三話・一体、何だい? 三体の死体って(帰宅後、どうしよっかの四日目)
あなたは人生のうちに、何体、動物の死体を見たことがありますか?
私には経験が無いが、動物のうちに人間も含めていい。地球上、勿論に構わず、宇宙全体の生き物を計算してくれ。
私の場合は、三体。
一体目は、痛い目に遭うほど惨いものだと記憶している。
スズメ――。
中学生の頃、バスケ部だった私は、休日の練習中に体育館の二階、窓のそばで発見した。続けて、(もしかしたら、私より早かったかもしれない)部員の一人が発見。顧問の先生を呼び、チリトリで運んで、埋めたのだ。
そのスズメは、腹が割れていて、中にはウジが三匹、死体の中で活動をしていた。――活動、と言うよりは、死体を咀嚼しているのが正確か。
おえ。
吐きそうだった。
だが私は、気味の悪いものほど興奮してしまう性質なのかもしれない。きもい、見ていられない、そう言いつつも、まじまじとそいつの姿を観察していた。
この文章を作成する為、一応の確認で蛆をインターネット検索をしたのだけれど、今見ても気持ち悪い。しかも、そればウィキぺディアではなく、実際の物で、しかも活動中となれば、さらに気持ち悪さは増すに違いない。
二体目は、ネコだった。
愛玩動物として、良く知られているあいつ等。
私はぶっちゃけ、ネコが大好きだ。
ネコアレルギーでペットにするのは無理だったけれど、時々、悪い事だと思いながらも、野良猫にエサを与えて、触ってみたりもする。
そんな私が、ネコの死体を見た時、墓に埋めてやろう、と老婆心が芽生えた。遠目での視認だったから、全然平気だと思い、シャベルを家から取り出した。
しかし、私は愚かだった。いや、無知だったのだろうか?
死体と言うのは、かなり重い。
そのネコより倍は重いであろう、弟を私は持ち上げたことがある。それよりも、重量感は強大に膨れていた。
ついでに、支えていない部分が、垂れ下がるのだ。今にも、その部分は重力に敗れ、臓器をいくつか零しそうな不安定さがある。そこで、私はスズメの死体を思い出し、体内のウジ虫が皮膚に触れる事を恐れた。
私は、ほとんどネコに触れぬまま、予定していた墓場より随分と遠い、死体のすぐそばにあった地面に埋めた。
そして、最後は今日――カラスだった。
いや、本当は、二日前にカラスは死体の姿で、私は出会っていた。
土曜日の補習の帰り、行きの時には気付かなかったので、恐らく授業を受けている頃に、カラスは息を引き取ったのだろう。
私はその日、不謹慎かもしれないが、小説のネタになるのではないかと歓喜してしまった。その日のネタは決まっていた。ので、二日後の今日に、そのネタを使う事を予定した。
しかし、そのカラスの死体は、ぬいぐるみか何かではないかと思うほど、生気が無かった。動く気配が余りに消失していたので、油断をしていた私を驚かそうとしているのではないか、などとカラスにとっては一文の得にもならない馬鹿の事を考えながら、観察をしていた。
カラスの目は、プラスチックの様に乾いていた。
その日私は、土曜日と言うのもあり、外食をとった。学校の制服を着たままでマクドナルドの店に入ることは少し躊躇したが、不思議な事に、意外と入店の決心は早かった。
帰宅はだいぶ遅れて、帰りは4時くらいになった。
そして今日――。
雨が降っていた。自転車通学なので、傘は使えない。河童を身にまとい、不安定な視界を駆使して、自転車を操縦しなければならない。
通学時は、雨の勢いが中々強かったので、目を向ける暇がなかったが、帰りは小雨程度だったので、フードを外していた。
ので、カラスの死体が未だに放置されている事に今更ながら察知する私。雨で身体は濡れていて、寂しそうだった。
カラスの瞳は、涙を流している様に濡れていた。
かーえろかえろー。
カラスがなくからかえろー。
今日はすぐに帰れそうだ。
今日のウソ
☆一人称の私→ぼくの一人称はぼく、僕のいずれか。
☆寄り道をした→してない。一人でマックを食べた経験はないと思う
☆今日の帰り、カラスを見た→見てない。たぶん、適当に処理されたと思う




