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053 『怪談』

そのうち更新します、と言いました。

そう、つまるところ、一週間後でも、二か月後でも、そして翌日だとしても、嘘はいっていない、いいね?

『怪談』


「——怪談をしましょう。百物語的な、アレを。時間的にもちょうどいいし」


 部室につくなり、先輩がそんなことを言い出した。


「いきなりですね。というか、先輩がそれ、言います?」


「む、なによ。いいじゃない、私が怪談をやっても」


「いや、いいですけど……」


 うん、ある意味ではぴったりと言ってもいいのかもしれないけど……。


「それで、怪談ってどんな内容を話すんです? 言っときますけど、僕は全然知りませんよ」


 怪談として話せそうな内容なんて、一つぐらいしか心当たりはない。


「そうね、じゃあ昔からこの学校にあった、怪談をいくつか話してあげるわ」


「あ、それはちょっと気になります。どんな話なんです?」


 そんな僕の態度に満足したらしい先輩は、すらすらと引き込まれるような語り口調で、この学校に伝わる怪談、いわゆる七不思議的なものを聞かせてくれる。


「と、まぁ私が知っているのはこんなものかしら。」


「いろいろあるんですねぇ、この学校。なんかいくつか心当たりがすごくありますけど」


 ホルマリンや人体模型といった定番的から、魔導書や仮面といったあまり聞いたことのないようなものまで、多種多様だ。七不思議というには、七つを余裕で超過しているけど。


「さて、それじゃあ君からは何かないかしら? というか、一つはあるのは知ってるわよ」


「えー、それを話すんですか、先輩に?」


 僕にとって、たった一つだけ体験したことのある不可思議な出来事。ただ、それを目の前の彼女に話すのは躊躇われる。どう考えても、言うべき相手ではないのだから。


「いいじゃない、減るもんじゃあるまいし」


「いや、なんかこう、僕の精神的なものがガリガリ削れそうなんで」


 少なくとも辱めを受けるのはほぼ確定的だ。そしてなにより、もしそれを先輩に話してしまったらどうなるか、それが怖いのだ。だってこれは、彼女に関することなのだから。


「心配はいらないわよ。こんなことで、私は君に何かをしようとは思わってないから。何を話そうとも、どう思っていようとも、君がここにきてくれる限りは、私はここにいるわ」


 僕の心境を察してか先輩は苦笑しながら、そう安心させるように声をかける。


「もうじき君は卒業で、この関係ももう終わりでしょう? だから、君の口から話してほしいのよ、私達が出会った時の思い出を、ね」


「はぁもう、その言い方は卑怯ですよ。怪談なんて、ホントはこれを狙ってたんですね。分かりました、話せばいいんでしょ、話せば。けど、変な話し方でも、笑わないでくださいね」


 観念して僕は語り始める。目の前にいる、半透明な少女と出会った不思議な体験を。


というわけで、書くのを難航させていたギミックをいきなり発動いたします。

うん、そう、これ、先輩と僕と言ってはいるが、あの二人じゃないんだ。

まぁ51話の時点で微妙に違和感を感じるように組んでたりしてたので、気づく人は気づいてたかも。

この無駄な縛りがなければサクサクかけたのにと、速攻後悔したという現実よ。。。

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