第三十六話 レイナの部屋
第三十六話 レイナの部屋
今は、深夜一時。
昼には魔女の飛び交う街も、この時間になると、暗く、静かな街になる。
私の部屋の窓から見える夜空には、たくさんの星が、キラキラとまたたいていた。
私がこんな時間帯に起きているのは、昨日、レイナからあんな話を聞いたからである。
私は金持ちの家庭にもらわれた。私はいままで普通の女の子として、暮らしてきた。でもレイナは…、ちがった。私達、姉妹だったのに…。普通に、一人の母親の子として、生まれてきたのに…。なぜ、二人いっしょにもらわれなかったのだろう。なぜ、私だけがめぐまれ、レイナはめぐまれなかったのだろう。でも、私にはどうしようもなかった。
そう考えると、私はねむれなかった。
暗い部屋に、チクタクと時計の音がひびいていた。
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私はコンパクトBОXからリアルタイムパネルを取り出して、壁に貼り付けた。
めぐまれない過去を経験したレイナ。今はどんな生活を送っているのだろうか。
このパネルを使えば、レイナの生活をリアルタイムで見ることができる。
パネルにうつったレイナの生活は、とてもひどいものだった。
家はきたなくてぼろぼろ。レイナの部屋のカーテンはびりびり。ふとんはやぶけてつぎはぎがしてある。それでも、まだマシなほうだった。
きっと、ろくに魔法の使えない魔女に拾われたのだろう。
食事は、ロールパン一つ。おいしく、しっかり食べられるのは、学校だけだったのだ。
生活があまりにひどすぎて、私はショックだった。
私は、ふと貯金箱を見た。
毎月毎月、おこづかいを貯めていたのである。
私は貯金箱から星の石を全部取り出して、さいふにつめた。
そして、ほうきに乗り、街のデパートへとんでいった。
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私が向かったのは、まず、家具屋。
タンス、机、椅子、たな。ブラウンで統一して買った。
そして、真っ白なベット。きれいな掛け布団、まくらも買った。
次に、私は日用品のコーナーに行った。
あわい水色の女の子らしいカーテンとカーペットを買った。
最後は服屋に行って、たくさんの服を買った。
大量のふくろをかかえたまま、ほうきに乗って私は家に帰った。
私はむらさき色のツーシンを手にした。そして、目の前にある大量のふくろを見つめた。
実は、このツーシンはメールだけでなく、物も送れるのである。
私は、ツーシンで物を送るためにあるカメラアプリで、さっき買った物をパシャッと撮った。
送り先は、レイナ。私はポチッとОKボタンをおした。
「はぁ…。」
レイナのひどい生活を思い出して、私はためいきをついた。
私は、ベットに入った。レイナが少しでもいい生活ができれば…と思いながらー。
レイナの視点ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は家に帰ってきた。
いつものように、さびたドアを開け、ぼろぼろの家に入った。
「あぁ…。」
私のこの家は、今日もぼろぼろだ。この家に帰ってきたとき、ゆかはつるつる、カーテンはやぶけていない、ふとんは真っ白。なんてことがあったらいいのに。私は今日も、ひそかにそう思うのであった。
どんよりとした気分の中、私は自分の部屋に入った。
ドアを開けたしゅんかん、私の目に飛び込んできたのは、きれいな、きれいな、”私の部屋”だった。
カーテンとカーペットはあわい水色。机、椅子、タンス、たなはブラウンで統一されていて、
私の部屋は、ナチュラルで女の子らしい感じになっている。
この部屋はすばらしい。カーテンはやぶれていないし、カーペットがしいてあって、前の冷たいゆかではない。机と椅子はがたがたしていないし、理想的な部屋だ。
私は、はっと思った。もしかしたら、これは夢かもしれない。
私は、ほほをつねってみた。
体に、ツーンといたみが走った。
そう、これは、夢ではなかった。
では、これは誰がやったのだろう。私は考えた。
お母さんか?でも、お母さんは言いたいことを話さずにはいられない性格だ。もし、お母さんがやったというのなら、私が帰ってしゅんかんに話し始めるだろう。それがお母さんではないのなら、さて、誰の仕業なのか?
ピロンピロンピロリン♪
私のツーシンが鳴った。
「《ライナ》からメールがとどきました。」
「レイナへ そんな生活、してるんだ…。家具、送っといた。少しでもいい生活、できるといいね。 ライナより」
それを読んだしゅんかん、私ははっとした。
この家具は、ライナから送られてきた物!!
私は少し、うれしかった。
そして、ツーシンに「ライナへ。家具、ありがとう。 レイナより」
と、入力した。
続く…。




