第二話 魔法学校と十級クラスの子供たち
第二話 魔法学校と十級クラスの子供たち
私は、建物の中に入った。
そして、何十年も使って錆びた鍵を「カチャリ」としめたのだった。
私の名前は、月野 来菜 《つきの らいな》。ここ、魔法学校の新入生の1人である。
私は、辺りを見回した。見慣れないこの空間…。つるつる、すべすべした床、オレンジ色に光る電球、物足りない位に広々としたホール。
私には何もかもが初めてのことだった。
その時、「こんこんこんこん」という足音が向こうから響いてきたのだ。それから徐々に足音が大きくなっていき、服の布と布がこ擦れ合う音が聞こえてきた。
私はオバケなどが全く怖くなかったし、興味もなかった。
しかし、今は違った。
徐々に大きくなる足音、服の擦れ合う音。この、「迫ってくる感」はさすがに私も、背中が寒くなった。
いますぐここから逃げ出したかった。この時を止めたかった。
私は、あまりの恐怖に我慢できなくなり、その場にしゃがみ込んだ。
長く時間が経ったと思われ、私は顔をあげた。目の前には、やさしそうな女性が2人立っていた。
「こんにちは。ここは、人間界立≪にんげんかいりつ≫魔法学校です。わたしはここの校長の夜田と申します。こちらは十級クラス担任の夜空先生です。これから十年間、よろしくお願いします。」
夜田校長先生は言った。
「さあ。月野さん、行きましょう。十級クラスのみんなが待っていますので。じゃあ、案内するので、ついて来てください。すぐそこですけど。」
私は夜空先生と十級クラスに向かった。
夜空先生は勢いよく「ガラガラッ!」とドアを開け、私とともに教室に入った… その時、九人もの女の子が、不思議そうな目をして一斉にこちらを見たのだった。
十級クラスには、私を入れて十人。おとなしそうな子やおっとりな子、おもしろそうな子や、いつもつまらなそうにしている子。いろんなタイプがいた。でも、みんなすぐに友達になれそうな子だ、私はそう判断した。
「さぁ、みなさん。しょうかいします。この子は月野来菜さん。新しく入ってきたみなさんと同じ仲間です。これから仲良くしてあげてくださいね。」
「はじめまして。月野来菜です。これから十年間よろしくお願いします。」
わたしは軽く自己しょうかいをした後、前の列の左から二番目の席にすわった。
「では、今日から、本当に授業をしますよ。今日は魔法についてのお話だけですが、しっかり聞くのですよ。」
先生は十人の生徒にこう話した。
「この学校は、人間界に住む魔女のために作られました。しかし、人間界に魔女がいることが、人間にバレると大変な事になります。それを防ぐため、人間にはただの空地にしか見えないよう魔法がかけられています。だから、家、学校、魔法星以外ですがたを表したり、とうめいにならないまま魔法を使ったりしてはいけないのです。」
この言葉を聞き、魔法について何も知らなかったクラスのの十人は、ぼうぜんとした。
続く…。




