11/52
第十一話 謎の魔術師
第十一話 謎の魔術師
ある日、夜空先生は頭をかかえて何かをなやんでいるようだった。
「先生、どうしたんですか?」
わたしは思い切って聞いてみた。
「月野さん…。実はこの町に最近、謎の魔術師が出るのです…。その魔術師は人間がとても好きなのです。」
「それは…、いいことでは?」
「ええ…、そこはまだいいのです。しかし、魔法使いのかけた魔法に左右されず、人間が生きていくために、見つけた魔女をつかまえて魔力をうばい、その魔女を人間として送り出すということをしているのです。つまり魔術師のしていることとは、人間を守るためにこの街から魔法使いを消そうということなのです。」
「そんな…。同じ魔法使いなのに!」
「魔法使いと人間が平和に生きるために、それは本当にいいことではありません…。」
先生は下を向いた。
続く…。




