40/52
第四十話 アルバム
第四十話 アルバム
澄んだ夜空に星がキラキラと瞬いていた。
「はぁ…。」
数年前、人間界にいたときのアルバムを見ながら、私はため息をついた。
初めてほうきの乗れたときの写真。
私も、みんなも、ニコニコ笑ってる。
そう言えば、あの時一番最初にほうきに乗れたのは、葵ちゃんだっけ…。
きっとみんな、私のことなんか忘れて元気に遊んでるんだろうな…。
いいな…。
私なんか、自分が守り石の使い手だって信じてて、しかも、他の使い手が三人見つかったっていうのに、いまさら、「あなたは偽者でした。」だなんて…。
思い出のアルバムに、一滴のしずくがこぼれた。
もう一度、私がアメジストのある洞窟に入ってしまったところから、人生をやり直せたらいいのに…。
「運命だもの、ライナ。」
ドアの外から、やさしい声がした。
「ママ?」
「大丈夫、その想いは時間が解決してくれるわ。」
続く…。




