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赤木の森の下影に  作者: 一人雅伸
吾が学び舎と共に
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 <その後の五口地区>

 <その後の五口地区>


 それから後、五口梨作りの本場である広い梨畑と、梨作り農家の多い下田町では後継者が少なくなり、梨畑の半分を工業団地にするよう願い出て、大きな工場が、いくつも立ち並ぶようになりました。今そこを通ると、社会の進化と変遷に深い感慨が、湧いてきます。


 その北の上田町の東側を南北に走る街道には、地元で取れた梨の直販売所が立ち並び、梨街道と呼ばれる様になりました。


 因みに、梨作りのおじさんの家では、立派な店を立て替えて、今では孫夫婦が後を継いで、美味しい梨を作って、直販売をしています。時には、赤ん坊の頭位のなしを見掛ける時もあります。


 明治初期に、五口の数人の若者が、志を持って、山梨や長野を立ち回り、梨の作り方を学び、数本の梨の苗を持ち帰ったのが、五口梨の始まりと聞いています。それからも、長野、福島などを立ち回り、梨の種類や技術を取り入れて、梨作りの発展に尽くしたと言われています。幸い、五口の土地が、水を多く含み、梨作りに最適な土地であることから、美味しい梨が出来るようになり、五口なしの名称まで持つ様になりました。


 このように、その地域の地場産業と、関わり合いの深いことを理解した上で、教育を成し遂げて行くことも、地元の共感と、協力を得る大切な事ではないかと、学ばせてもらいました。


 下田町の広大な梨畑が、工業団地に発展していくのも、一つの時代の流れでしょうが、自然や社会の中に生きる人間の教育は、どこまでも、子どもの興味・関心を素直に育てて、人格形成を果たしていく大目標のあることを、忘れてはならないと思います。正しく育った子ども達が、新しい社会を築き上げていくのです。


 子どもの育成は、地域や家庭環境もありますが、子どもの頃から、美味しい梨を食べながら、家族のいそいそと働く姿を見ながら、育った子ども達が、やがて、五口梨作りの後継者になって、梨作りに励む者も出てくるでしょう。また、他所へ行って、自分の想いを、成し遂げる者もいるでしょう。


 教育者として、いろいろな地域の学校で仕事をさせてもらいますが、それぞれの地域によって、そこに生きる人々の思いや生き様に遭遇いたします。また、其処に生きるあどけない子ども達と触れ合い、様々な人間模様を繰り広げますが、教師も、一緒になって、共に怒ったり、泣いたり、笑ったりしながら、その地域に馴染みながら、親しみながら、教育人生を送るのだと、しみじみと思うようになりました。




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