007 『七不思議』
『七不思議』
「先輩、この学校の七不思議って知ってます?」
「いきなり何? 君って、そういうこと好きだったの?」
唐突な僕の質問にいぶかしむ先輩。確かに、いきなりそんなことを聞かれても戸惑うだろう。
「いや実は、この前妹とテレビを見てたら、七不思議を題材にした番組がやってたんです。それで、見ていたら自分達でも調べてみたく思いまして」
ただ、妹とは違い僕は高等部からの編入組なので情報を集めるのに苦労した。クラスメイトや、僕と同じく高等部から編入してきた中学時代の先輩などに聞いて回り何とか調べたのだ。
「なるほど、それで確かめがてら、私に自分の調べたことを報告したいというわけね。なんとも子供っぽいことだけれど、君のその行動力は嫌いじゃないわ」
「……褒めてるんですか、それは? まぁそれじゃあ、いきますね」
苦笑しながらも話を聞く体勢になってくれた先輩に、調べてきた七つ不思議を語る。
『外せない呪いの仮面』『生きたホルマリン標本』『人を意のままに操る魔道書』『嗤う人体模型』『壁の中に潜む誰か』『ひとりでに音楽を奏でるピアノ』『何かが封印された小箱』
この七つがこの学校に伝わる七不思議だ。どこかで聞いたことのある内容がいくつかあるし、それ以外もそこまで奇抜ではない、意外に普通なものだった。
「へぇ、私が知っているのとはほとんど違うわね。一つ以外、全部私が知っている七不思議と違う内容だわ」
「えっ、そうなんですか……?」
いくつか違うものはあるかもしれないと思っていたが、七分の六が違うとは予想外だ。
「七不思議も一種の都市伝説だから、人づてに伝わる以上脚色が入ったり、新しく作られるものよ。学年や性別で語る内容が違ったり、アレンジも変わるだろうし仕方ないことだと思うわ」
「そんなものなんですか。ちなみに、先輩のと被ってた七不思議ってどれですか?」
「私が聞いたことがあるのは『壁の中に誰かが潜んでいる』よ。あまりよくある類の内容じゃないけれど、君はどうしてこんなことが七不思議になったと思う?」
考えてみる。もし、壁の中に人がいるなんて話が語られるとしたらどんな理由だろうか?
「壁に生き埋めになった人がいた、とかですかね? どうやってそうなったのかは別にして」
広く知られている内容なのだから、実在の事件から脚色され原形をとどめなくなったというパターンに思える。流石に実際に壁の中に人がいるはずも無いだろうし。
「なるほど、つまり転移魔法に失敗して壁の中に埋まった人がいたということね」
「まさかのウィ○ードリィ!?」
その考えは想定外すぎる。もしそうなら、そっちのほうが七不思議になるべきだろう。
結局、そのまま今日は下校時間まで懐かしのゲームについての談義が始まるのだった。
七話なので七不思議。
微妙に数字とかにも変に引っ掛けたりします、たまにですが。
それでは、読んでいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします。