第十四話 ママの過去
第十四話 ママの過去
ママは今日、魔法会に行くことになっている。
ママは優秀な魔女だから、魔法会に行かなければならないのだ。
「ライナ、行ってくるわね。お留守番お願いね。」
「わかった。行ってらっしゃーい。」
ガチャリ。ママはカギをしめて行った。
(ママは、子どものころからゆうしゅうな生徒だったんだよね。ちょっと、過去をのぞいてみようかな。)
そう考えるとむねがワクワクしてきた。わたしはとうめいマントを着て、過去扉の中に入った。
「ママの学生時代へ!」
わたしは闇の中に消えて行った。(とうめいマントを着ているから、もとから消えているけど。)
気がつくと、そこは学校の屋根…らしかった。今、不思議に思ったことがある。ママが育ったのは魔法の国だ。それなのにわたしの通っている学校とまったく同じ屋根の色だ。
ママが「魔法の国で育った。」とウソをついたのか、ただ単に、私の目が悪いだけなのか…。ま、そんなことはほっといてと、学校に入るとしよう。
え~っと、ママは…あった!10級のC組だね!
「今日はとうめいになる魔法を習いますよー。」と、こん色の髪をした先生が言っている。
1番早くとうめいマントを着たのはママだった。
わたしがなつかしいなぁ~なんて思いながら見ていると、ママがわたしをじーっと見ながらぼうぜんとしている。そうだった。大事なことを忘れていた。わたしの頭に夜空先生の言葉がよみがえった。
『マントをはおっている同士はお互いの姿が見える。』
今、ママの目にはわたしがうつっている。わたしはあわててママに手をふり、「未来でまた会おうね!」とさけんだ。
未来と今と過去の不思議なつながりを感じながら…。
続く…




