転生先の初期設定連中がうざい件。実績より設定が勝っていてどうしようもない件。
「我より遥かに強い力を持った魔王様が……負けるはずがない! 貴様は俺が倒す!」
「いやいや、だから言ったろ。俺が倒したんだって。なんで死に急ぐんだよ」
グシャリ。
「……よし、これで俺が新たな魔王だ! 今までの魔王みたいに生ぬるいと思うなよ!」
俺は高らかに宣言し、抵抗を続ける兵士たちの目の前で、全力の魔法を解き放った。
ドゴーーン!!!!
地平線までが焼き尽くされ、空の色が変わるほどの衝撃。
「見たか、兵士ども! これが新魔王の力だ!」
「な……なんて凄まじい魔法なんだ。ありえん、あの『魔術師』は半神に違いないぞ!」
「だから『魔王』だっつってんだろ! 聞けよ!」
「あの恐ろしい魔術師を野放しにはできん。何とかして封印せねば……」
「話が通じねえ……。これでどうだ!」
俺は見た目も禍々しく、いかにも「魔王らしい姿」へと変身してみせる。
「あ、あの魔術師……擬態魔法まで使えるのか! 魔王様に化けて民を惑わすとは、どこまで卑劣な奴なんだ!」
「チッ……クソが!!」
怒りにまかせて、再び最大火力の魔法をブチかましたその時。
シューーーードゴーーーーン!
「あ!? あ、あれは伝説の魔王様!? 本物の魔王様が、異次元から再臨なさったぞー!!」
空間の裂け目から、ショボいエフェクトと共に先代魔王(の残渣?)が現れる。
「邪魔すんなよ! あんな枯れ枝みたいな魔法で現れて、どこが魔王に見えるんだよ! 俺のほうが、よっぽど魔王っぽいだろうがよ!!」
(完)




