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魔女のライナ  作者: あら あらさん
第一部 魔女のライナ
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第五話 とうめいマント

第五話 とうめいマント


ヒュ~。スタッ!


私はもう、ほうきに乗れるようになった。今ちょうど学校に着いて、ほうきからおりたところである。空からのながめは絶景といっていいほど最高だ。


「ギイィィィ。」


このドアの音はもうなれて、ちっともこわくなくなった。自分でも大人になったと思っている。えへへ。


さて、今日はとうめいになる魔法を習うそうだ。


「とうめいになるなんて、とても簡単ですよ。人間にでもできるくらいです。」


夜空先生がそう言っていた。


今日のクラスには「魔女のほうき」という歌が流れている。リズムがとてもいい曲だ。


ほうき ほうき

魔女のほうき♪

宇宙の果てまで 飛んでいけ♪

光と一緒に 飛んでいけ♪

どこまでも飛べる

ほうき♪

魔女は1番 おきにいり♪


「さあ、これから授業を始めたいと思います。昨日も言ったように、今日はとうめいになる魔法を習います。」


みんなの顔は、ワクワクドキドキでみちあふれていた。先生は10人の生徒にとうめいマントを配りながら、こう言った。


「このマントをはおると一瞬でとうめいになります。マントをはおっていない人からとうめいになっている人は見えませんが、はおっている人同士はお互いが見えます。」


10人はいっせいにマントをはおってみた。


はおっていない先生から見ると、いっしゅんでパッと10人が消えたように見える。


─というわけで、いっしゅんでとうめいになることができた10人はのこりの30分を休み時間にして、思うままに遊んでいた。


とうめいマントで遊んでる子もいれば、星の観察をしながら魔法星をさがしている子、集まってたわいもないおしゃべりをしている子など、いろいろなすごし方があった。


みんなは部屋ですごしていたが、わたしは一人、ほうきで学校の上を飛び回っていた。


こっちのほうが、夜景がキレイだし、風が気持ちいいからだ。


今、クラスの10人には笑顔と希望に満ちていた。


続く…。


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