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魔女のライナ  作者: あら あらさん
第二部 二つの守り石
31/52

第三十一話 突然の再会とある伝説の本

このお話からスポットライトを当てるのがレイナからライナに戻ります。ライナの生活を投稿しますので、注意してください。



第三十一話 突然の再会とある伝説の本


地球見学の日がやってきた。


この季節【秋】は、地球と魔法星の交流がさかんになり、地球からは十級の魔女たちが、魔法星からは三級の魔女たちがお互いの星を見学しにいくのである。


私はもう三級だから、地球見学に行くことができる。


【なつかしいな…】


三年前に使わなくなった地球のお金をにぎりしめながら、私はそう思った。


【夜空先生や、クラスのみんな…。今はどうしているんだろう…。】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さあ、地球に向けて出発します。」


クラスのみんなは、いっせいにほうきに乗った。そして、地球に向かって飛んでいった。


見慣れた街並みがどんどん遠ざかっていき、グラデーションのように光る魔法星が見えるようになった。


ほうきは、どんどんスピードをあげて進み、地球も近くなってきた。


【ほんとになつかしい…。ここに来るの、何年ぶりかな…。】


いつまでも青く光る地球を見て、私はそう思った。


ーと、三年前のなつかしい思い出を思い出しているうちに、地球についてしまった。


三級の私たちはもう十三才ということもあって、この地球見学は宿泊だった。しかも、クラスごとに行く場所が違った。この学校に来てからずっとAクラスに入っている私は、日本の富士山の、河口湖というところに行くんだそうだ。


以前、私は日本に住んでいたから、富士山が日本一高い山ということぐらいは知っている。


でも、実際に行ったことはなかったから、とてもワクワクしている。


「ねぇ、あのさ、湖ってなんであるんだろうね。山ってどうしてできるんだろうね。ライナちゃん、前は地球に住んでたんでしょう?ねぇ、おしえておしえて!」


好奇心旺盛な瑠々に聞かれた。


「えぇ??うーんとえーっと…分からない!!」


瑠々は知らないことや分からないことがあると、すぐに質問せずにはいられないらしい。聞かないよりはいいかもしれないけど、こっちだって知らないことを質問されるとよくこんな風になるのだ。


たまに、いらっとくるクセである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


河口湖では、ボートに乗ったり、近くのお店を見て回ったりした。


そうして楽しんでいる間に、とうとう夕方になってしまった。


「では、これからホテルに向かいます。」


先生が言った。


バスにのって、少し歩くと、そこにはきれいなホテルがあった。


私の部屋は五〇二だった。


私は、ジュースを買いに一階におりようと、お金を持って部屋からでた。


すると、後ろでかたっと音がした。私が振り向くと、あの時…、八ヶ岳で私の魔法を見られてしまった時のあの…女の子がいた。


ちょうどその時、向こうも私に気がついた様だった。


その女の子はわたしにかけよってきて、こういった。


「あの…、この前、八ヶ岳で会いましたよね?」


女の子が言った。


「あ…、そうですね…。」


「あのぅ、私、あなたと友達になりたかったの。いいかしら?」


女の子が不安気に聞いた。


「あ…。別にいいけど…。」


「まぁ!!うれしい!!ねぇ、一階のロビーでお話しましょう!私、いろいろと話したいことがあるのよ!」


私と女の子は一階におりて、話し始めた。


「私の名前はみどり 香奈かな。よろしくね。」


「私は月野 ライナ。実は、魔女なの。」


「私ね、魔女は絶対にいるって思ってたのよ。だって、前に解読して読んだ本に、魔法のことがかいてあったのよ。あと、私、鼻がいいのよ。ライナちゃんは、伝説のようなにおいがする。伝説って言っても、よく分からないと思うけどね。つまり…、ライナちゃんは、伝説になる、英雄になるということよ。」


カナちゃんが言った。


「ライナちゃん、もしかしたら、星型の宝石、持ってるんじゃない?」


「えっ!!アメジストを持ってるけど、何で分かったの?」


「私、においの知識が豊富なのよ。魔女から伝説のにおいがすることは、ほぼない。だから、においがしたら、そうとうすごいことをやり遂げる人なの。あと、かすかに石のにおいがしたわ。前に読んだ昔の本を解読したら、「パワーを秘める五つの石 持つ者、我が魔法星を救う」となったのよ。それに、「アメジスト ラピスラズリ エメラルド 水晶 ルビー その石の奥深くに、パワーは眠る 石を持つ者、その石と出会い 未知の力、少しずつ目覚める」とも書いてあったわね。きっとこの本は、魔法使いが書いたのよ。でも、なぜ魔法使いの書いたような本が、うちにあったのでしょう?で、その本、まだ解読しきってないの。いま持ってるから、読んでみましょう。」


カナちゃんはなにやら、分厚くてボロい本をバックから取り出した。


その本を開いてみると、私には見慣れた文字がならんでいた。


「あ…、よ、読める!!カナちゃん、これは魔法文字だよ。私には何が書いてあるかがはっきり読める。この文字は魔法使いにしか読めないの。もしかしたら、カナちゃんにもひそかに魔法の力が眠っているかもしれない…。」


「で、なんてかいてあるの?」


「五人の 石を持つ者 初めは見知らぬ人同士 一人がアメジストを手にしたとき 五人はじょじょに ひきつけられてゆく 魔法をもたぬ 石を持つ者 石と出会うが そのパワーは 石の奥底 いまだに眠る その者 魔法を持つ 石を持つ者に出会えば 未知なる力 じょじょに目覚める ラピスラズリの使いと アメジストの使いがぶつかったとき ある方は悲しみ ある方は恨みを持つ 世界は闇に包まれ 人々は苦しむ 石を持つ者 五つの石と 五人の仲間 力を一つにしたとき 未知なる力 黄金に輝く 未知なる石 黄金に光り輝いたとき 五人の勇者 この星を この宇宙を すべてを その手で救う」


私が読み上げたとき、カナちゃんは「ふーん。」といっていた。


しかし、私ははっとした。


私は以前、アメジストを手にしたではないか!!


それに、私からは伝説のにおいがする。


もしかしたら…、私は伝説の、守り石の使い手かもしれない…。



続く…。

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