第六話 魔法の国へ
第六話 魔法の国へ
コロコロロ。ピタッ。
「あーあ。」
コロコロ。ピタリ。
「ふー。」
おひさりぶりー、月野ライナでーす。
コロコロリン。ピタ。
「も~何で!?」
今日の気分はまさに「どんぞこ」~。
今、わたしは六角形の棒を転がして占う「魔法占い」というものをしていた。最近、この占いはとても当たる、という噂が流れているので、本当かなと昨日買ってきたのである。今日、いいことがありそうな気分っ!!よーし、占ってみよ!的な気分で占ったからか[今日の運せい…△]しか出ないのでムキになって何度も何度も転がしていたのだ。
「みなさん!静かに!」
10人の動きがピタリと止まった。
「今、魔法会議で決まりました。とつ然ですが、今日魔法の国へ遠足に行きます。早く魔法セットを用意して下さい。」
わたしは先生が早口で言うのですぐに魔法セットを用意した。魔法セットっていうのは魔女のぼうし、ほうき、つえととうめいマントの入ったバックのこと。どこかへ出かけるときは、これが必須となる。
「さ、行きますよ!」
10人はいっせいに上へ飛んだ。
「ついてきてね!」
魔法星をめざす草組は、雲をつきぬけ空の青いところなんかよりも~っと上を飛んでいた。
月を通りこし、太陽を通りこし、やがて太陽系から出ていった。しばらく宇宙を飛んでいると、グラデーションのように光る星があった。
10人はそこにおりていった。
10人がついた所は、魔法の国の首都シャラリラだった。シャラリラにはたくさんの店がならんでいて、日本でいう東京みたいにたくさんの人がいた。でも1つだけちがうのが、いつも夜。
魔法の国に昼はない。なぜかというと魔法星は太陽から遠すぎて、太陽は夜空の星といっしょぐらいの明るさだからだという。そのかわりに、昼は人間界の夕方くらいの明るさなのだ。
10人はそのことを知ってとてもおどろいた。
「ふふ。みなさんは初めてですからね。おどろくことはたくさんありますよ。」
先生の言ったことは本当だった。まず昼がないこと。お金は星の石。道を歩く人はほとんどいない。マンションはなくてみんな一軒家。
「魔法の国は人間界とちがっておもしろいね。また来たいなあ。」
そう話したのは、宇宙 未来≪そら みらい≫ちゃんだった。
「そうだねー。っていうかー遠足っていうよりー見学じゃない?まだ何もやってないよー。」
「あは。先生ったら、イベントなんかすっかり忘れちゃって。みんなに魔法のことをよく知ってほしいんでしょ。」
未来ちゃん(ニックネームはミララ)との話はかなりもり上がった。
「みなさん、では魔法祭に行きますよ!」
「えっ!魔法祭?」
10人は声をそろえてそう言った。
続く…。




