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一話・初登校、二度目の投稿(初日の出は闇)

 不思議な教室に、ぼくはいた。

ふわふわと、曖昧な世界にぼくはいた。

ある行動をしたぼくを、誰かが笑った。

ぼくは激怒して、そいつの胸襟を掴んだ。

するとそいつは、醜い姿に変化した。

ぼくは、奇妙だと思った。

だって、ぼくはそいつが醜い姿になろうとも、そいつの存在を知っていたから。

「暴力は止めろ」

「うるさい! 全部全部、お前のせいだ!」

 ぼくに、理性は無かった。

「お前の存在が、面白いのが悪いんだろ?」

 そいつは、暴力に屈することが無いのか、それともぼくを煽っているのか、醜い笑みと共に言った。

ぼくは殴った。

けれど、そのパンチに威力は無かった。

「お前が! ぼくに何もしなければ!」

 こんにゃくみたいな骨でパンチを繰り出す。

当然、そいつから笑みは消えなかった。

ぼくが床で就寝を迎えた事を察する頃には、すでにリビングに家族は集まり、各々が土曜日らしい用事のため、朝食に手を付けていた。どうやら、ぼくは床をベットに夜を越したらしい。意識半ばのころ、父から奇矯なものを罵る声も聞こえたような気がする。多分、それはぼくだろう。


床は固いが、別段それが苦にならなかった。柔軟なベットでも、飽きれば愚かにも羨ましくなるものだ。


それよりも、就寝時間が二時を超えた事を、反省するべきだ。成長ホルモンの活発は、確か十時から二時まで。あまり夜更かしが過ぎると、抜け毛や老いが早くなると聞いたことがある。それは嫌だ。未来の自分が、とても怖い。


あ、ついでに。

まず、謝らなくてはならない事がある。


土曜日を昨日は休日と表現したが、実は違う。ぼくが通う高校は、土曜日に補習授業を開いている。ぼくはそれに出席する予定を組んでしまったので、当然、血を出す覚悟で出欠せざるを得ない。サボタージュも考えたが、運の悪い事に、今日は今年度初の補習授業。休むわけにはいかない。


と言う訳で、準備が整うと、ぼくは外出。

時間ぎりぎりだったけれど、何とか間に合う。信号がうまい事ぼくを通してくれたおかげだ。


一通りの授業が終了するまで、十一時は学校に拘束されるだろう。億劫ではあったが、自宅内では確実に勉強へやるきが向かないぼくにとって、文句は言えないのだ。数学、英語。順当に終わらせていく。


今日は数学の調子が良かった。しかし、回答を見て割と絶望した。英語は上々だった。





しかし、ぼくがどうしても許せないと思っているのは、国語の授業だ。

特に、古文。


こいつが高校生のカリキュラムに参加している意味を、ぼくは理解が出来ない。英語は解る。歴史も解る。しかし古文、貴様はなぜぼくの前に立ちはだかる?


憂鬱が心を屯し、気だるさが一層に増す。ぼくはついつい、机に伏せてしまう。しかし、ぼくがどれほどに正当な不満を抱えていても、その行為を注意するのが、教師の仕事である。


「起きなさい」

 ぼくは不承不承と顔を上げる。

 その時だった。


国語の教師の姿が、突然、醜く変化した。

そして、間もなく、ぼくは今日見た夢の登場人物を思い出す。

中学時代――。

ぼくと仲が特に悪かった、Y君が夢に出てきたみたいに、彼は変容したのだ。


「う、わあ」

 動揺して、思わず国語教師をはたいてしまった。






「?」

 完全に、寝ぼけていた。

白昼夢に近い状態だろうか?

 国語は、ぼくが睡眠をとろうが、地球が自転をしているくらい当たり前に進んでいた。視力が悪いため、黒板の字がうまく読み取れないが、時計の針は別だ。あと十分でこの授業は終わる。


とにかく、今日のぼくはどうもおかしい。配られたプリントを雑に終了させ、授業を乗り越える。真っ先にぼくは学校を出た。帰宅を終えると、母が昼飯を作っていたが、パソコンをいじり、今日の出来事を書きとめる。大体、400文字くらいでタイピングに飽きが来る。しかし、ぼくは素直にそれを従う。




昼飯を食しながら、ぼくは今日の出来事を思考する。あれは一体、何だったのだろうか?

 夢に登場する、醜い生き物。悪意はない。ただそいつは、ぼくを嘲笑する。ぼくに迫ってくる。


もしかしてあれは、ぼくの恐怖が幻になって姿を現したのではないだろうか?

Y君とは、仲が悪いと言うより、ぼくが一方的に怖がっている感じだし、古文の教師に至っては言うまでも無い。形容詞の活用が未だに曖昧なぼくが、回答を指名された時、いつも叱咤を浴びせるそれが、怖かったのだ。


とりあえず、この恐怖は中々面白い。

恐怖におびえるぼく――読者はこんな惨めなぼくを、笑ってくるかもしれない。

インターネットの娯楽性に寄り道をしながらも、ぼくは何とか小説をここまで書き終えた。良かった。とりあえず今日は投稿が出来そうだ。


そして、ついでに加えておく。

今回のオチ。


その醜い姿をどう文章化していこうかと思い、頭の中ではっきりした存在にしようと試行した時、僕はある事に気が付いた。


 その醜い姿――それは頭は禿げていて、顔は老いて皺が目立っていた。

つまり、



老いは怖い。絶対に、僕は倒せない。

今回のウソ

☆信号が旨い事ぼくを通した→信号は赤が続いた。それに遅刻を寸前にした一番の理由は、補修の教室を間違えた事。

☆国語の授業は古文→今日は現国。そして寝ていない。


夢や、床での起床は本当です。

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