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六話・驚愕の事実は凶悪(今日で一週間なのか、の七日目)

 やっちまった。

帰り路の出来事なんだけれど、聞いてほしい。


今日はなんだか太陽の活動がいつになく活発で、迷惑をしていたぼくは、疲労の体でなんとか自転車をこぎ、幼いころから見慣れていた景色が視界に入るまでに距離を進めた時、ぼくは異様なものに目を引かれた。


 ――いや、引かれたなんて言いたくない。魅かれた、の表現と似ているじゃないか。勘違いはしないでくれ、ただ、視界に入ってしまい、ただ不審に思っただけでぼくはべつにそれに興味があったとか、無かったとかそういうのは関係がないというか興味なんて僕は微塵にもないのだハエが飛んでいてそれを目で追っただけでハエと言う生物が好きになるんなら人類は恋多き生物になってしまうだからぼくの事をそんな風に見ないでくれよ? いいか? ぼくは無実で、虫も殺した事がない清廉潔白人間だおけっ


ちょっと落ち着きます。


いや、簡潔に言うと、女性の下着を目撃してしまったかもしれない。

いや、まじで。


女性の下着を見たのはいつぶりだ?

小学生の妹か、母のものくらいだ。それを覗けば、中学の時同様――? に偶然たまたま運が悪く目に入れてしまったものだろうか?


ぼくは布を見て何かを思うほど性癖は歪んでいないけれど、違うのだ。ぼくがここまで動揺しているのは、近くに通行人がもう一人いたのだ。ぼくと、下着の女性と、白髪が目立つ老婆。


 スカートが短く、サドルに尻を付けるだけで女性のスカートからカラフルな布地が露わになる。一瞬、ほんの一瞬だけ目に入り、そしてそれに気づいていない女性から慌てて眼を逸らすサマを、


老婆に見られた。


ぼくを見て笑った。嗤った。嘲笑った。……いや、下着を晒す女性に向けたのかもしれないが、真相は奥底だ。その老婆は近所に住んでいるので、聞けない事もない。しかし、その老婆との会話経験は皆無だ。加えて、それを実行するものならば、実はぼく、あの下着に興味あったんですよ……うふぇうふぇふぇふぇ、と公言するようなものではないか。断固、拒否。


真相が奥底だろうが、可能性が1%でも存在するならば、ぼくの胸は緊縛される。苦しい。痛い。誰か助けて。


女性の下着は男性にとって良いものに映る風潮、それに疑問を抱いた。結局はたんぱく質を覆う布にすぎない。ただし14歳以上の女子は除く。


うぐう。


ちなみに、このうぐう、というのは「kanon」というアニメのヒロインの口癖だ。苦しいときに使う言葉。面白かったので、ぜひ視聴してみれば? と宣伝を。

 

 さて、ちょっと落ち着いてきた。今でも、あまり想像したくない。




……流石に、3~40代女性の下着は、ダメージが大きい。


今日のウソ


☆虫も殺した事がない→すいません。幼児時代、ぼくは殺戮者でした。


☆ただし、14歳以上の女子は除く→除かない。


☆あの老婆は近所に住んでいるので→近所に住んでいるかは知らない。

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