第二十話 マジック・ストーン伝説
第二十話 マジック・ストーン伝説
それは、今から何十億年も前の、大昔のこと。地球など、この宇宙にまだ無かった時のこと。
漆黒の宇宙にポツンとうかんでいる一つの星があった。そう、この星こそが大昔の魔法星である。
魔法使いや魔物がまだ、この星にいなかったころ。この時魔法星は、現在のように様々な色に光る、綺麗な星ではなかった。
魔法星は、光らない星だったのである。
ところがある時、魔法星はまわりの星の光をいっぱい浴びて、たくさんの色を放つようになったのである。魔法星がグラデーションのような色をしているのは、この時からであった。
その当時、魔法星にはむらさき色の石がごろごろとたくさん転がっていた。この石をマジック・ストーンと言い、現在でいうアメジストという宝石である。
マジック・ストーンは昔からとても強い力を持っていた。魔法星が光っているように見えるのは、この石が光っているからなのである。
魔法星が光を放ち始めてから、また時が流れ…。宇宙の中に地球が生まれ、その地球で恐竜が走り回っているころだろうか。
このころもまだ、魔法星にマジック・ストーンはごろごろしていて、前とまったく変わりは無かった。
たくさんのマジック・ストーンの中に二つ変わったものがあった。二つとも星の形をしていた。
たくさんのマジック・ストーンは毎日星の光を浴び、そして光を放った。そしてある日、マジック・ストーンは、ある星の光を浴びた。
その瞬間、二つのマジック・ストーンがまぶしいほどに輝き出した。その光が消えるころには、もう二つの星の形をしたマジック・ストーンは無く、代わりに二人の人が立っていた。
それからのこと、二人の人はマジック・ストーンの力で家を建て、田を作り、水を出した。そして生活していったのである。
マジック・ストーンは魔法星の母とも言える。そして、マジック・ストーンは人を産み、家や水は土などの自然の母である、とても強い石なのである。
続く…。




