ

スラム街。最下層の人間。

いや、人間とも思われていないかな。


この国は 腐ってる。


わたしはスラム街から半分這い出てきたような所で毎日を過ごしている。



奉公先の家政婦であるテリーヌおばさんは小さいかたいパンと冷めたスープがのったトレーを置き、早々に立ち去った。



テリーヌおばさんが立ち去った後、しんとした空間が残った。


「さむい、なぁ。」


私のつぶやきだけが石造りの部屋に響く。


私はいつまで生きればよいのか。


この生活に意味はあるのか。






私は5時におき、5時半から仕事が始まる。

朝食は7時にパンとスープ。

それから22時まで働き、少しの夕食が与えられる。


「遅い!もっと早くしな!」


鞭打たれ、

折檻され、殴られ。

死んだ方がましだと何度思ったか。


でも、諦めきれず、もう少し、と何度決意したのか。


昔、本当に幼く、まだここに売られる前に、あるおとぎ話を読んだ。


辛い生活を強いられる女の子が、王子様に見初められる話。


そんな話ありえない。

わかってる。

現実には、ただ過酷な生活しかないのだから。


でも


憧れずにはいられなかった。




こんな汚い、最下層の人間が王子様の目に留まるはずがない。



それでも、それでも。

私は夢見ていた。


もしかしたら王子様が迎えに来て、


なんて。


かなうはずないのに。




テリーヌおばさんの金切声が響く



「何してる!遅いんだよ!この鈍間め!」


またペナルティーかな。


あれ、でももうからだがうごかない。


つかれたなぁ






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